917.再び異世界(11) ナルハヤ帝国(6) シヤン
ダカンには部下達を使いデストラード教を布教する指示を出して解放した。
私達はナヤダン星を中心として空間センサーでスキャンしていく、すると比較的早い時間で不連続空間ポイントを見つける事ができた。
物資の補給とかが必要なのであまり離れた場所ではないと思っていたら、そこは大都市のアパートの一室だった。
逃げられないように、大師匠がその空間接点ポイントごとダンジョンに放り込んだ。
そして、強引にぐぐいっとその空間接点ポイントを広げていくと。
「きゃーーー」
と、中から悲鳴が・・・
絶対安全と思っていた自分の空間が強制的に広げられたらびっくりするよね。
しかも入浴中だった、こちらは全員女子だったので良かったね・・・
“鑑定”
『種族:天界人、名前:シヤン、状態:恥ずかしがっている』
間違いないようだ。
「あれぇ?」
シヤンは逃げようと空間を開けようとするが、新たに空間を作ることが出来ない様で困惑していた。
そう、異空間に閉ざされた空間を入れる事は出来るが、中に居たままではその中で新たに空間を作る事は出来ない。基本空間に対する座標を見つける事が出来ないからだ。
ただし、その空間を作った者ならば中に空間を作る事は出来る。自身では基本空間座標を把握しているからだ。
一般空間魔法には基本空間の座標が必須パラメータとなっている。ここで一般と言ったのは、原初の神たちが作った魔法システムによる魔法行使のことである。大師匠は原初の神からこの魔法システムとは別のオリジナルの魔法システムを構築する事ができる権限を貰っている。
一般の魔法が高級言語のコマンドレベルとすると、大師匠はOSレベルの言語での開発が可能という事になる。 更にいわゆる理マシン語レベルでの魔法作成も可能らしいが、理解が追いつかないので、1から魔法を構築するのはとても困難な作業なるため、既存のコマンドを改良する程度しかしていないそうだ。
そしてシヤンはあえなく捕縛される事となった。
シヤンによるとやはり黒幕の神から依頼され、気ままに過ごしているふりをして他の天界人を監視をする様に頼まれていた様だ。
ただ、残念なことに本当に気ままに過ごしてしまっていて監視はしていなかったらしい。
彼女からは何の情報も得られないし、デストラード教を布教させるる手下すら居ない。
・・・役に立たない。
「シヤン、黒幕への報告はどうやってするの?」
「向こうから来る・・・けど私ずっと自分の空間に閉じこもっていたから・・気づかれなかったのかな?」
「じゃあ空間から出てて・・・あ、服は着てね」
これで黒幕が勝手に向こうからやって来てくれる事になる。
「私、叱られないかなぁ?」
「間違いなく叱られるね。
でも、怒られる前に
『なぜ早く見つけてくれなかったの、
私からは探せないんだからね、
なかなか来ないから忘れられたのかと心配しちゃったじゃない』
と、こちらから怒ると良いよ」
とアドバイスしてあげた。
囮としてはなんとか役に立ちそうだった。




