最終授業。 熱血塾!!
夜の森ほど危ない所はない。なぜなら、夜は様々な野生動物がいたり、完全に道がわからなくなり
遭難してしてしまう。
俺は、焦っていた。遭難なんて冗談じゃない。
遭難して助かったというニュースはよく聞くが、そんなもの奇跡に過ぎない。
しかも、俺は今、塾長に命を狙われているんだ!!きっと塾長は俺のことさがしてる。
日の沈みがいつもより早く感じる。
もう、周りは薄暗い。そしてここがどこだか完全にわからない。
焦る気持ちが限界に達していようとしている。頭が回らなくなり。
考える機能が停止した。涙目になった・・・・・・・胸に何かがこみあげてくる。
そして、耐えきれなくなって、大粒の涙がとめどなく出た。止まらない。
俺は、ここで、この森で死ぬのか・・・・・・
「おい!」後ろから声がした!
その声は塾長ではなかった。でも、もう暗くて、だれかわからなかった。
目が慣れてきてようやく分かった。石田君だ!!!
「おい、お前こんなところで何してやがる。探したんだぞ!!」
「あ、ごめん。迷って」涙を拭きながら言った。
「ちっ迷子になってないてんじゃねえよ。24歳だろ」
石田君が神様のように思えた。
俺は、早く最初の地点に戻って帰りたかった。
「じゃあ、一緒に戻ろうよ最初の所に」
「いや、あそこにはもう、戻らねえ、逃げるんだよ塾長から」
「え!!逃げ道あるの!?この森に??」
「逃げ道は今のところないけど、この先行ったところに古い家がある。今日はそこで逃げる方法をみんなで話し合って、明日この塾から逃げてやる。」
「え!?みんないるの!?」
「ああ、ほら行くぞ」
「わかった」
俺は、その話を聞いて、ものすごいほっとした。みんなが初めて団結したように思えた。
赤信号、みんなで渡れば怖くない・・・・・この言葉を思い出した。
数十分歩いたところに、ほんとに二階建ての黒い家があった。
黒くなっているのは古いせいだ。家の周りにはツルが張り巡らされている。
汚いガラスの中にはろうそくがともっていた。
「ほら、はいれ」
俺は細長いドアを開けた。
玄関は思ったより狭い。靴は一つもなかった。
「2階にみんながいる」と言い石田君は案内してくれた。
不気味な家だ。暗くてゾンビでも出そうな家だ。
階段を上がってすぐ右の部屋にみんながいるらしい。
ドア向こうからにぎやかな話し声が聞こえる。
俺は堂々と部屋のドアを開けた。ガチャっ
「武田くんだよね!!!」
「よかったあ、みんなそろって逃げたいしね!」
「武田君何してたの?」
「え・・-っと 迷ってたww」
俺は、照れながら言った。
それから、石田君に俺が泣いていたことは言うなよ、というアイコンタクトを送った。
石田君は笑っていた。
「ねえ、みんな松茸見つけたあ?」
「あるわけないじゃんww」
「あの異常じじい、毒キノコでも食ってろつうのwww」
初めてみんな団結して楽しい雰囲気で、にぎやかだった。
だが、そんな黄色い雰囲気はすぐに吹き飛んだ。
おれは、一気に現実に落とされた。
塾長の過去のことについて、思い出したのだった。
それまで、遭難しかけて、忘れていたけど、これはみんなに言うべきだ!!
でも、このことを言ったら今の雰囲気が崩れる!!どうしよう?
でも、大事なことだ!言おう!!
俺は口を開いた。
「みんな、楽しい雰囲気のなかお茶を濁すようだけど言わなきゃならないことがあるんだ。」
「えwなになにw」
「武田君、どうしたのそんな暗い顔して?」
部屋がさっきまでとは違う、静寂に包まれた。
「塾長は、俺たちを銃で殺す気だ!」
みんなの眉間にしわが寄った。
「なんで!!どういうこと!!」
俺は、みんなに説明した。森の中で見つけた塾長の自分史の内容とか
森の中で銃声が何度もしたことを。
塾長がいつも持っていた、黒い袋に入っていた細長いものは、散弾銃ということも。
「え?私たち殺される?」甲斐さんが、おびえながら言った。
「塾長に見つかれば殺される」
上杉君はもうパニック状態になりかけていた。
「う、う、うそだろ?まてよ!おい!」
「明日、下手に動けば塾長に殺される」石田君はいつでも冷静だ。
口を開けたまま動かない足利君。
みんな、そうおびえていた。石田君だって額から汗が出ている。
「な、な、なんで俺たちを殺そうとすんだよ!!お、お、俺たちなんかしたか?!?」
「精神に異常をきたしているって自分史に書いてあった。」
「普通の常識は通用しない。異常者だ・・・」
「こうやって話してる間にも奴は俺たちを探しているんだろ!!」
「ああ、そういうことだ」
「よし、わかった。みんな部屋中のろうそくを消していくんだ!!」
「確かに、暗い森の中に明りがあったら、すぐに見つかる。」
「いけ!いくんだ!!」みんなが素早く立ち上がった。
みんながろうそくを消しに部屋を出た瞬間
ドン!!!ドン!!!
