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第三話[誤魔化し]

まだバトルっぽい描写は出てきませんが、気兼ねに見てくれたら嬉しい限りです。

どうするべきか、窓ガラス割って、後輩に見られて、どうするべきか。


「光夜先輩、一体何を…」


「俺は何もしてない!ほんとに何もしてないんだ!ただ手を窓に向けたら変な触手が伸びて勝手に…」


俺の意見など変な妄想だと思われていても仕方ない、俺は後輩になにがあったのか詳しく話した、とてもじゃないが現実的じゃないなと我ながら思った、後輩は目を点にして聞いていたが、絶対に信じてない。


「実はよ…昨夜、ドラッグの受け渡しの現場で容疑者とブツを連行しようとしたら、後ろからブツで刺されてな」


後輩は話を聞くと、心配し過ぎなくらい俺の体調を気にしてきた、ほんとに大丈夫なのに、とりあえず、床に散らばった窓ガラスを片付け、大穴が空いた窓から見える都会の景色を見ると、眩い光が、俺の視界に広がっていった、昨日の夜に月をみて体がぼーっとしたときと同じような感覚が体に伝わってくる、ほんとに綺麗だな。


「そういえば最近ネットとかで流行ってるニュースがあるんですよ、夜に多足の怪物が現れたって、俺も見た俺も見たと意見が出る人もいましたけど、フェイクだとかAIに作らせたとか言うんですよ、けれど、みたって証言した人はみんな行方をくらましちゃって、結局のところ真相は不明らしいです」


怪物は最近ニュースやネットなどで見る都市伝説的なもの、一部ではそれを取り締まる存在もいるとかいないとか、もしかしたら俺も怪物になっちまうのかもなと冗談めかしに言ったら後輩は苦笑いした、言うんじゃなかった…しっかしほんとに綺麗だな、空の星とかこんなに綺麗だったのか、子供の頃祖母がもっと空を見なさいとか言ってたけれど、納得するぐらいきれいな景色が広がってた。


「なぁ、鱗、お前…光るもんみて体がよ寄せ付けられることなんてあったか?」


「なんですか先輩、ナンパの話ですか?僕は綺麗な人には落とすより落とされたい派です」


いや聞いてねぇよそんなこと、にしても、体がだんだん言うことを聞かなくなってきた、俺は、窓の外に向かって前傾姿勢をとった、これ以上行くと落ちそうだ、下を見ると、結構高いところに病室があるようだ。


「なぁ、ここって何階だ」


「確か5階だった気がします」


「そうか、落ちたらやべぇよな」


「何を馬鹿なこと言ってるんですか、当たり前ですよ、普通の人だったらひとたまりもありませんよ」


「先輩…?」


あぁ、俺どうしちまったんだろうか、落ちたらやべぇってのは、わかってたんだよ、なのにどうして体が前に行こうとするんだ、止まってほしいのに抗えない、むしろ段々自分から飛び込もうとしてる気がする。


「先輩!何してるんですか!危ないから降りてください!」


後輩がなにか言ってる気がするが、俺にはどうも濁って聞こえる、力が抜けてく、光に呼ばれてる気がする、何度も頭の中がグルグルしてるとき、俺の体は窓を越え外へ出た。


「あ」


一言漏れた言葉、きっと俺の最後の言葉がコレなんだと実感した、あって…でももう良いか、なんの生きがいも持ってない俺が今更死んだって誰も悲しくならねぇだろ、両親もいないし、彼女もいない、面白くねぇ人生だったな。


じゃあ俺なんのために警察やってんだ…


鈍い音と消えた感覚が身に伝わる死んだんだなって、でもなにかおかしい強く打ち付けられたってのに、体が少し動いてる気がする、少しというより、どんどん治ってきてる気がする、起き上がろうとすると、俺の体は思いの外軽症で済んでいた。


「先輩!?」


後輩が駆けつけた、その時、黒い重装備な軍用車両のようなものが俺の眼の前に現れた、なんだなんだと思えば、鱗は病院内の人に先輩が落ちたといっただけという、その時軍用車両のようなものから、重装備の兵隊が現れた、これまたなんの冗談だ……


「昨日のことといい、これといい、俺が何したってんだよ!」


「V.D.を摂取したと見られる対象を確認、撃ちますか?」


「まぁ待て、こいつがどう動くか様子見だ、そこの人質も解放させなければならない」


まさか、鱗のことか?どうして落っこちた俺が一番に優遇されないのか気になった。


「あ、あの、先輩がさっき病院の五階から落下したんです!怪我は無いですが、なんかおかしいんです!黒い触手とか、傷の再生の早さとか!」


「隊長…」


「あぁ…構え!」


銃を構える兵隊達は俺のことを危険と見たように、警戒し始めた。


「ま、待ってください!なんで先輩を…」


「お前は勘違いをしている、そいつは君がいう先輩じゃなくなった」


俺が俺じゃない?哲学の話でも始めたかと思った次の瞬間、兵隊の一人が俺の腹を撃った、とてつもない痛みと、理由の分からなさで頭がいっぱいいっぱいだった、これ以上ストレスを増やさないでくれ…


「隊長、まだ人間の意識があるようですが」


「無駄だ、どうせすぐにボロが出る、なにかしてきそうだったらまた撃て、I.V.はすべて、根絶やしにしなきゃいけないんだ」


はぁ、くそ…夜で人がいないからってバカスカ撃つつもりか、俺は今自分状況がピンチだとわかった途端あたりを見回した、そしたら荒い運転をする暴走車両を見つけた、それは俺達をめがけて走ってくる、場所が車道だったから、クラクションを鳴らし、避けていった、これは使える。


「おい!危ねぇぞ!轢き殺されたいのか!たく…」


「…隊長!捕獲対象がいません」


「何!?」


よかった、俺は安堵の息をし、力が抜けた、鱗を抱えながら、暴走車両めがけて触手で掴まったのは良い作戦だった。


「先輩!どうするんですか!?これから!」


「わからねぇ、とりあえずこいつを人気のないところまで運転させる、おい!お前」


「うわ!?なんだお前どうやって乗った!?」


「この車はどこに向かってるんだ!」


「なんでてめぇなんかに教えなきゃいけねぇんだ!」


暴走運転をするやつは警察である俺からすれば逮捕の対象だが、今は仕方ない、俺は触手で強制的に運転の方向を変えた、暴走車両は転覆して俺と後輩は投げ込まれた、下敷きになっていた運転手は、一応助けた。


「おい鱗!このまま逃げるぞ!」


「え、でも逃げるのって警察的にどうなんですか!?」


「知らない!見つかってから考える」


逃げることだけに必死になった、しかし途中で怪しい人影を見かけた、あの見覚えがあるケース、まさかドラッグの受け渡しか?


「先輩どうします、捕まえます?」


「今は余裕がない!無視だ」


もう自分がどこに向かってるのかもわからなくなった、走っていくうちに俺達は荒い道を抜け出した、それも束の間、周りは兵隊で囲まれていた、先回りされてたのだろう。


「月都光夜…大人しくついてきてもらう、お前は……I.V.だ」

今回はセリフ多めになってしまいましたが、読んでくれたら嬉しいです、次の章も楽しみにしてくれてたら嬉しいです。

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