<9>神界 ①
「ここが神界か...」
見渡す限り、どうやら俺達は周りの建物より一際大きな塔らしき建物の一番上にいるらしい。
「どう?どう?来てみて感想は?」
「えーっと凄いとしか...」
「え〜つまんなーい」
いやだって本当に凄いとしか言えない。
空は緑色だし、周りの建物も俺のいた世界の技術じゃ100年経っても作れないって感じだし。
「なんだあれ?」
この塔らしき建物より少し小さめの側面が透明の板張りになっている塔らしき建物の中で四角形の箱が上に上がっているのを見て不思議に思いながら聞いてみた。
「あれはねエレベーターって言うんだよー」
「えれべーたー?なんだそれ」
「君の世界に来た勇者いるでしょ?あの勇者達が住んでた世界の技術で生み出された便利な代物なんだよ〜。あの箱に入ったら上にあんな風に上がって階段を使わずに上がれるんだよ」
「随分と発達してるんだな...」
「で、私達神からも高評価だったから神界に作る事にしたってわけ」
「さすが神。見るだけであれだけの物を作れるのか...」
俺も欲しいな。
「ただ設計の過程とかが頭の中に流れ込んでくるから、その通りに作ってるだけなんだけどね...ていうか君だったら『創造』使うだけで簡単に作れるじゃん」
「あ...俺神か..忘れてたわ」
俺がそう言うと神様は呆れ顔をしてこう言った。
「君が神じゃなかったらこの世界に連れてくることは絶対にないよ...ていうか見てすらないと思うよ」
ひどくね?
「.....まぁそうかもな」
「じゃあそろそろラグリ様のところに行こうか」
「て言ってもどこにラグリってやつがいるんだ?」
「もうちょっと向こうの方かな。もう一回転移魔法使うから私の肩に掴まってね」
「りょーかい」
神様の肩に手を乗せると「いっくよー」と声を出して魔法を使った。
***
「ここがラグリ様が住む宮殿でーす」
「でっけぇなー」
転移してきた場所は巨大な宮殿の前だった。周りを見渡すと建物は一切立っておらず、ただ緑が広がっているだけだった。
「ささ!入るよー」
縦7メートルくらいはありそうな門の前へ立つ。
すると門がひとりでに開いた。
「おぉ、自動で開く門なんてあるのか。すごいな」
俺が感心していると神様はふんっと大きくも小さくもない中間くらいの大きさの胸を張った。
「でしょ!」
「でもどうせこれだって、あの勇者様の世界のものじゃないのか?」
「うっ.....」
そのままジッと神様を見つめる。
「ほ、ほら!もう行こうよ!ね!」
パクリ乙。
急ぎ足で俺の前を歩く神様。
「やれやれ」
とため息を付きながら神様の後を追う俺だった。
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