16部隊と斥候作業
「よし。全員引き戻したよ」
あーこれ結構辛い。
「はい。じゃあここに括り付けて下さい……」
アカリが言う。
近くにあった木の幹に縄を括り付けた。
これなら簡単にいなくなるまい。
益々威勢だけはいい奴だ。
こいつらを毎回こんな感じに押さえつけてやってるのか。
隊長さんの苦労は途轍もなさそうだ。ご苦労様としか言い様がない。
自分の運命を悔やんでいると、
「そうだ、すみませんがアカギさん、例のモンスターの偵察に行って貰えませんか?」
「分かりました。他に偵察出来るのいないし」
というわけで、斥候に行く羽目になった。
とりあえず、モンスターの強さと耐性とかでも調べてみるか。
相変わらずここらのモンスターは雑魚だな。本当にこんな所に強敵なんているのか?
道中はゴブリンの様なものしかいなかったので、スキルを使う必要すらなかった。
「えーと……これで何匹だっけ? まぁいいか。多すぎて数える気にもならん」
そんなこんなで雑魚を倒していると
「オリジナルスキル習得『龍殺しの舞』」
なにこれ。チート?
「試しに打ってみるか。『龍殺しの舞』!」
その瞬間、幾千を超えるナイフが辺りに舞い上がる。
その銀の精霊たちは無差別に周りの木々やゴブリン達に襲いかかる。
「やっべえ。味方巻き込んじゃうやつじゃん……余程のことが無い限り封印だな」
確かに大技だが、今の俺には扱い辛い。
また何匹か雑魚を屠ったが、やはりあのスキルは出来るだけ使わない方がいいかと思っていた。
何故なら、攻撃範囲が円状に広がるから味方に危害が及ぶかも知れないこと。
それにもう1つ。これはかなりの精神力がいる。
コストが高いので連発は出来ない。
「どうかして活躍出来ないものか?こんな凄いスキル、野放しにしておくのはもったいない」
そう考えていた矢先の出来事だった。
「‼︎」
更に歩いて行くと、不意に俺の体は殺気を感じた。
「うわっ! なんだ? 今までの奴とは全く違う……?」
これが強敵って奴か……。確かにオーラから半端じゃない!
俺は反射的に近くの木々に身を潜めた。
その時。
グオオオオオオオオオッ。
咆哮が辺りを覆う。
辺りのゴブリンどもは身震いしている。
俺も例外ではなく、かなり恐怖を感じた。
この時、俺は初めてこれが『狩られる』恐怖なんだと知ってしまった。
俺は『弱者』なんだと。
「一体なんなんだよ。おい……嘘だと言ってくれ……」
其処には今までのゴブリンどもとは程遠い、言うなれば「魔獣」がいた。
〜新出スキル紹介〜
(読み飛ばし可能)
ノーマルスキル『バインド』
対象に縄を括り付けて、捕らえる事が出来る。
最大10本まで出せる。
オリジナルスキル『龍殺しの舞』
辺り(大体10メートル程)に空を舞うナイフをたくさん召喚して無差別に切り裂きまくる。
上達するとナイフの数が増える。
一日10回制限。




