狼の牙
我狼の腕に握られているのは太刀。
我「あまり時間をついやしたくないのでな…悪いが手加減は無しだ。」
山賊達が身震いする。
ダッ…!
我狼が走り出す。
そして…
ー狼の牙が…奮われる。ー
ー鮮やかに…ー
ーそして…残酷に…ー
少「凄い…」
少年は唖然としながら呟く。
少「片目で…距離感がないのに…。」
なのに何故ここまで強いのか…?
そんな事を思っていたが、ある事に気づく。
少「強い…けど…」
少「苦し…そう…?」
ー狼の力は…ー
ー憎しみの力…ー
ドサッ!
山「た…助け…」
我「……。」
命乞いをする山賊。
だが無表情の我狼。
少「……。」
心配そうに我狼を見上げる少年。
殺させたくない…
それが少年の真意だった。
だが…我狼は、太刀を降り下ろそうとする。
少「…ッ!」
少「止めてくれよ!」
我「…?」
少年が止めると我狼は動きを止め、聞いた。
我「…何故だ?」
少「何故って…殺す事ないだろ!?」
我「…村の金を奪ったやつらだぞ?」
我狼の言葉に一瞬動きが止まった少年だが…
少「でも…!」
少「まだ間に合う!」
少年の力強い言葉。
少「こんなに命乞いだってしてるんだ!きっといいやつになるよ!!」
少年の必死な様子に我狼は負けた。
我「…分からんな。」
そう言って、太刀をおろし、その場を後にした。
最近あとがきで書くことがない…(汗)
by作者