第2話 先輩は偉大なり
学校へ到着し、教室に荷物を置き、すぐに屋上を目指す。
「真也くん、まさかまたサボり?」
そう。屋上へ行き授業をサボる。
授業は楽しいもんじゃねぇからな。当たり前か。
「おう、じゃ、屋上行ってくる。先生には体調崩したから保健室に行った、とでも言っといてくれ」
「りょーかい」
「えーしんくんまたサボり~?」
こちらに駆け寄ってきたと思えば、ズルい、ズルい!と喚く陽菜。
「はーい、姉ちゃん。飴あげる」
そんな陽菜に校則違反の飴をあげ、黙らせる遼。
校則違反とか、授業サボってる俺にいわれるのも癪だろうが。
「ありがとう!遼!」
"遼"と陽菜が珍しく呼び捨てなのは、この二人が双子の姉弟だから。
それにしても、飴を貰っただけなのに黙るとは。弟に手なづけられてるぞ。
「んじゃ、授業がんばれー」
「はあ。他人事みたいに。言っておいてはあげるけどさ」
遼に手をひらひらと振り、俺はさっさと屋上に向かって歩いていく。
廊下を警戒して歩くわけでもない。
人一人といないからな。時間帯的に。
「おー、皆崎。どこへ行くのかな?」
人一人といないはずだが声が後ろから聞こえた。
後ろを振り返る。と。そこには、笑顔の…目が笑ってない先輩が。
「あ。し、霜神先輩。おはよーございます。………失礼します」
「おおっと、待とうか?ね?」
「あ、あはは。はい…」
肩を思いっきり掴まれてしまった。
女のくせに無駄に馬鹿力だ。痛い。
「どこへ行く気だ?」
「いやー、ちょっと便所へ」
「逆方向だが?」
人間の頭の回転は遅い。特に、危機的な状況のときに限って。
「スミマセンデシタ。授業をしっかり受けます」
顔は笑顔で…何度も言うが目は笑っていない状態で迫られ、遂に観念してしまった。
「よろしい。行ってこい」
今度は本当に優しく笑っていた。
___________結局授業を受けることとなった俺だった。
おはこんばんちはですね!(笑)
読んでくださっている方々、ありがとうございます!
いや、女は怖いですね。私も女ですが・・・。
えー。楽しんで読んでいただければと思います!では、また次回!
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