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EPISODE THE END ~神の生誕

世界を壊し、星を受け入れて新たなる星の意思となった神との戦いです。


彼女の名前の意義は「偽りの正義」、つまり彼女の思想そのものです。

月麗カンパニーを中心として付近一帯に襲い掛かった大地震は辺りを壊滅的状況にまで陥れた。

中心となった月麗カンパニーは瓦礫の山となり、多くの社員たちが避難した。

サリエルたちも何とか逃れ、崩れた社屋を見て純狐は何処か絶望していた。


「・・・小傘・・・」


辺りの会社街は大地震の影響で多くが被害を被り、避難した人々が瓦礫の積もった平野に出てきていた。

サリエルたちは崩れた月麗カンパニーをただただ見続けていた。


「・・・これで、私たちの戦いは終わったのかな・・・」


しかし、サリエルは何かを感じていた。

迫り来る、恐ろしい感触。只者では無い気配が、彼女の恐怖を逆立たせる。

それと同時に彼女は行かなくてはいけない使命を得たような気もした。


彼女は瓦礫の山に向かって歩みだした。


「お、おい!何処へ行くんだよ!?サリエル!」

「何処へ行くんですか!?」


夢美たちの言葉を受けながらも無言で歩む彼女。

瓦礫の山を登り始め、1人でに月麗カンパニーの瓦礫の山の頂上に立った。


「・・・いるんだろう、小傘」


その瞬間、彼女の周りは見えないバリアが張られ、夢美たちが追いかけようとしても行けなくなってしまった。


「い、行けない!」

「このバリア・・・」


3人の行く手を遮る薄透明なバリア。

バリアの中で、サリエルはセノヴァを構えていた。


地震によって空は真っ暗へとなってしまった。

そんな暗雲から放たれた黄金の光―――天から放たれた聖なる光がサリエルのいる瓦礫の山に差し込んでいた。

瓦礫の山の上で大剣を構えたサリエル。

そして世界を変える為に―――全てを破壊する為に神は舞い降りようとしていた。


悍ましく、そして神々しき神の君臨。

黄金の光が暗雲から爆弾のように溢れ、多くの人々が舞い降りる神を見据えた。


光を放ち、神々しくさえも感じられる白翼。

闇を放ち、黮闇を司られるとも見える黒翼。

天使と悪魔が1つとなり、星の意思―――地球そのものとなった「神」が舞い降りた。


黄金のトーガを纏い、2本の白翼と黒翼を靡かせ、彼女の前に姿を見せた。

持っていた傘を改造した剣は左腕と合体し、彼女の左手は手では無く「剣」であった。

赤と青のオッドアイの目に映るのは、神を冒涜する愚民。


彼女こそ紛れも無い―――サリエルたちがいる「地球」なのだ。


「これが私たちの最終決戦・・・私たちの物語・・・」


サリエルは神へと変化した小傘を見て、そう小さく呟いた。


「つまらん・・・。・・・こんな世界、何とも面白くないわ!」


