920.再び異世界(14) ナルハヤ帝国(9) シカル
そんな検証をしていると、シリルから
『マイ様、見つけました』
どうやらシリルが見つけ出したようだ。 塔が “天界人センサー” を開発したらしい。
天界人一人のサンプルだけでそんなセンサーを作り出してしまう塔はすごいね。
ただし世界を超えては機能しないらしい。
問題ない、この世界にいるのはわかっている。
ただ3方向に別れているため、同時には捕縛できない。
ダカンによるとヤバそうなやつ順が良いだろうと言っていた。
最初は天界人シカルにターゲットを絞った。
シカルの能力は絶対零度・・・嫌だ。私、死んじゃう。
絶対零度とは分子運動を止めるという効果を及ぼす・・・ということはバリシールドでは防げないんじゃないだろうか。
よし、シカル自身を召喚して戦わせよう。召喚体なら死んでも大丈夫、消えるだけ。
結果は予想通り相打ちだった。召喚体とは相打ちだったけど、私としては勝ちである。
侵略に向かっていた艦隊は指導者シカルを失ったことで侵略をやめて撤退することにした様だ。
うん、それが良いと思うよ、そうしてね。
強力な指導者ほど失われたときの影響も大きい。
このやり方良いね。一体と言わず2〜3体も自分の相手をさせられたら・・・絶対に勝てないよね。
自分と同格以下の者なら召喚できるみたいだし。
そうして、相手自身を召喚することで残り2人も難なく捕縛できた・・・シカルは凍りついたままだけど。
あっけない幕切れである。
でもこのやり方、あまりおもしろくはないので、今後はこの方法をあまり使わない様にしよう。
でも禁じ手にはしない、だって召喚神が召喚して何が悪いって話だよね。
よしっ、デストラ姉さんに報告して終わりっと。
っと思った私に残念なお知らせが・・・・
眼の前にヴァルキリーヌ様? らしきお方がいるではないか・・・
私、最強〜〜と今思っていた私を叱ってやりたい。
いくらなんでも、デストラ姉さんと張り合うような神と戦って勝てるはずがない。
「助けて・・」
えっ?
自分の耳を疑った・・
いやいや、私からじゃない、デストラ姉さんから助けてということらしい。
見ればボロボロ状態・・・デストラ姉さんやり過ぎっ
「助けて、私の加護極大をあげるから・・」
えっ? また加護極大・・・でも・・・神には逆らえない・・・
私はただの亜神なのに、神々の間に入っていったいどうすれば良いっていうの。
中間管理職の悩みよりも酷い、管理職同士争いの間に立つ平社員的な?
あ、デストラ姉さん来た。
「ねえねえ、デストラ姉さんやりすぎよ」
「いや、足りない」
「ヴァルキリーヌさん、もうボロボロでしょ」
「いや、もいでやる」
何をもぐのさ、腕? 脚? ・・・首?
「デストラ姉さん、あまりやりすぎるとエラン様に嫌われるかもよ」
「えっ? エランが・・私を嫌いに・・嫌だ、これでやめてやる」
最後にヴァルキリーヌを蹴り飛ばして帰っていった。
ああ、恐ろしい。
「ヴァルキリーヌ様、デストラ姉さんの世界に手を出すからよ、もう」
「仕返ししてやりたかったんだよ」
「それでこんな目にあってたんじゃ割に合わないでしょ、
助けたわよ。これでいい?」
「一生恩に着る」
神の一生って永遠ってことだよね。嬉しい?のか?
まあ私も残酷シーンは好きじゃないからこれで良かったか。
手足はちゃんと付いているよね・・・良かった、良かった。
ヴァルキリーヌはへろへろになりながらも自分世界に帰っていった。
私には敵対する2柱の加護極大がその名残として刻まれていたのだった。
・・・加護は敵対しないよね
そして、凍りついたシカルがこの事変の象徴として人々の心に焼き付いたのであった。
・・凍っているのに焼き付いたとはこれいかに・・




