今日の予定は、気分次第
「今日は、午前組、午後組で別れて行動してみますか」
「クリル君達はカリアと行動して、ノエル君達は、僕と行動で良いですか?」
カノンの提案にあまり乗り気がない四人。そんなのは気にせず、これからどうしようかと考え出すカノン
「カリアさんは、私たちの部屋で寝てるよ」
「あー、じゃあダングに、頼んじゃおっかな。良い?」
「私は良いけど……」
メイナの隣には、まだうつ向いているクリルの姿
「不機嫌は勿体ないですよ。ではでは、ちょっとダングとバルバ呼んでくるので、待っててね」
意気揚々と二人を呼びにいくカノンを見送る四人
「ねぇメイナ、カリアさんの様子見に行かない?」
「あー、そうだね。お兄ちゃん行ってくる」
「ああ……気を付けてな」
クリルのか細い返事も聞いているのかいないのか、手を繋いで走って寮に向かう妹二人。残されたノエルとクリルはなんだか気まずい雰囲気
「大丈夫?」
ノエルが心配して声をかける。クリルの気持ちは上の空。ソファーに座って、またうつ向く。
「なんか悪いな……」
「僕は良いけど……メイナ心配してたよ」
「そうか、悪いことしたな」
ノエルも隣に座って、しばらく沈黙が流れてく
「あれ?メイナちゃん達は?」
意外と早く来たカノン達に、ホッとするノエル
「カリアさんを起こしに……」
そう話してると、遠くからバタバタと走ってくる音が聞こえてきた。大慌てでこちらへ向かってくる人影。カリアと起こしに行ったメイナとリエルがやって来た
「すみません!寝坊しました!」
「寝坊しました!」
「しました!」
ボサボサ髪のカリアがお辞儀をして謝ると、つられてリエル、カリアとお辞儀をする。女子達の気迫に圧倒され、呆気に取られる男子組。ちらほらと本部の人達もカリア達を見ている
「ま……まあ、疲れてますからね。仕方ないです」
「では、カリアが来た。という事はですね……」
ちらりとクリルを見るカノン。一人だけ雰囲気が違い、まだ不機嫌な様子
「今日は、やっぱりみんなで行動してね。僕はクリル君とデートに変更します」
カノンの第2の提案に驚く一同と、更に機嫌悪くなるクリル
「……イヤだ」
ポツリと呟いた否定の言葉もなんのその、ぐいっと右腕を掴み、無理矢理立たせて、立ち去るカノンとクリル
「バルバ。ゴメンだけど学校案内の許可もらってね。ではでは、クリル君、行くぞ」




