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私達、『パーティ鷺宮』です。  作者: ai-emu
第2章 魔法の修行と神の神子
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第15話 神との契約③『火の神子』

カエデテラスで毅と別れた真奈美は、北に向かって歩いていた。どうも赤い光の放つ先は、目の前に大きくそびえ立つエンダレス山を指しているようだ。エンダレス山といえば、この大陸で一番高い山だったと記憶している。

カエデテラスから北に歩くこと3日、真奈美は、目的地らしき場所にたどり着いた。そこは、エンダレス山の麓で、山肌を大きくくり貫いたような洞窟で、光は洞窟の中に伸びている。

この洞窟の奥が、火龍(イフリート)の神殿なのだろうと、マナミは思い洞窟の周りを見渡した。

洞窟の周りは、殺伐とした岩山で、地面には背の低い木が所々に生えており、動物が生息していそうな環境ではなかった。しかし、そんな所にも魔物だけはいるみたいだ。今、マナミの周りには、体長2メートルほどのオオカミの魔物『ワーウルフ』が3匹いる。真奈美の正面にいたワーウルフが、威嚇して低い声で鳴くと、3匹が一斉に襲いかかってきた。

「火の精霊よ、我に力を与え我を助ける火の障壁を作れ……。火の壁(ファイアーオール)!」

真奈美が、詠唱と発動キー(カオスワード)と唱える。右手を円を描くように真奈美を中心に地面をなぞると、5メートルほど離れた場所で、真奈美を囲むように火の壁(ファイアーオール)がそそり立った。

いきなりあらわれた火の壁(ファイアーオール)に、突進して既に最高速にまでなっていたワーウルフたちは、止まる事も出来ずに火の壁に激突していった。そして、一瞬で消し炭になる。

ワーウルフの襲撃を、慌てずに対処した真奈美は、深いため息をつくと、意を決して洞窟の中に足を踏み入れた。洞窟の手前で拾った枝に魔法で火をつけて松明とし、洞窟を照らしながら歩いていく。

しばらく歩くと、広い空間に出た。そこは、ここが洞窟の中だとは思えないほど明るく、また、空気も淀んでいなかった。奥の壁には、『火』を司る神らしき彫像があり、その前に祭壇が作っている。祭壇の中央には、火を燈す燭台があり、最近誰かが来たような形跡があった。真奈美は、燭台に持っていた松明から火を移した。すると、燭台の火が一際大きく燃えて、何もしていないのに、壁につけられている燭台に次々と火が燈されていく。

ふと何かの気配を感じて振り向くと、そこには、神社で見かける巫女服に身を包んだ女性が佇んでいた。

女性は、真奈美を認めると、深くお辞儀をしてから口を開いた。

「火の加護をその身の宿した『火の神子』さま。長い間お待ちしておりました。私とともに、どうぞこちらまでお越しください。」

「…はい。」

真奈美は、あっけにとられながら、巫女の後に続いて彫像の奥に進んでいく。

「どうぞ、こちらへ。」

巫女に勧められるまま、真奈美は、さらに奥にある泉のなかへと入っていく。泉の中心まで来たとき、泉の周りに配置されていた彫像から、炎が立ち上り泉の周囲を囲んでいく。すると、何処からともなく声が聞こえてきた。

『我が名は火龍(イフリート)。

火の加護に守られし汝の名は。』

「あたしは、寺岡真奈美です。」

『汝、寺岡真奈美に問う。”火”の指し示す宿命とは。』

「”火”とは、…すなわち『命の源』。…すべての生命は、火によって生まれ、火の中で暮らし、火と共に死ぬ。つまり、『火』とは、命そのもの。」

大層な事を口に出したと、真奈美は思った。他の人が聞いていたのなら、「お前は何処の哲学者か」と、罵られただろう。しかし、真奈美は、声の主に、今まで抱えていた”火”に対する印象をそのまま口に出していた。

『泉の水を飲め。さすれば、我の力を与え、『火の神子』となろう。」

真奈美は、泉の水を手ですくってみた。すると、すくった水が炎に代わって手の中で揺らめいている。真奈美は、熱を持たない手の中の炎を、一口で飲み干した。炎は、体の中を溶け込むように行き渡っていく。

そして真奈美は、大きくげっぷをして、口から白い煙を吐き出した。その煙が、空中で球体状に固まり、一瞬大きな炎を上げて燃え尽きると、かわいらしい小さなキツネの姿になって真奈美に飛びついてきた。

真奈美の胸にしがみついているキツネは、真っ赤な瞳をしており、モフモフの純白の毛並みで、尻尾の先に小さな炎が揺らめいている。

『我に名を与えよ。さすれば、我は汝とともに生きよう。『火の神子』たる証を真奈美に与えよう。』

キツネは、真奈美に語り掛けるように話した。真奈美の右手の薬指に、2匹の龍が浮彫にレリーフされた金色の指輪が現れた。2匹の龍が咥えるように、赤水晶が輝いている。

「キツネ君の名前かあ…、『サラダン』でいい?意味は、『火の聖霊』という意味なの。」

『神の名に精霊の名を付けるとは、面白い主よ。気に入った。これより我の名は、サラダンと名乗ろう。』

サラダンは、真奈美の胸の中で笑った。

「それじゃあ、あたしの仲間のところに戻ろっか。」

真奈美は、サラダンを抱えて山を下りていった。

話の矛盾点を修正しつつ、加筆しています。

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