15話 チェリッヒ城会議
「うぉっほん!はるばる遠いところからよくぞ来てくれた。もう伝えてあると思うが、ルイス王国の王都アルバルスが暗黒教の襲撃により陥落した。つまりルイス王国が滅亡の危機にある。暗黒教による被害はここ近年ひどくなってきておる。各国はこれらを対策するためにこれより緊急会議を行う。」
チェリーランド公国フィリピ国王は初めの挨拶をした。それぞれの席には各国の代表が座っている。まず左からルイス王国代表ミア・ルイス、ヤマノク二国代表藍丸、右は神聖ブルデュッへ王国代表アリーナ・カミーユ、バルカラ帝国代表アンネ・ロバート。メルスたちは少し離れた席で見ている。
「まず、ルイス王国を支援してくれる国はおらんか?軍を出せるとか、」
「我が王国はルイス王国になど支援は無理だ。こっちはこっちで忙しい。それに人間になど協力するつもりはない。」
「僕たちは出来る限り支援します。ただ……問題がありまして」
「問題はと?」
「僕たちの国力では足りません。他の国の協力がないと難しいです。」
ヤマノク二国はオール海の南にある島国だ。優秀な戦士が多いが人口が他国より少ないため全体の国力はそんなにない。一方、ブルデュッへ王国は亜人国家だ。ルイス王国をはじめとする人間国家などにはあまり友好的ではない。バルカラ帝国はエメリコ・ロバートによる独裁国家である。軍事力はよく分かっていない。
「なんで、協力してくれねぇんだよ。」
「メルス静かにしろ。今は大事な会議だ。」
「我が国も協力は出来ないのう。ルイス王国とは交流があるが………すまない。」
「そうですか〜。これは厳しいですね。つまり僕たちヤマノクニ国だけになると…」
「そ、そんな……」
ヤマノク二国以外は協力的ではないようだ。このままでは、ルイス王国は滅亡するだろう。
「ああ……まだバルカラ帝国がおったわい。アンネ・ロバートよ。おぬしはどう思うのじゃ?」
「ふん、私はルイス王国になんか興味ないわ。父は敵対視してるし、協力してくれるはずがないわ。っいうかそもそも国民をおいて逃げてくるなんて……あり得ないわ。ねぇミア•ルイスさん。」
「……な、なによ。私は……」
「なんだよ。文句あんのか? 言ってみろよ。」
「…………」
これに関しては何も言い返せない。しかし、国民をおいて逃げたわけではない。だけど他の国からはそう思われても仕方がない。
「ふ、ふざけるな!ミアは国民をおいて逃げたわけじゃねぇんだよ!! ルイス王国を守るために最後のルイス王家として生き延びなきゃ駄目だからここに来たんだよ!!」
「お、おい!メルス!お前は黙っていろと言っただろ。」
メルスが椅子から立ち上がった。
「キーキーうるさいわね。あんた誰よ。この私に向かって失礼ね。私が誰だか分かる?私はバルカラ帝国次期王女 アンネ•ロバートよ。」
「俺はルイス王国王都アルバルス出身のメルス•ヴェーゲーナだ。」
「ご丁寧に自己紹介どうも。な〜るほど〜だから証言者としてここにいるわけねぇ。だけど他の国民はあなたのようにミアをいい風に思うかい?国を守るべき王族が逃げたら国民はどう思うのか。そりゃあ怒るよね?お前が国民全体の気持ちを分かったつもりになるなよ。」
「んだと!てめぇ!!独裁国家のお前らに国民の何が分かるっていうんだよ‼︎」
「メルス!黙って‼︎ お願い。静かにしていて。」
「で…でも….」
「お願い。黙ってて。」
「わ、わかった。」
メルスは静かに座った。そうしてしばらく会議は進み、結局協力してくれるのはヤマノク二国だけになった。
「暗黒教による襲撃を防ぐため、それぞれの国は対策をしてもらいたい。ではこれにて会議を終了とする。」
「ミア様 僕だけになってしまいましたが……よろしくお願いします。何かあれば言ってください。では僕はこれで失礼します。」
「……うん」
藍丸は部屋を出ていった。
