運がやって来た
亜人騎士達の詰め所は赤い森から少し離れた所にある。
赤い森に何か有った時に対処出来る様に配慮である。
「大瀑布への遠征ですか・・・」
騎士達の中でも立場の高い勲章の騎士が辺境伯と
執務室と言う名の自室で向かい合う。
「そういう事だ、 任せるぞ」
「任せるったって・・・正直困りましたね
大瀑布には我々の様な騎士団の他に漁師達が居るでしょう?」
大瀑布を始めとした超危険地域にはそれぞれ騎士団が駐屯している。
中でも大瀑布には魚を漁る漁師達も大勢居り、 漁師達の戦闘能力は極めて高いとされる。
何故ならば大瀑布の魚は我々が一般的に知るマグロやサバ、 鮭だけでは無く
極めて危険な魚も存在するのだ。
「その漁師達も匙を投げる、 これはかなりの面倒事だと思いますよ」
「だから君達に行って来て欲しいのだよ」
「・・・・・」
頭を抱える勲章騎士。
コンコンとドアがノックされる。
「すみません、 今良いですか?」
盾の騎士がドアの外から尋ねる。
「今、 辺境伯が来られている、 後にしろ」
「いや、 構わない、 入って来なさい」
勲章騎士が制止するが辺境伯が入室を促す。
「辺境伯が? 失礼します」
盾の騎士とラビーが入って来る。
「おや、 店長さんじゃないか、 一体如何したんだ?」
「辺境伯、 大瀑布に魚を漁りに行きたいのですが宜しいでしょうか」
「おやおや・・・」
くっくと笑う辺境伯。
「何ともタイミングが良いじゃないか、 なぁ?」
「辺境伯? 何をお考えで?」
「私は基本的に自分の能力で運を操作しているから私の運は良いんだ
だからこそ、 こういうめぐり合わせが有るとすれば私に対して
メリットが有ると私は踏んでいる、 店長の火力の凄さは知っているし
私は良いと思うよ」
「辺境伯・・・まさか・・・」
「店長、 実は外来種が来て大瀑布が大変になっていて救援を求める声が来ている
その遠征にここの騎士達を動かそうと思うので、 彼等と共に向かってくれるのならば
許可しよう」
辺境伯が事も無げに言った。
「辺境伯!! 騎士団に所属していない民間人にそういう依頼をするのは如何かと」
「構いませんよ」
勲章騎士が声を荒げる。
ラビーは事も無げに言う。
「これでも従軍経験は有りますので問題有りません」
「店長、 経験豊富なんだなぁ・・・」
感心する辺境伯だった。




