934.再び異世界(28) ヤミゾラ帝国(5)
残るはアルミタとヤミゾラ皇帝の対決だ、アルミタをヤミゾラの後継者にしないといけない。
皇帝に会うのは簡単だった、既にそれなりの地位の者まで召喚体にすり替えていた。
いっその事皇帝までも召喚体にすればよかったのかとも思った。
でも、召喚体が死んだ時に消えてしまうので問題が生じる可能性がある。死んだのではなく誘拐された、あるいは失踪したと思うかもしれない。又は人ではなかったのかと思われたり・・・更には後継者問題が起こるのは確実だ。
なので、ここは正式な後継者としてアルミタにがんばってもらおう。
もちろんフォローは必要なので2人で謁見する。
「アルミタと従者マイ をお連れしました」
「ついに捕らえたか、・・・殺せと言わなかったか?」
「重要な話があるそうで」
「アルミタは・・お前か?」
会ったことないの? 皇帝は私を指さした
「はいそうです」
何言ってんのアルミタちゃんってば
「重要な話とは何だ?」
ええっ? 私が答えるの?
アルミタを見ると、大きく頷いた・・何の頷きかなあ?
「あなたに託したわ」
と小声で囁いた・・
何を託すの? いや、託されたの?
「早く申せ」
せっかちだなぁ、こちらにも都合があるんだよ。
「帝位をアルミタに渡せ、同じ皇族だから決闘で決着できる、決闘を申し込む」
この国では皇族であれば帝位を決闘で決められる・・・らしい。
「確かに大昔のしきたりにそんな条項があったな、
ただし、代役を立てられるはずだ」
アルミタが私を見つめる・・・私がやるの?
大きく頷く、
うん、そうみたい・・な、流れ・・
「私が相手だ」
「そうか、ではこちらは此奴にしよう」
突然床が消えて下へと落ちる・・よくあるパターン
アルミタを抱えて私はふわりと降りる
うん、なんか居るね。というか知っている、だってダミー要塞作ったの私だから。
なんでこいつが居るかわからなかったけど、居るものが居ないとバレてしまうから。
この世界にもドラゴン居るんだよねーーー。
でも大丈夫、私の作ったダンジョンの生き物は私の手下。
『ダンジョンマスター、どうしてこんなところに落ちてきた?』
「うん、ここの偉い人が私と戦えってことらしいよ」
『儂がマスターと戦うわけなかろう、ダンジョンマスターと戦ったとしても負けるし、無意味だ』
「そうなんだよね、どうしよう?」
『一発殴れ、儂は死んだふりするからな・・それでよし』
「納得するかなぁ?」
『しらんわ』
ぽこっ グギャア ずでーん
三文芝居の寸劇である。
「ヤミゾラ、打ち取ったりぃ〜〜」
仇討ちじゃなかった・・・いや、アルミタにとっては仇討ちか
「なんだと、そんなバカな・・
ええぃ、要塞で世渡りするぞ、配置に付けーー、
ふんっ、帝位などくれてやるわ、この施設があれば何度でもやり直せる」
いやに潔いね。
と思ったらどうやら嘘で、要塞ではなく私達を異世界に飛ばす気らしい。
要塞自体でなくても世渡りさせられるんだ
ここ、見た目だけのダミーだから飛ばされないけどね。
しかももし飛ばされたとしても私達は戻ってこれるけどね。
「・・どうした、やつらを飛ばせ」
「それが起動しないのです」
なんか揉めてるね。
「そこの下っ端さん、なんで皇帝でもないやつの指示を受けているの?」
「えっ、あおっ、うわっ?・・えーとですね」
「皇帝は帝位をアルミタに譲ったのよ」
「そう・・・ですね」
「じゃあ元皇帝を皇帝暗殺未遂で牢獄へ投獄して」
「あわっ、あー、そうですね。 衛兵! ヤミゾラ元皇帝を牢獄へお連れしろ」
「“お連れしろ” っておかしくないですかぁ〜」
「連行しろ!」
「よろしい」
下っ端って言っちゃったけど結構偉い人だったみたい。




