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誰にも媚びない孤高のS級ヒロインが、最近なぜか俺にだけ優しいのだが ~ドS級美少女の瑛理子先輩は、俺が好きすぎてデレを隠し切れない~  作者: みなもと十華@書籍&コミック発売中
第2章 瑛理子先輩は俺にだけ優しい

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第48話 俺の彼女だ

 やっと美少女サンドイッチから解放された俺は、荷物番をしている操ちゃんのところまで戻ってきた。


「はぁ、はぁ、はぁ……キツい。もう理性の限界だ」


 前と後ろから美少女に密着されるとか、これどんなハーレム展開だよ。


「ぬっへへぇ♡ 俊、もしかして○っちゃった?


 メアリー先輩の口から下ネタっぽいセリフが出たが、聞こえなかったことにしておこう。


「何だよぉ。あたしで興奮してたくせにぃ♡」

「くっ、何も言い返せない……」


 スルーしたいのは山々だが、メアリー先輩の肉の圧力には屈せざるをえない。あの包まれるような安心感と圧迫感。何かしぼり取られそうなゾクゾク感。

 もう存在そのものが女王様だ。


「メアリー先輩、もう少し抑えてくださいよ。恥じらいというものがですね」


 軽く注意してみたが、かえってメアリー先輩を調子づかせただけかもしれない。


「ぬっへぇ♡ やっぱり○ったんだ?」

「そんなエロい体で密着されたら、健全な男子なら我慢できませんって!」

「むふふぅ♡」


 くっそ! 完全に遊ばれてるぞ。

 しかもさっきから、瑛理子先輩が凄い目力で俺を睨んでいるのだが。


「ぐぬぬぬぬぬぬぬ!」

「あ、あの、瑛理子先輩?」


 瑛理子先輩に声をかけてみたものの、彼女は両手をブンブン振って駄々をこね始めた。


「もうっ! もうもうっ! ズルいわ、黒森さんとだけ楽しそうにして! もっと私に構いなさい!」

「構いなさいって、子供じゃないんですから」

「う、うるさいわね! それじゃ私が駄々をこねる子供みたいじゃない!」


 駄々をこねる子供みたいなのだが。


「瑛理子先輩って、見た目は超絶美形女王様みたいなのに、意外と子供っぽいですよね」

「はぁ! 子供じゃないわよ! 大人の女よ! はぁ!」


 そういうところです、瑛理子先輩。


「そもそも瑛理子先輩は、自分の可愛さを自覚してください。水着姿で男に密着とか、そんなの夜のオカズを増やすようなもんですよ」


 自分で話していながら、自爆したと気づいてしまった。俺は何を言っているんだ。


 かぁぁぁぁぁぁ――――

 俺のセクハラ発言で、瑛理子先輩の顔が真っ赤だ。


「ふ、ふーん♡ つまり大崎君は、私の肌の感触で自○をするのね♡ ふーん」

「うっ、すみません……。それ以上は勘弁してください」

「勘弁できないわね♡ 自○するの? どうやって? 教えなさいよ♡」


 何だこの小悪魔先輩は。興味津々で俺の自○を聞いてくるのだが。

 この人って、純情だったりエロかったりギャップが激し過ぎないか?


「はぁ、もう付き合っちゃってくださいっスよ。じれったいっスね」


 雅先輩が爆弾発言し、俺と瑛理子先輩とメアリー先輩が同時にツッコむ。


「つつつ、付き合うとかじゃないから!」

「つ、つつ、付き合うとかじゃないわ!」

「付き合うならあたしとだろ!」


 ん? 今なんか変なセリフが聞こえた気がするけど。気のせいか?


「おい、お前ら、いい加減にしろよ。アラサー独身女教師の前でイチャイチャしやがって。終いにゃキレるぞ」


 さっきから黙って聞いていた操ちゃんが、ドスのこもった声で言い放った。

 ちょっと顔がやさぐれている。



 ◆ ◇ ◆



「あれ、瑛理子先輩は?」


 もうひと泳ぎした後、皆で昼食をとることにした。操ちゃんの奢りで。

 分担して買い物に行くことになり、俺は焼きそば担当となった。しかし、買い物を終えた俺が戻ってみると、瑛理子先輩の姿が何処にもない。


「あれっ、瑛理子先輩は?」

「まだ戻ってないぞ」


 俺のつぶやきに、操ちゃんが答えてくれた。

 瑛理子先輩は飲み物を買いに行ったはずだ。もうとっくに戻っていると思っていたのだが。


「メアリー先輩は知りませんか?」

「トイレかな? 小なら海ですれば良いのにさ」


 メアリー先輩がとんでもない暴露をした。いつも海でしてるのかよ。

 すぐに雅先輩が口を挟む。


「所かまわず漏らすのはメアリー先輩だけっスね」

「こらっ、所かまわずは漏らしてないぞ。プールではしてないからな」

「プール以外ではしてそうっスね」


 メアリー先輩……いつもその辺でしているのか?


「こら俊! 今、変な想像をしただろ!」

「い、いえ……」


 速攻でメアリー先輩にバレた。

 いつも電信柱にしているのでは……とか、そこまでは思ってないぞ。


「こ、こら! あたしを変態扱いするんじゃない。まるであたしが野外でするの大好きな変態みたいじゃないかぁ!」

「男子に上履きの臭いを嗅がせる女子は、十分変態だと思いますが」

「あれは別なんだよ! 好きに人には嗅がせたいだろ」


 ん? 好きな人? 今、とんでもないワードが聞こえたような?