小傘は右手を掲げ、自身が神となって手に入れた強大な力を世界に降り注がせる。

天から降り注ぐ黄金の光は全てを破壊する殲滅光線となり、全世界に雨として降らしたのだ。

バリアの外から聞こえる阿鼻叫喚。

地獄絵図のような彼女の力は恐ろしいものだ。

夢美たちは何とか避けていたが、当たれば一瞬で塵となってしまう。


「やめろ!小傘!」


サリエルは小傘にそう言うが、彼女はやめない。


「ハカイ!ハカイ!ハカイだ―――ッ!!!!!」


                    δ


彼女が放った殲滅光線は世界を砕いたのだ―――。

神は世界を嫌った。サリエルの周りは一瞬で燃え盛る大地となったのだ。


夢美たちは倒れていたが目覚め、サリエルを見つけた。

そしてサリエルの前にいる神となった小傘を見て―――今何が起きたのか理解した。


「せ、世界が・・・」


瓦礫が積み上がり、炎が舞い上がる世界。裁きを受けて血みどろになる人々。地獄を想像とさせる世界はもう世界では無かった。

破壊こそが彼女の信念、神は嬉しそうであった。


「面白い・・・!破壊こそ私の信念!破壊こそ私の喜び!アッヒャヒャッヒャ!」


狂った神は目の前にいる冒涜者たちに向けて言い放った。


「小傘・・・お前、何をしたのか分かってるのか・・・!?」

「破壊!楽しい楽しい破壊!アッヒャッヒャヒャヒャ!!!」


業火の中、破壊の神は全てに満足したかのように笑い声を上げた。


「全てはいずれ消えていく。消えると分かっていても、お前らは遺そうとする。

何もかもハカイ!それこそがこの世界に相応しき死の運命!この私は神なんだ!」


バリアによって遮られ、サリエルの元へ行けない3人は必死にバリアを開けようとした。


「あ~無理無理、そのバリアは壊せないよ~アッヒャヒャッヒャ!

・・・私は破壊の神、そしてつまらんこの世界を変えるに相応しき人物なんだよ~だ!」


ふざけきった小傘の様子。サリエルは戦えるのが自分1人だけであると悟った。


「・・・戦えるのは私だけ・・・。・・・なら、お前を倒してみせる!」

「はい勝手な妄想お疲れさんでしたー。1人を手っ取り早く殺して世界を楽し~く変える!この理念~!

・・・ッキアアアアアアア!私はそうだ、世界を面白く変える神様だもんね!アッヒャヒャッヒャ!」


小傘は完全におかしくなっていた。


・・・多くの人が小傘とサリエルの対峙を見つめていた。


世界に殲滅光線を落とす神に立ち向かう、非力な1人の戦士。


「・・・神の名を叫べ!・・・私の完璧なる名を嘶け!

・・・私の名はファルサ・ユースティティア!・・・世界を破壊し、そして全てを無に帰すもの!

・・・私の名はファルサ・ユースティティア!・・・生物を浄化し、そして魂を永遠に封じるもの!

・・・私の名はファルサ・ユースティティア!・・・希望を殲滅し、そして絶望に塗り替えすもの!

・・・泣け!叫べ!泣き伏せろ!嘯け!吼えろ!慟哭しろ!哭しろ!

