表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/55

9、メリーゴーランド

「クライド様、もうこの辺で大丈夫ですわ」

「いえ、何かあったら大変ですからお屋敷までお送り致します」

 ベティとクライドは手を取り合ったまま、フローレス家まで歩いて行った。


 屋敷に着くと、ベティはお辞儀をした。

「ありがとうございました。クライド様」

「ベティ様、カール様から何かされたら必ず私に言ってくださいね」

「はい」

 

 クライドは別れを告げると、名残惜しそうに何度か振り返りながらコールマン家へ帰って行った。

「ああ、緊張した」


 ベティは先ほどまでつないでいた手を見つめた。

「大きい手でしたわね」

 ベティはふぅっと大きなため息をついた。


「お父様、お母様、帰りました」

「お帰り、ベティ」

 ベティが部屋着に着替えると、父親が声をかけた。


「ベティ、来週末は広場にメリーゴーランドが来るそうだよ」

「まあ、お父様。私、もうそんなに子どもじゃ有りませんわ」

 ベティはそう言いつつも、クライドを誘って遊びに行きたいと思っていた。


「クライド様と一緒に行ってきてはいかが?」

 母親の声に、ベティは真っ赤になって首を振った。

「私なんかがクライド様を誘うなんて、恐れ多いですわ」

「そんなことありませんよ」


「わ、私用事を思い出しましたわ」

 ベティはそう言って、自分の部屋に駆け上がった。


 部屋に入ると、ベティは青いインクと薄水色の紙を取り出し、クライドに手紙を書いた。<来週、広場にメリーゴーラウンドが来るそうです。見に行きませんか? ベティ>

 ベティは使用人を呼び、クライドへの手紙をコールマン家に届けるように頼んだ。


「クライド様、来て下さるかしら」

 ベティは一輪だけ部屋に飾っていた、マーガレットの花に話しかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