ほかのそれぞれの代表達も部屋を出て行った。そして静かになった部屋にはミアだけがぽつんと残っていた。
「ミ…ミア…さっきは…そのごめん。」
「うん。大丈夫よ。」
「ミア…大丈夫か?すごく暗い顔してるけど…」
「なにも…言えなかった…私はなにも….自分が…ルイス王国の代表として…言いたいことを…」
ミアの目から涙がポロポロ出てきた。悔しかったのだろう。
「そんなことないぜ。ミアは頑張ったと思う。ここ数日は訳の分からないことばかり起こって混乱してる。ミアが悪い訳じゃない。悪いのは暗黒教の奴らだ。それにまだヤマノク二国が協力してくれる。代表で来てた蘭丸っていう奴はいい奴だ。きっと力になってくれる。」
「そうですよ。ミア様。彼らが味方なだけマシです。」
「それにお前は、今一人じゃない。俺たちがいるだろ。」
そうだ。私は一人じゃない。メルスをはじめとする仲間がいるのだ。泣いていちゃ駄目だ。ルイス王国の次期王女として…しっかりしなきゃ…
「それじゃあ一旦帰りましょうか。私はジュリア様を呼んできます。メルスとミア様は先に馬車に向かっていってください。」
「わかった。」
一旦エクトルと別れ、私たちは、フィリシアが待っている馬車に乗った。しばらくしてもエクトルさん達が来なかった。
「そうですか。分かりました。」
フィリシアが兵士から話を聞いた。
「エクトル様とジュリア様はまだしばらくここに居るみたい。先に帰りましょう。」
「そ、そう。分かったわ。じゃあ帰りましょう。」
私たちは先にジュリアの宅邸に帰って行った。
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一方その頃…もう少し進んだ森の道で…
「うわああああ!!!!! 」
次々と護衛兵が魔法でやられていった。
「な、なにが起きたのよ!!あんたたちは!!」
アンネ・ロバートが馬車から降りた。すると…黒いフードをかぶっている複数人が立っていた。
「これは、これは、大物じゃありませんか。なんて運がいいんんだ僕は!!!さぁいこうの日だね今日は‼︎‼︎‼︎」
「あんた誰よ。さあ! あんたたち!こいつらを殺してちょうだい!」
「ふっ…君って馬鹿だねぇ~。周りを見てごらんよ。」
「なっ!」
すでにアンネ・ロバートの護衛兵は全員死んでいた。
「ふふふその顔を見たかったのさ。その恐怖の顔が。ああ!興奮するぅ‼︎ ん? 君よく見ると可愛いね。僕は可愛いい女の子が大好きだよ。可愛い女の子をボコボコにして 殺 ろ す の が ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
謎の男はにっこりと笑い一人で興奮していた。
「き、気持ち悪い!! あんたたちいい加減にしなさい!!この私を殺したらどうなるのか分かっているの?」
「どうなるって?????? そんなの決まっているじゃないか!!!!! バルカラ帝国次期王女アンネ・ロバート!!! 君を殺せばあの方から褒美が貰える!!!!!」
「ふ、ふざけんじゃないわよ!!!」
シュッ!!!!
アンネ・ロバートはおもいっきり剣を抜いて斬りかかった。謎の男の腕に少しかすった。
「あ〜〜あ。君、僕の美しい腕によく傷をつけたね。なんて酷い子なんだぁ〜。しかも人がいい気分なって喜んでいるのに邪魔して!!!! あ〜あ‼︎一気にいらついちゃったよ‼︎ 」
謎の男はフードをゆっくりと取った。
「っつ!!!!!! 暗黒教!!!!」
「そんなに怖がらなくていいよ。あっ! 自己紹介だけするね☆ このダイヤモンドのように輝いて美しい僕の名前はマブクレニア。さぁて……じっくり楽しませてもらうか。」
さっきまで穏やかだったマブクレニアの雰囲気が一気に変わった。そしてアンネ•ロバートとマブクレニアの戦いが始まろうとしていた。