・・・世界を変える神にして最高の力を手にした成功者だ!だ!だ――――ッ!」


                      δ


黄金の光に包まれながら佇む悪魔と天使の融合体は右手を天に翳す。


「ソウルジェネシス!!!」


全てを穿ちて破壊する巨大な隕石群が暗雲の空から赤烈の色を輝かせて襲い掛かる。

瓦礫の山にいた彼女はつかさず召喚サミニウムを取り出した。


「召喚!『テヘル・アメガ』!」


すると靄がかかり、雷を扱う巨竜が瓦礫の山に姿を現した。

彼女の意を読み取り、襲い掛かる隕石群に向かって構えた。


「起動、『スーパーセル』」


放たれた轟雷は神聖なる光の下、サリエルに向かって降られた隕石群に向かって放たれた。

迸る雷鳴は隕石群を砕き、空中で爆発を連鎖させる。

終末世界において起きた大爆発―――無辜の民にはどう見えていたのであろうか。


隕石群を雷鳴で破壊したテヘル・アメガは再び靄がかかって消え、その間にサリエルはセノヴァを構えた。

重たい大剣を持つことが最後になるであろうこの戦い。

彼女はつまらない世界を壊そうとする神に剣先を向け、一気に飛びかかった。


背景にあるのは黒に混ざった黄金。そして燃え盛る赤。

彼女は世界を滅茶苦茶にした元凶を赦す訳にはいかなかった。


「ここで消えてくれ!ユースティティア!」


トリガーを引き、7本の剣に分裂し、それらが勢いよくユースティティアへと向かっていく。

彼女は剣と融合した左手でそれらの攻撃を全て防ぎ、サリエルと鍔迫り合いになった。


「消える?いずれは何も消えゆくもの、それは神の下であってのこそ。

この神に為った私が消えることなど無いッ!百ぱあせんと無いわ!」


「果たしてそれはどうかな?そもそもお前は自身を神だと錯覚しているけれど・・・。

・・・本当は口だけの神なのではないのか!?」


「言ってくれるじゃあねえか!」


ユースティティアは力を込めて彼女を薙ぎ払い、瓦礫の山に6本の剣が刺さる。

分裂した小さい剣を構え、佇む神を見上げたサリエル。

そこにあったのは狼狽と葛藤であった。

彼女は再びトリガーを引き、刺さった6本の剣を回収して元の大剣に戻す。


「何もかもハカイだ―――――――――――ッ!!!オメガアクトッ!!!」


彼女は右手を掲げるや、青白いエネルギーがサリエルの元に充填し始める。

すぐに気づいて瓦礫の山を疾走しようとするが、瓦礫が足に躓いて彼女は無理な動きであった。

そんな彼女に理不尽にもエネルギーは解き放たれ、バリアの中でとてつもない爆発が発生した。


―――今までのオメガアクトとは規模が根本から違っていた。


地球の力を受けたユースティティアの一撃は彼女を滅ぼす勢いで、そのまま彼女は瓦礫の上で倒れていた。


「サリエルがっ!」

「このバリア・・・小傘・・・!」


3人は助けに行きたくても行けない悔しさで一杯であった。

瓦礫が刺さったこととオメガアクトそのものの傷で大火傷と刺し傷が出来たサリエル。

流れゆく血に気すら取られず、彼女はセノヴァを構えてすぐに立ちあがった。


その瞬間、ユースティティアは剣と一体化した左手で彼女に斬りかかった。

が、サリエルはすぐさまセノヴァで受け止めたのだ。


「危ないですよ~にっひっひ!」

「お前のふざけた心は腐ってるな・・・!」

「腐ってる?あーそりゃあどうも、次から改善するよう頑張るよ!世界を壊してからな!アッヒャヒャッヒャ!」


そして小傘は左手を引き、両手を大きく広げた。

その瞬間、暗雲から差出る黄金の光・・・天の裁きが彼女に襲い掛かったのだ!

巨大なる天の裁きは瓦礫の山にいる1人の勇敢な戦士を葬ろうとする。


「サミニウムの力・・・そうか!召喚!『ウィータエ・アエテルナエ』!」


すると靄がかかり、彼女の真上に現れたのはヘカーティアが変身した神龍であった。

アエテルナエは召喚者のサリエルの意を察し、迫りくる天の裁きを止めようとする。


「アブソリュート」


アエテルナエの放ったエネルギーの解放。

青白いエネルギーを瞬間的に集め、襲い掛かった天の裁きと解き放ったアブソリュートを相殺させたのだ。

とてつもない爆風が吹き荒れ、サリエルは吹き飛ばされそうになるも瓦礫に足を引っかけていた。


靄が暴風の中に起こり、役目を終えたアエテルナエはそのまま姿を空気に溶かして消えた。


「チッ・・・どいつもこいつも私の崇高な考えの邪魔をしやがって。

・・・キィィィィィィィィィィィィィ―――――ッ!!!!!

・・・もういい!これでサリエル!お前も終わりだ!」


ユースティティアはとどめの一撃として自身を高く舞い上がらせた。

堕ち行く殲滅の光が黄金として輝き、それらを背景に彼女は両手を広げた。


「私に反逆する愚か者どもを滅却せよ!」


すると赤子に天使の羽根が生え、小さなトーガを纏った小さな天使が赤い目を輝かせてサリエルに襲い掛かったのだ!

その人数は4人、神に仕えた忠実な隸はサリエルを捕まえた。


「なっ・・・小さい癖に力が・・・!?」

「私に抗ったことを後悔させてやる・・・折角の楽しみを破壊された私の怒りを思い知れ!