もう、遅かった・・・・殺される。気づかれた。
1階でドアの開く音が聞こえた。
「ここにいるのはわかってる!!!でてこい!!!」
怒号は家じゅうに響いた。。
「逃げないと!!私たち殺されちゃうよ!!」
「でも、こっちの階段とあっちの階段どっちから上がってくるのかわかんないよ!」
「こ、こ、こっちに決まってんだろうがあああ!!」
「早くにげろおお!!」
ドン!!ドン!!
あっちのほうから銃声がした。
足利君が一番早く階段を駆け下りた。
ドン!!ドン!!
血が飛び散った。
血は2階まで届いた。
さっきの銃声は塾長のフェイクだったのだ。
「足利君がやられたあああ!!」
俺たちは、向こう側の階段に向かって廊下を全力疾走した。
ドン!!ドン!!
背中に液体がかかった、それは血ということはわかっていた。
でも、だれが殺されたのかは、わからない。
やっと、もう一つの階段にたどり着いた。ここで、はっきりした。
走ってる最中殺されたのは、甲斐さんだった。
残った3人は一気に階段を駆け下り玄関に向かった。
玄関の細長いドアを開けて、すぐに閉めて走って逃げた。
だが、ここで二人しかいないことに気付いた。上杉君がいない。
家の中においてきてしまった。俺は、戻ろうとしたが、石田君が俺を制止した。
「このままじゃ、上杉君は殺されるよ!!」
「はあ、はあ、お前が殺されるぞ!」
家のほうから、叫び声が聞こえる。
「おい!!何でこんなことするんだよおおおお!!」
俺たちは、呆然と叫び声を聞いていることしかできなかった。
「お前らは、社会に出ても使い捨てられるんだ!!そんなことになるぐらいならここで、死ぬほうがましだと思え!!」
「いやだああ、死にたくないいい、まだ生きたいいいい!」
ドン!!!ドン!!!
銃声が響いた。
ふっと我に返り、一目散に逃げた。
走った!体力が続く限り全力疾走で!
だが、体力は無限には続かない。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
「おい、あれを見ろ!!」
そこには、出口まであと300mと書いてある看板がある。
俺たちは正規ルートへ出たんだ。助かった。
俺たちは、すぐに走った。走った走ったんだ!!!
ガン!「いてっ」
俺は石につまづいてしまった。石田君は俺が転んだことに気付かず走り続けている。
俺は、痛くて立ち上がることができなかった。
その時
「待て!!!」ドスの利いた声が森中に響いた。
石田君が危ない!助けようとしても膝がいうことを聞かない。
俺は、なんとか草の茂みに身を隠し様子をうかがうことにした。
石田君はその場に立ちすくんでいた。
「はあ、っはあ、じじい、久しぶり」
「最近、お前の様な生意気な青年が増えすぎた。お前の様な奴は真っ先に社会から抹殺される!」
「うっせーじじい、へへ」
塾長は石田君に散弾銃を構えた。
まずいと思って、声を出そうとした。だが震えて声がうまく出ない。
「あう、た・・・う・・・」
全然声が出ない。
「では、死ね!」
カチャ ドン!!ドン!!
