第1話 赤髪の少女 その1
「よし。いまだ外に出よっと」
兵士がいないようだ。今ならチャンスだ。街に行こう。一人の赤髪の少女が裏門から隙を狙い外に出た。
「ふぅ…危ない…危ない…ここを抜ける時はいつも緊張するわ。さてと…フードをかぶって街を散歩しよ」
赤髪の少女はさっとフードを被り、街に向かう。今彼女がいる町は王都アルバルスという所だ。この国で一番大きく、国の中心である街だ。
少女は街の大通りへと向かう。ここは特に色々な特産物などが売ってる場所だ。
「そこのお嬢ちゃん。焼きたてのパンがあるぞ。一つ買っていかないかい?」
パン屋の親父が話しかけてくる。パンの種類はクロワッサンだ。
「あら、美味しそー。城では見ないパン……いいえ…このパンですね。買います」
少女はうっかりと言いかける。少女は城からやってきたのだ。街の人にバレてはまずい。
「おうよ!毎度あり!!また買いに来てな!」
少女は早速購入したクロワッサンをがぶりと食べる。バターの味、砂糖の味が口の中で広がる。
「うん!!美味しいわ!また今度あのおじさんの店よろっと!」
まぁ…次もバレないように城から抜け出せばの話だが…
流石に長くは城の外に居るわけにはいかないのでそろそろ帰ることにする。少しでも早く帰らないといけないので少し雰囲気の悪い道だが近道を通ることにする。
しばらく歩いていると…男の集団と同い年ぐらいの少年が揉めていた。
「おい。小僧。テメェ何しやがるんだ?」
「やめろ!その子を離せ!」
「ふん。貴様一人で俺たちには勝てん。今すぐ帰れ。言うことを聞かなければ命はねぇーぜ?」
「くっ…坊主!!待ってろ!今すぐ兄いちゃんが助けるでな!」
どうやら見過ごすわけの状況じゃないらしい。この悪党どもをどうするか…結論は決まっている。
「貴方達そこまでよ。今すぐ男の子を離しなさい」
「あん?なんだテメェは?こいつのダチか?」
「いいえ違うわ」
「へっ…てめぇら聞けよ!!この声女だぞ。こりゃ高く買い取ってもらえるぜぇい。捕まえるしかねぇよな!!」
「おお!ボス!さっさと捕まえちゃいましょ!!」
悪党どもはどうやら私もまとめて捕まえるつもりらしい。だが、ここは私の自慢の剣術の実力を見せてやる。
「何言ってんのあんた達。私はそんなに甘く捕まる女じゃないわよ」
少女はゆっくりと右腰から剣を抜く。
※この作品を読んでいただきありがとうございます。申し訳ございませんが、物語をより面白くするために全てを大幅訂正する予定です。4月21日以降 徐々に1話から変えていきます。応援よろしくお願いします。