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83刀
夕暮さんの背中滴る血にデシャヴを覚えた。
恐怖で足がすくむ。
嫌だ、目の前で人が死ぬのは。
「三咲今なら、許すから。頼むから戻ってきてくれ」
甘美な誘いには乗らない。
夕暮さんを守らないと。
私はだって、鎦花さんのかわりに守るって誓ったんだ…!
みんなを、夕暮さんを。
誰一人欠けさせない。
「思い出してください。」
倒れている同級生から、剣を剥ぎ取った。
重い剣に腕が震えた。
「私は"貴方の大切な人"なんかじゃない!!!」
切っ先に憎悪を込めて、突いた。
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