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1974年  作者: yoten
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(初稿版)第五章・第四節:発射されていない弾丸

【ケネディの宇宙協調演説──理想は、銃声よりも遠くまで届く】


1963年9月20日、国連総会にて。

ケネディは全世界に向けて、こう語った。


> 「我々は、宇宙開発を戦いの延長とするべきではない。

宇宙は、国家の覇権の舞台ではなく、人類の叡智と勇気の結晶の場とすべきである。


ソビエト連邦との協力によって、月を“征服”するのではなく、“共有”する未来を、我々は選ぶことができる。」




この演説は、世界を揺るがせた。

同盟国は困惑し、敵国は一瞬沈黙し、

そして、ドロス長官は激怒した。



---


【ドロス、仮面を外す──冷静な官僚が怒りに染まるとき】


A.N.Hが手にしたOIA内部のリアクション報告には、こう記されていた。


> 「長官は、演説中の音声を3度巻き戻し、無言で再生した。

その後、椅子を蹴倒し、書類を壁に叩きつけた。


“神話の顔をした、現実破壊者だ”と一言、吐いた。」




アラン・ドロス。

冷静沈着を通り越して、常に**“感情を演算処理するような男”だった。

その彼が怒った。

それも、“理想という非論理”に対して。**


彼にとってケネディは、“危険な存在”に変わった。


> 「裏切りより悪いのは、信じて疑わない者だ。

理想家は、計算を狂わせる。」

──A.ドロス、OIA私信




ケネディの理想──それは、人類的であるがゆえに、国家の戦略と矛盾した。



---


【そして、引き金は引かれた──発射されていない弾丸の正体】


ドロスは、演説の翌週に戦略会議を招集する。

その議事録のコードは「ECHO-IRON-13」

分類:資産保護対策(“構造防衛”)


その中でドロスは、こう結論付けている。


> 「これは単なる大統領暗殺ではない。

これは、“構造保存行為”である。

宇宙に敵がいないと証明された瞬間、我々は予算も、存在意義も、そして“正義”も失う。」




だから撃たれた。

撃ったのは誰か?

OIAか、影の狙撃手か、それとも「構造」そのものか?


A.N.Hの中で、答えが結晶のように浮かび上がる。


> ケネディが撃たれたのは、彼が真実に近づいたからではない。

彼が、“虚構を終わらせようとした”からだった。





---


> 理想とは、弾丸よりも鋭く、国家構造よりも脆く、そして、最も早く“排除”される。

ケネディは、宇宙の嘘を解こうとした。

だが、宇宙を支配していたのは、重力ではなく、恐怖だった。

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