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1^(7)7話 絶望されども希望あり。それは可逆である。

いつもよりグロめです。

そこまで酷くはないですが苦手な人は注意してください。

荒い息が空気を震わせながらも元の洞窟に着いたゼロ。


ゼ「どうする……?時間はない…」

ゼ「こいつらで何とかできる気もしない……」


ゴブリンとミストを見て、勝てるビジョンが浮かばないゼロ。

しかしゼロは頭に豆電球を浮かばせる。


ゼ「そういえばDPと文字余ってるな?」

ゼ「……作るか!!」


時間はない。緊迫した空気でウィンドウを開き、

ゼロはたまに押し間違えながらもWRITE画面をいじる。


ゼ「えぇと漢字は……」

ゼ「もういいや適当で!!」


焦る、急ぐ、適当になる。

順当な心情の変化だとは思うが、それは失敗だったとわかる。

生成ボタンを押した時に。


ゼ「………『薄』と『髪』。」

ゼ「終わった……………。」


漢字に弱いゼロでもわかる。コレは酷いと。

しかしシステムは無情にも生成の光を出す。

生成されたのは——


=========================================================


NAME 薄毛剤


EFFECTー ITEM 飲むと3分間毛が消える。。

    L DUNGEON 宝箱に設置すると獣系モンスターの防御力が0.9倍になり、攻撃力が1.1倍になる。


FLAVOR TEXT

毛が消える劇薬。育毛剤は何度使っても効果は出ないのに、コレは必ず効果が出る。


=========================================================


ゼ「作った人ハゲかよ。」

ゼ「———ってそんなことどうでもいいんだよ!!」


そんなゼロの声と共鳴するかのように『ドスン!』と音が鳴る。

これで8回目だ。時間がない。

念の為ゴブリンとミストを連れて、牛頭馬頭のいる洞窟へ向かう。


———数分後。

かなり煙っぽく、そこらじゅうに小石や岩くずが落ちている。

壁には多くのヒビが入っている。


すると重い風切り音が聞こえ、

『ドゴンッ!!』

さっきのとは毛色の違う、壁に響くような音がした。


数秒後、大きな音と大きな土煙と共に、壁が崩れる。

そこには、土に塗れた角を持つ牛頭と少し脱力した様子で立ち上がる馬頭が、武器を持って並んでいた。


牛・馬「グオ“ォオ”オォオォォオ!!」


崩壊した洞窟をさらに陥落させようと言うのかと思うほど大きな鳴き声。

ゼロらは音圧だけで少し下がってしまう。恐怖ではない、物理でだ。

すると、ミストが飛ぶ。馬頭の()に向かって、酸っぱい匂いを振りまきながら。


馬「グォオ''!?!」


馬頭が「何で俺ばっかり!?」という感情も混ざっているが痛みが勝っている声を出す。

何故、痛みがあるか。答えは単純、『酢』だからだ。


ゼ「なッ。———ミスト凄いな!!お前!!」

ド「ドラァ!!」


驚きつつも賞賛するゼロ。それに頼もしいような、そうじゃないような鳴き声で返すミスト。

そして、目が混濁し始める馬頭。


ゼ「……… 角膜腐食か?」


さすが理系、識別が早い。

そう、角膜腐食だ。薬品などが目に入り角膜が損傷する疾患である。


暴れる馬頭、酢が入った目に、弱った手を伸ばす。大きな重い斧を持ったまま。

手から斧の柄が抜け落ちる。


『グズシュッ!!』


肉が切れ、潰れる音。

何故、弱った手なのに斧を持ったままだったのか。

それは、強大すぎる物理の所為だった。


ゼ「……口が開いていて、全身の脱力。筋肉の弛緩だ……!」

ゴ「ツマリ、ドウイウコト?ヌシ。」

ゼ「死んでる!!」

ド「ドラァ!?!」

牛「グオ“ォ!?!!」


味方も、敵(ゼロの反応を見て察した)も驚く。それほどまでに呆気ない死。

床には馬頭が飲んでいた血を浄化したかとも思えるほど鮮やかな鮮血がドクドクと地面に広がる。

牛頭はそれを見て何を思うのだろう。


『怒り』『恐怖』『絶望』———


牛頭が感じたのはそのどれでもなかった。

感じたのは、このダンジョンを攻略するとという使命感だけだった。

その手に持った金棒を両手で跡が残るほど強く握りしめ、腰を落とす。


次の瞬間———ミストは霧散していた。

ゼロらには先程の鳴き声なんて比じゃないほどの風圧がかかり、強く尻もちをつく。


ゼ「え………………。」


『戦慄』

そんな言葉がまさに当てはまる状況だ。

牛頭は残心をとり、馬頭とは違い油断も隙もない。

ゼロの心は牛頭馬頭に出会った時の恐怖より深い絶望に苛まれていた。


そんなゼロの気持ちを軽んじるかのように小石が『コロコロ』と音を立てて転がる。

石は『ゴトン』と絶望の深さを表すように、重い音を立て、落ちる。

岩は『バキッ』とゼロの心のようにひび割れ、砕ける。

馬頭の死体はそんな石や岩に潰され、内臓や肉が飛び出て、もはや原型をとどめていない。


そんな重い世界を踏み台にするかのように『カツンッ』と、軽い音が鳴る。

『薄毛剤』だ。ゼロの手からすっぽ抜け、宙を飛んでいた。

高く高く飛び上がり、天井に当たった音が今の音。

そして薄毛剤はフタが衝撃で開いていた。

そして勢いよく回りながら、中身を撒き散らしていた。

※作者はハゲではありません。

※作者はハゲではありません。

※作者はハゲではありません。

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