一発は足に当たり、2発目は腕にあたって、腕が吹き飛んだ。
あまりの無残さに吐きそうになった。
塾長はその場を去って行った。
塾長が完全に去って行ったことを確認して、石田君のところに行った
石田君は少し息をしていた。肩からが血がとめどなく出ている。
「石田君っ生きてるの!!?」
「警察を・・・・呼んで・・・逃げろ・・・・」
「俺は・・・いいから・・・逃げろ・・ブハッ」
石田君の口から大量の血が出た。
「み・・な・・死・・・・・む・・・・な・・・」
死んでしまった。
俺は一気に走った。山を出た数十メートル先に民家があった。
俺はその民家に向かった。
ドン!ドン!ドン!俺は民家のドアを壊すかの勢いでノックした。
「助けてください!!開けてください!!」
数秒後に玄関の電気が点灯した。
ドアを開けてくれたのは、老夫婦だった。
血まみれの俺を見て、何も聞かず警察に連絡してくれた。
そして、5分後ぐらいに警察が来た。
俺は気が動転してて、うまく話すことができなかった。だが、自分が体験した大まかなことはわかってくれただろうと思う。
ついに、俺は緊張の限界が来て、失神してしまった。
俺が目を覚ましたのは、病院のベッドだった。
ベッドの横の机には、賞状と金色の何かが置いてあった。
日めくりカレンダーを見たら、8月4日と書いてあった。丸3日寝ていたのか、記憶がない。
体中だるくてきつい。ここは、病院の個室みたいだ。
すると、個室のドアが開いた。
制服を着た男の警官とスーツを着た若い男性が来た。
「どうも、武田君」スーツ男が言った。
「え、どうも」
「私の自己紹介をしますね」
「私は、政治家の柳恭一郎というものです」
「恭一郎さん・・・」
「はい、なにしにきたのかを言いますと。真実を伝えにきました。」
「真実・・・・?」
「はい、あなたは8月1日、熱血塾を無事卒業されました。」
「卒業特典は、あなたの就職先です。おめでとうございます。」
「え?はあ」
「あなたは自分から辞めるといわない限り、くびにはならないので安心してください。」
「えーっと、就職場所は・・・・」
「あの!ちょっといいですか」
「はい!どうぞ」
「どういうことなんですかね?塾長は警察につかまったんですか?」
「ふう、急ぎ足ですみません。大事なことを話していませんでしたね。」
「あなたは、さっきも言った通り熱血塾を卒業されました。卒業すると、特典として就職場所があたえられます。これが法律に示してある規則です。」
「法律ですか・・・」
「あなたは、もう、青年育成法についてご存知ですよね。」
「まあ、はい。どんな手段を使っても青年を育てる法律ですよね。」
「そうですが、それは裏向きの法律です。表向きでは、青年が仕事に就けるよう国が援助するという法律です。」
「そうなんですか」
「ええ、でもこんな表向きな法律では可決されないんですね。」
「なぜですか?」
「青年育成法が可決された背景には、大物と呼ばれる、年配政治家たちの怒りがあったんです。」
「年配政治家たちは苦労して今の職を手に入れました。そりゃあ、勉強も努力したでしょう。仕事も努力したでしょう。年配政治家たちがまだ若者だったころの日本は劣悪な環境でした。そんな環境の中で、政治家という仕事をやっとの思いで手に入れたのです。」
「なのに、今の若者たちは、恵まれた環境にいるにもかかわらず、だらだらと毎日をすごしている。そういう人たちを、国は税金を使って援助しようとしている。これが年配政治家には納得できなかったんです。」
「青年育成法は恭一郎さんが提案したんですか?」
「はい、でも年配政治家たちは、なかなか可決してくれませんでした。そのせいで、多くの政治家もこの法律には反対しました。」
「え?どういうことですか?」
「政治家の世代交代が起こらず、悪循環になっているということです。年配政治家はやっとの思いで手に入れた職をなかなか離れようとしましません。そのせいで権威的な政治家が多くなり、若い者の意見は反映されず、ずっと古い考えが漂ったままなのです。」
「青年育成法を可決するにあたって、ある条件が出されました。その条件は青年育成塾を全国72か所に設置することです。塾が教える内容は社会の厳しさです。そして、塾の先生はなにをしてもよいというものでした。」
「なにをしてもよい?」
「はい、体罰に敏感な現代社会でそんなことは許されるわけがないし、ましてや殺人も許可するなんて、国がするようなことじゃないと思いました。ですが、そんな奇想天外な条件付き法律は可決されてしまいました。もちろん条件は隠されていました。」
「無実の青年が死ぬ。これが発覚すればどういうことになるでしょう?」
「国中はパニックになり大量殺人を認めた国として有名になるでしょう。」
「これが今回あなたに起きたことのすべてのいきさつです。」
俺は愕然とした。
日本中で殺人が秘密裏に許可されていることに・・・
「今、話したことは、絶対に他言してはなりません。もし、誰かに話した場合、懲役25年罰金・・・・」
「あっ言わなくてもわかってます。」
「そうですか、では帰ります。」
「あっ言い忘れてました。就職場所は山本株式会社です。電気機器をあつかうかう会社です。」
と言って帰って行った。
俺は、まだ納得できていなかった。
理不尽に殺されていった、石田君、甲斐さん、上杉君、足利君の顔を思い浮かべた。
一粒の涙が頬をつたった。
3年後
また、暑い夏が来た。俺は上司に呼ばれた。
「武田!できないなら帰れ!!」
「すみませんでした!またやり直してきます。」
俺はもう変わった。あのころとは違う!!
セミが鳴いている。このセミのせいで暑さが増幅するといっても過言ではない。
「熱血塾へようこそ!!!!」
ドスの利いた声がグラウンド中に響いた。
------------- 完 --------------
最後まで読んでいただきありがとうございました。
私は今、高校生で文章も至らないところがあったと思います。
今後努力したいと思っています。