 友達としてって意味かな。そうに違いない。


「それにな、海外の水泳選手は、プールにするのが普通なんだよ。てか、あたしはしてないからな!」


プールに……って、今はそんなのどうでもいい。瑛理子先輩を探しに行こう。

 あの人って見た目は完璧美人だけど、実は対人関係が壊滅的にダメなポンコツだからな。ナンパされて、トラブルに巻き込まれでもしたら大変だ。


「ちょっと瑛理子先輩を探してきますね」



 商店が並ぶエリアに向かっていたら、瑛理子先輩はすぐに見つかった。あの人、やたら美人でオーラが凄くて目立つから。


「瑛理子せんぱ――」


 声をかけようとして伸ばした俺の手は、途中で止まった。

 瑛理子先輩の周囲には、見るからにチャラそうな男たちがたむろしていたのだ。


「何だあのヤカラは? くそっ、やっぱりナンパかよ!」


 俺は全力で駆けだした。

 近付くにつれ、会話内容が聞こえてくる。


「姉ちゃん、すげぇ美人じゃねえか!」

「俺たちとイイコトしようぜ」

「楽しませてやるからよ」


 いかにもヤリモクっぽい男たちを、瑛理子先輩は鋭い目で睨みつけた。


「は? 何を言っているのかしら? 邪魔よ」

「んあぁん! っだとゴラぁ!」

「汚い顔を近づけないで。下品なのが移るわ」

「舐めてんのか、このアマぁ!」


 ヤバい、一触即発だ。何でわざわざ怒らせてるんだよ。

 だから言ったのに。瑛理子先輩って、対人関係がポンコツだって。


「やっちまうぞゴラぁ!」


 ヤカラ男の一人が、拳を振り上げた。


「脅せばモノにできると思ったら大間違いよ」

「う、うっせえぞ! 俺をバカにしてんのか! おらぁああ!」


 ヤカラ男は、握りしめた拳を瑛理子先輩目掛けて振り下ろした。

 俺は飛び込むように間に入る。


 ドガッ!

「危ない、瑛理子先輩っ、い、痛っ!」


 瑛理子先輩に当たりそうなパンチを、俺はギリギリで防いだ。

 代わりに俺の顔に当たったけど。


「痛ってえ! いきなり暴力はヤバいだろ」

「な、何だテメエは!」


 ヤカラ男のターゲットが俺に移った。

 ここは一芝居うつしかないか。


「何だって言われても、この子は俺の彼女ですけど」

「んああぁん! テメエみたいな男が、こんな美人と付き合えるわけねえだろ!」


 悪かったな。つり合ってなくて。


「俊君!」

 ぎゅうう~っ!


 突然、瑛理子先輩が俺の腕に抱きついてきた。

 良かった。話を合わせてくれたのか。


「な、なんだと……マジかよ」

「あり得ねえ……こんな良い女と……」

「ちくしょう!」


 ヤカラ男たちが絶望的な表情になっている。俺に負けたとでも思っているのか。

 何だこの優越感は。

 しかしこのままでは危険だ。この手の男は、やたらメンツにこだわるからな。ここは冷静に。


「今、殴りましたよね? この辺りは警官がパトロールしていますよ。トラブルが起きると、すぐ目を付けられましてですね。暴行に傷害がつくと、懲役の実刑になる確率が……」


 俺の話でヤカラたちが怯み始めた。

 小説のネタで刑法を調べておいて役に立ったぜ。


「ヤバいっすよ」

「お、おう」

「行くぞ、お前ら」


 ヤカラたちは一目散に逃げだした。見た目だけのイキりクソ野郎のようだ。


「瑛理子先輩、大丈夫ですか?」


 震えている瑛理子先輩に声をかけてみたけど、まだ俺に抱きついてギュッと目をつむったままだ。


「あ、ありがとう……。助かったわ。しゅ、俊君♡ 大丈夫?」


 瑛理子先輩は心配そうな表情で、俺の顔を覗き込んできた。


「少し赤くなってるわ。私を助けようとして……」

「まったく、瑛理子先輩は世間知らず過ぎます。世の中には危険な男がいてですね……って、あれっ?」


 何だか瑛理子先輩の様子がおかしいような? 蕩けたような目で俺を見つめている。


「んっ♡ 俊君♡ わ、私っ♡ 私が彼女に……ううっ♡ わ、私も……す、すす……すき……」

「瑛理子先輩、もう演技しなくてもいいですよ」

「は?」


 急に瑛理子先輩の表情が固まった。


「えっと、だから、彼氏とか嘘ついてすみませんでした。ああ言えば場が収まると思いまして」

「んんんんぅ~ん! ぐぬぬぬぬ!」

「俺と瑛理子先輩が付き合うはずないですよね。全然つり合ってない……って、何か怒ってます?」


 いつの間にか、瑛理子先輩の威圧感が急上昇していた。

 どうしてこうなった。


「もうっ! 紛らわしいのよ! 本気かと思っちゃったじゃない! 大体あなたはねえ、いつも私の心を掻き乱してばかりで! もう知らない!」


 プリプリと怒った瑛理子先輩は、一人でズンズン歩いて行ってしまった。

 やっぱり瑛理子先輩の様子がおかしい。



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