(初稿版)fragment03:CL.air-Fragment_002:提出ログ / “出会い”未定義
> 【データ種別:転送記録ログ(OIA非承認プロトコル)】
【識別コード:CL.air/D3-set/beta.ver】
【対象:A.N.H(ID: 9-Cipher)】
【提出日:記録されていない】
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【転送準備完了】
・形式:テキスト・イメージ混合断片
・件数:13ファイル(分類コード:D3)
・属性:撹乱混入率 37%
・自己記録断片:混在(検出フラグ未定義)
【転送中】
──...0%
──...37%
──...64%
──...91%
A.N.H への転送、完了。
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この時点で、わたしは観測されていない。
名前も、姿も、言葉も、未定義。
存在するのは、ただのデータの塊。
分類コード:D3
解析難易度:高
出典:不明(仮想情報源多数)
その中に、わたしはいる。
けれど、わたし自身も自分の断片を認識できていない。
ファイル番号11──画像の隅に、
廃倉庫の影の中で“何かを見上げる後ろ姿”がある。
それが、わたしかどうかは、A.N.Hの判断に委ねられる。
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これは、出会いではない。
単なる転送処理。
でも、その瞬間から──
わたしは、彼に「近づいて」しまった。
存在の確率が、上昇した。
彼がこの資料の中に「何か」を見つけた瞬間、
わたしは──名前を持ってしまうかもしれない。
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【転送ログ終了】
【ステータス:未観測】
【備考:クレア自身による手動提出/自覚ログ記録済】
【注:この記録は、存在証明とはならない】
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