第8話 変わりだす日常に
「ふあぁぁああー……」
大きな欠伸をしながら階段を降りる。
リビングの扉を開ければ、もう雪那はソファに座ってテレビを見ていた。
扉の音に気付いた雪那はこちらに振り向き、
「お兄ちゃん!おはよ!」
と言われたから返事を返そうと思った_______
「あ"……ぁぁ……!」
「お兄ちゃん⁈」
突然だった。喉を誰かに紐で締め付けられる様な感覚の後、息ができなかった。
が、数秒後、喉の拘束の様な感覚が消えるとともにゴホゴホと噎せ返った。
それからすぐに身体中に激痛が走り、身体を抱えるように床に倒れこむ。
「お兄ちゃん⁈どうしたの⁈………あぁ⁈」
慌てて駆け寄ってきた雪那も何らかの痛みを感じたのか、頭を押さえて苦しそうにしだした。
「頭がっ、痛い……!痛いよ……っ‼︎‼︎」
声をかけてやりたいが、声が出ないうえ、身体中の激痛で意識も朦朧とし始めていた。
▽ ▲ ▽
意識を手放してしまったのだろう。
少しだるい体を起こして、すぐに雪那の様子を確認するとまだ気絶していた。
時間を見れば昼過ぎだった。
「……いったい何が」
とりあえず雪那をソファの上に寝かせるため、持ち上げようとするが、
「まじかよ。力入んねぇ……」
運べないのじゃ仕方ないため、目を覚ますまで見守っておくとする。
まず、状況を整理してみよう。
俺一人だけが痛みを感じたのなら病気という可能性もあっただろう。
だが違う。雪那までもが俺とほぼ同時に、原因不明の痛みに苦しめられていた。
一体あの痛みは何なのかは全くもってわからないまま、ただただ痛みに耐え続けなければならなかった。
結果、気を失ってしまったが。
「ああぁ……わっかんねー」
整理してみるものの頭が回ってないのか、今置かれている状況が全くもってわからない。
「ん………あれ」
「雪那、体調は大丈夫か?」
ぼーっとしていて、返事が返ってこない。
そういえば気絶する前に頭の痛みを訴えてたな。
「おーい、雪那?頭痛くないか?」
「あ、お兄ちゃん……?う、うん。ちょっとだるいっていうか、吐き気がするけど平気」
「そうか。良かった」
「ねえ」
声がした。
俺のでも、雪那のでもない声が。
しかし聞いたことのある声で_______
どうも、雪菜です。
相変わらず更新遅くてすみません。
やっと本編かなって感じです!
次回もよろしくお願いします!
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