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モニター  作者: 倉名依都
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5.シロサキ先輩?


 思ったより軽い気分で目が覚めた。ここは異星でアイザックは得体の知れない変な生き物? もしかしたら一種のAI? かも知れないとわかったのに、意外と平静でいられる。それはおそらく、アイザックというここでの二年間のただひとりの話し相手が、美希に寄り添う姿勢を見せてくれたからだろう。一体どんな恋愛小説を読んだのかと思うと、少し笑えさえする。なかなか勤勉な知性体ではないか。


A:おはよう、ミキ。眠れたかね

M:ありがとう、アイザック。自分でも意外でしたが、すごくよく眠れました

A:ふむ、ミキは知性の高い個体なのだな

  サポートする生命体が傍にいないにもかかわらず、混乱しないでいる

M:あら、どうも、気を遣わせていますね

A:その表現の意味はわからない

M:えーっと、深夜にアイザックに連絡して煩わせてしまったことを

  私が気にしないように、褒めてくれているということです

A:そのような意図はない

M:うふふ


A:今日のレポートを聞こう

M:はい。まだ外を少し歩いただけですが、砂浜を歩いた感触は地球と

  大きな差異はありませんでした。高水位線に打ち上げられている海の

  動物の殻、たとえば貝殻のようなもの、海藻、たとえばわかめのようなものも

  よく似ていると思います


 美希は、自分がするりと「地球と大きな差異がない」と考えるようになっていることに驚きを覚えはしたが、アイザックにとっての事実に自分が少し追い付いたと認識もした。


M:魚と思われるものも潮溜まりに残されていました。

  それで、質問ですけれども

A:続けて

M:ここで日本人が生きて行くとしたら、必ずお魚を食べてみると思います

  その時、それが体に毒でないかどうか確認する手段はありますか


A:ふむ。こんなに早くこの質問が出るのだな

  すでに準備はできている。説明は受け入れがたいかもしれない

  これから送る文書はミキサイドの記録に残り、

  いつでも確認することができる

  疑問があっても最後まで読んで、質問は明日以降にしてほしい

M:え? はい。そんなに重大な質問でしたか?

A:テキストを送る





絶滅危惧知的生命体緊急保護プログラム・実施第七回

保護対象:ヒューマン、ソルテルシウス、ミルキーウエイギャラクシー

     *作者注:ソルテルシウスは、太陽系第三惑星*

概説:ヒューマンへの基礎情報


当該プログラムは、偶然に高名な上級研究者の保護を、要請する時間がないままに、その意思を確認することなくシロサキというソルテルシウスの知的生命体に強制する形となったところから始まった。

上級研究者は、地球言語のうち日本語でサクヤと名付けられた。本名、アマステシエドリューマ。

シロサキは、本名、シロサキ・アマネ、ソルテルシウス出身のヒューマン。

なお、シロサキはフィメール(女性)。


研究者サクヤは乗機の不調で、地球言語でおよそナミニアルミネンスマジョリテと発音する、ディメンション・ショック対応船責任者に保護を求めた。しかし、対応船が緊急対応直前だったためエネルギー生命体であるサクヤの保護が不可能であり、一時的に地球に避難を余儀なくされた。

そこでシロサキに地球時間で十年間保護された。

なお、この間、シロサキにはサクヤを保護しているという実感はなかったが、シロサキ及びサクヤは、ナミニアルミネンスマジョリテの指示によって篤い保護が与えられていた。


保護終了後、ナミニアルミネンスマジョリテは、アマネに謝意を示し、褒賞として知的生命体が生きる他星への留学を提案した。

シロサキはこれに応じず、地球の日本という地では下火になりつつある薬草を使用する薬、民間薬と呼ばれる薬剤の製薬をしたいと願った。

なお、シロサキは今現在も研究者サクヤとともに薬草を煎じる作業を楽しんでいる。(シロサキに付き添う、研究者サクヤによる現在情報)


このレポートではプログラムの詳細は述べず、シロサキが求めた褒賞と、それをサポートする体制について述べるにとどめる。


天の川銀河非常事態対応最高責任者・ナミニアルミネンスマジョリテは、当該銀河内情報を掌握する自立型情報管理システム、キュエリ‐リシュラスにシロサキの望む惑星環境を検索させた。

なお、シロサキは、キュエリ‐リシュラスを、キュリと呼ぶ。


シロサキの希望した褒賞は、

1.他惑星での製薬体験

2.自分の体内に存在する微生物等が他の知的生命体に打撃を与えないために、

  哺乳類が存在しない惑星であること

3.戦うことができない自分の安全のために、

  大型の肉食動物が存在しない惑星であること


キュリは該当する候補地を挙げ、サクヤが現地視察を行い、行く先を選択した。

その過程で、知的生命体のいない星へ赴く研究者サクヤのために、専用情報端末を搭載したキュリの子機が建造され、サクヤ及びシロサキに情報アクセス権が与えられた。


キュリが情報管理するのは、知的生命体が生存する惑星の環境であって、シロサキが希望した“知的生命体が未だ発生していない惑星”には、かつて研究者が訪れたことがなかったからだ。

特に、研究者サクヤにとってまたとないチャンスであり、キュリにとっても新情報を得るという意義があった。


シロサキは、この子機に命名する権利を与えられ、キュリの子機であるところから、マリー・キュリと名付けた。これはノーベル物理学賞という学問の賞を受賞した最初の女性の名であることを特筆するよう、シロサキより強く求められており、そのように記載する。


マリー・キュリには、天の川銀河の各惑星の既知植物についての情報が分与された。

その後、研究者サクヤの権限により、動物、水質、地質、地形、大気についての情報が追加された。

この子機と同じ衛星が、惑星・美輝にも配備されている。


惑星・ミキ(美輝)の命名者であるモニター、ソリマチ・ミキに子機に命名する権利と、アクセス権を与える。


以上





「ええー‼」

惑星・美輝の青空に、美希の絶叫がとどろき渡ったことは言うまでもない。


美希は、とりあえず外に走り出て、腹に力を入れ、海に向かって、「バカヤロー、サインする前に言えー‼」と叫んだのだった。まあ、サインする前に言ったら、誰にも相手にしてもらえなかっただろうが……。わかっていても腹は立つ。


えーっと、ちょっと先回りの情報ですが:

城崎天音とサクヤのお話は、書き終えてはいるのですが、

完成後になって、ちょうど勉強中だった量子力学的転移と、次元転移が混在していることに気が付いて

現在、発表に適していない状態です

「モニター」の最後に、ふたりのお話を非常に短くして掲載できるよう、準備を進めています

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