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俺の妹3

 宮之阪の手紙を生徒会全員送ってから三日ほど経ったが、向こうの動きというのは特に感じられなかった。それが生徒会役員の中にペテン師Xがいないからなのか、やはり簡単には寝返られないのかどちらかは分からないが、こうしている間にも刻一刻とKは増えている中、待つしか出来ないというのは何とももどかしい思いである。


 しばらく用事があるからと、この三日程宮之阪との会議も無いし、ユウキの方は連絡は着くものの直接話し合う時間もないほど忙しいようだし、こうしてリビングでもやもやとしているだけの時間を過ごす俺は結局一人では何も出来ないことを改めて痛感していた。


 俺はせめて思考が停止しないようこれまでの自殺死体の顔と名前、クラスなどをリストアップして整理しつつ、部活を終えて帰宅した妹に話だけでも聞いてもらおうと声をかけてみた。


「何か進展でもありましたか?」


 無いから声を掛けたんだ。どうだ、最近学校で変わったこととかなかったか?これは極普通の兄妹の会話だから、身構えずに答えてくれ。


 妹はまた固定画のように数分ピタリと止まると、最近の事を思い出すための暖機運転が済んだのかゆっくり口を開いて、


「変わったこと、というのは特に感じられませんでした。……が、面白いと思ったことは一つありました」


 それから兄でなければ気付かないほど僅かに口角をあげて、


「人間というのは本当に面白いです。私達が到底思いつかないようなことをしてくれる」


 どういう意味だ?


 「そのままの意味ですよ」と妹は淡々と述べた。


「私からすれば、人間は針山の上で踊る道化です。複雑で、かと思えば単純で、そして何より愚かしい。だからこそ面白い」


 だから、と妹はポニーテールにして結んでいた髪留めを外しつつ、何もかもを吸い込んでしまいそうなベンタブラックのような瞳をこちらに向けて言った。


「あなたに少しだけ協力してあげます。世界が終末へと向かう物語のサイドストーリー、その第一部の幕を下ろすためのちょっとしたヒントを」

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