皇都での出来事
女王様視点。短めです。
月曜日と火曜日は時間がとれないので、ショートストーリーか更新無しにしたいと思います。
その分水曜日以降しっかり更新します。
ここは魔皇国の皇都グランヒルデの王城の私室。
私は今、宰相のジルバと相談をしていた。
「先日引退した六神将のゲルガンの後任を早く決めたいわね」
「そうですね女王様。しかし六神将には魔皇国で女王様に次ぐ強さを持つ者が選ばれるのが通例です。中々それほどの勇士を見つけるのは困難でございますね」
そう言ってジルバはため息をつく。
六神将に欠員が出ると残りのメンバーにかかる負担が大きくなってしまう。
彼らに任せる仕事は彼らでなければ務まらないものばかりだ。
「難しいのはたしかだけど補充しないわけにもいかないから大変だわ。ジルバは誰か候補になり得る者は知らないかしら?」
「私としては国境の町ヴェルサスの町長グルガの長男マーキスならばどうかなと思っていました。まだ若いのでこれからの成長も見込めるかなと思いまして」
「マーキスくんかぁ。悪くないのだけど国境の町に配備しておきたい人材なのよね。あとは実力的にももうひとつかな?私には敵わないだろうし」
するとジルバは先ほどより深いため息をわざとらしくつく。
「女王様より強い者が居たらそのものが魔王になっていたでしょう。さすがにもう諦めたかと思っていましたよ」
「私だって年頃の乙女なのよ!諦めるわけないじゃない!」
私はある理由から私よりも強い男をずっと前から探している。
「世界中を探せばいるのでしょうけれど、国内にいるならば魔王決定戦に参加していたでしょうしね」
ジルバの言うことはもっともだ。けれども私は小さな可能性だとしても諦めたくはない。
するとジルバは少し困ったように長い黒髪をいじりながら言った。
「女王様も報告書を読んだとは思いますが、ヴェルサスに王国の英雄ロイドがいるらしいんですよね」
「報告書は見たけどほんとなの?なぜ王国の英雄がヴェルサスにいるのよ?」
「町長のグルガからの報告によれば事情により転移させられたとのことですが…」
「それでその英雄がどうかしたの?」
「先ほど私に入った情報によると、先ほど私が名前を挙げたマーキスに一対一の決闘え勝ったらしいのですよ」
なんですって!?マーキスくんに勝つほどの実力。興味深いわね。
「なぜそれを早く言わないのよ!」
「彼は王国に育った者ですし、そのような実力者がなぜこちらにいるのかも事実確認が済んでいませんから」
ジルバは当たり前だと言わんばかりに正論を吐く。
「いいじゃない、理由なんて。この国において強さは絶対。六神将の後任にその彼を入れるのはどうかしら?」
ジルバは僅かにうめきながら答える。
「女王様ならそういうと思ってたので言うのをためらったんですよ。どうせこの後彼に会いに行くとか言うんでしょう?」
さすがジルバ。私のことが分かってるわね。
強い男がいるかもしれない。そう聞いて黙っているわけないでしょう?
「ジルバ。そういうことで留守は任せたわよ!それじゃあ行ってくるわね!」
「分かりました。こうなることは予想していましたのでお任せ下さい」
ジルバの返事を聞き終わる前に私は転移魔術でヴェルサスへと向かった。
「ユリス様も強すぎて大変ですね。願わくは彼の英雄がユリス様よりも強者であることをこのジルバ、心から願っておりますよ」
ジルバは一人しか居ない部屋でささやかな願いの言葉を発した。




