44、フローレス家のパーティー2
パーティーが始まった。
「皆様、ようこそお越し下しました」
「フローレス様、毎年ありがとうございます。今年もよろしくお願い致します」
村人達はフローレス男爵と夫人、ベティに頭を下げた。
「かしこまった挨拶はいりませんよ、どうぞパーティーを楽しんで下さい」
音楽が鳴り響く。
村人達の楽しそうな声が響いた。
そのとき、庭の外れから声がした。
「ロージー、新年おめでとう」
「クラーラ!? どうしてここにいるの!?」
ロージーが慌ててクラーラの元に駆け寄ると、その背後にはバーニーが立っていた。
「バーニー!? 何しに来たの!?」
「ご挨拶だな、ロージー。俺たちも村人だろ? パーティーに参加しに来たんだよ」
修道院の服を着た子ども達はご馳走に飛びついている。
「やめて、みんなお行儀を良くして!!」
「ロージー、何を騒いでいるのですか?」
ベティはロージーと、バーニー達の様子を見て状況を察した。
「みなさまには、後ほどご馳走を届けに参りますわ。今はお引き取り下さいませ」
ベティが悲しそうに言うと、バーニーは言い返した。
「ほら、やはり貴族様は俺たちなんか相手にしたくないんだよ!」
ベティとバーニーの声を聞きつけて、フローレス男爵がやって来た。
「なにをしている!? 誰が屋敷に入って良いと言った!?」
「お父様、叱らないで下さいませ。この子達もパーティーに参加したかっただけですわ」
ベティはバーニー達をかばった。
「礼儀も知らない者を招き入れるわけには行かない。帰りたまえ」
バーニー達はフローレス男爵を睨み付けると、屋敷から出て行った。
「可哀想なことをしてしまいましたわ」
ベティは心を痛めた。
「ベティ、今はお客様達に挨拶をしてきなさい。孤児達のことは後で考えれば良い」
「……はい、お父様」
ベティは去って行くバーニー達を、悲しそうな表情で見送っていた。