・・・『祖の豪翼』!!!」


サミニウム、そして地球のエネルギー全てを使い、彼女は神として人間に究極の一撃を行おうとする。

4つの天使と悪魔の羽がエネルギーによって約3倍ほど大きくなり、ユースティティアは笑っていた。

祖たる者、神となった小傘が放つ殲滅の翼。


天使によって掴まれて動けないサリエル。


「全てを――――――ハカイだッ!!!!!」


巨大化した豪翼は4人の天使と共にサリエルに向かって思いっきり叩きつけられようとする。

その時、彼女は足元にセノヴァが落ちているのを確認した。

すぐさまトリガーを足で引き、7本の剣に分裂する。

勢いよく飛んだ剣は2人の天使を斬りつけ、左手が解放された。

すぐに左手でセノヴァの分裂した1本を構え、残りの2人を斬りつけ、再びトリガーを引く。

元の大きさに戻ったセノヴァを構え、そして彼女はすぐに疾走した。


ユースティティアは巨大なる豪翼を叩きつけるも仕えていた天使が空気に溶けて消えただけであった。


「な、何でだ~!?」

「喰らえ!この世界は私が守る!」


サリエルはトリガーを引く、7本の剣に分裂させる。

そして彼女は召喚サミニウムをセノヴァを持っている右手とは反対の左手で取り出した。

彼女は召喚サミニウムに込められたエネルギーを全て自分に放出させる。


召喚出来るほどのエネルギーが込められたサミニウムから力を取り出したサリエル。

全てを撃ち砕く「希望」の力を7つの剣に込め、ユースティティアを―――斬り抜けた。


「あ、ああ、あああ・・・」


神は堕ちた。

ユースティティアの身体は崩れていき、その影響で瓦礫の下の秘密恍炉が露見する。

サリエルはすぐにトリガーを引き直し、そこに落ちないよう離れていた。

神は秘密恍炉の中に身を堕とし、オーロラのようなエネルギーの中に消えていった。


―――彼女は地球と1つになったのであった。


そんな哀れな神の堕ち行きを背景に、彼女は呟いた。


「・・・悲しき神よ、永遠に星となって眠ってくれ」


                 δ


バリアが消え、夢美たちがすぐに傷だらけのサリエルの元に集まった。


「だ、大丈夫かサリエル!?」

「今すぐ怪我を治しますから!」


小傘との戦いで力を使い果たした彼女であったが、夢美たちを手で制した。


「・・・最後にこれだけはやらせてくれ」


瓦礫の上を進み、秘密恍炉が露見している場所の前で、彼女はセノヴァを構えた。

そして思いっきり―――真下の瓦礫に刺したのだ。


「・・・小傘、これがお前の墓標だ―――」


そこにあったのは彼女の決心でもあった。

僅か一晩で世界は滅茶苦茶になり、多くの人が路頭に迷っていた―――。


そして彼女はセノヴァを小傘の墓標代わりとした後、夢美たちの方を振り向いた。


「・・・私たちは乗り越えなければいけないと思う。

・・・試練は、乗り越えられる者にしか与えられない。これは私たちに与えられた試練―――。

・・・この崩壊しかけた世界を再び作り直すこと・・・。

・・・私たちは、この世界を再生しなければならない、ってね」


                    δ


あの悲惨な出来事から何年が経過したのであろうか―――。


崩壊しかけた世界は見るも形が残っておらず、復興した町は賑わっていた。


ビル群が林立する中、一際大きなビルが聳え立っていた。


そして今日、週刊誌を書く担当記者がそこへ赴こうとしていた。


多くの社員たちに恵まれ、特に霊夢やヘカーティア、勉強し直して金銭面に特化した純狐などが会社を盛り上げていた。


資本金も多くなり、融資を受けさせて貰っていた宇佐見銀行に返済出来る位まで成長した企業。


赤い頭襟を被った彼女が書こうとしていた見出し―――。


「危険が沢山!?今話題の急成長中の会社『東方重工』、経営者が歩んだ波乱万丈の運命とは!?

・・・『成功者に聞く』」


「新生アルス・マグナ」本編終了でございます。

ここまで読んでくださり、感謝感激です。

ていうかこんな小説に1秒でも時間かけて貰えるだけで嬉しいです。


そして自分はいつも暇なので、いつも合う戦闘曲を考えたりしてます。


ワイバーン、プトレマイオス、テヘル・アメガ、ガウェイン戦

→Blinded By Light(閃光)ーFF13

比那名居天子、マエリベリー・ハーン、永江衣玖、宇佐見蓮子、鈴仙・優曇華院・イナバ、比那名居天子&永江衣玖、純狐戦

→更に闘う者たちーFF7

博麗霊夢戦

→二色蓮花蝶~Ancientsー西方秋霜玉

霧雨魔理沙戦

→恋色マスタースパークー東方永夜抄

マグナ・シリウス戦

→死闘ーFF6

ヘカーティア・ラピスラズリ戦

→Pandemonic Planetー東方紺珠伝

ウィータエ・アエテルナエ戦

→子午線の祀りー聖剣伝説2

多々良小傘戦

→片翼の天使ーDFF

ファルサ・ユースティティア戦

→妖星乱舞 第4楽章ーFF6

※あくまで作者が勝手につけたもので、実際は読者に任せます

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