<8>神界へ
気がつくと俺は辺り一面真っ白な世界に立っていた。
「またここか」
「そうだよ〜!」
1度耳にした事のある女の子の高い声が響き渡る。
その女の子は俺の目の前に姿を表すと笑顔でこう言った。
「『創造』を使ってみてどうだった?」
「ビックリだわほんと」
「まさか、女の子を最初に作るとは思わなかったな〜」
「想像しろって言われたら女の子を想像するに決まってるだろ」
「決まってるんだ」
俺の言葉に神様は苦笑した。
「んで、俺をまた呼んだわけってなに?」
何だろうと思ったので軽い気持ちで聞いてみると、神様は笑顔のままこう告げた。
「なんかね〜私より上位の神...まあ先代の創造神の付き人がね、君を神界に連れてくる様に言ってるんだよ〜」
「神界って?」
「神だけが住む世界って言えば分かりやすいかな?」
「で、その神界とやらに創造神の俺が行かないといけないのか」
「そうだよ〜」
うんうんと頷く神様。
「えぇ、それって何分くらい?」
朝までに戻ってこれないんだったら絶対却下だな。
「一生かな?」
「無理...てか俺の心読めよ」
「それがね、君が創造神って事を自覚したからだと思うんだけど心が読めなくなっちゃった」
そうなのか....ふぅよかった。
話を聞くに、どうやら神同士だと読めないらしい。
「さっきも言ったけど無理だから」
「もし君をラグリ様の所へ連れて行かなかったら私消されちゃうよ」
さっきまでの表情とは一転、弱々しくなり怯え出す神様。
「それだけでか?」
俺は思ったことを口にした。
「神には序列があってね。序列階級の高い神ほど権力を持っていて基本的に自分より上の階級の神には逆らってはダメなんだよ。私の序列は結構上の方なんだけど、ラグリ様は創造神の次に階級が高くて、今では神界で一番権力を持ってるから命令に背いたら消されるんだよ」
「序列階級の高い神には逆らっちゃダメ....ね」
これは良いことを聞いた。
「よし、神界に行こうか」
「え!?行ってくれるの!?」
「うん」
「一生戻ってこれないよ!?」
「いいからいいから。さっさと行こうぜ」
「...わかった。じゃあ一旦、君を夢から覚ますから起きたら宿の外へ出ておいてね」
無言で頷くと、俺の意識は遠のいていった。
目が覚めるとベッドに寝ている2人の女の子の方に顔を向けた。
「ちょっと行ってくるわ」
2人を起こさない様に小声で言ってからドアを開ける。
今は夜中で辺りはとても静かなのでドアを開く音がとても大きく聞こえる。
慎重にドアを閉め、宿の出口である受け付けの前を通ろうとしたその時、俺のよく知る声が深夜の宿屋に響いた。
「ライトさん..?どこ行くんですか?」
声のした方を向くと上下ピンク色のパジャマを着たミリカがいた。
「ちょっとな」
「何処かへ行くのは構いませんけど、朝までには絶対に帰ってきてくださいね」
「おう」
リーラが起きるまでに帰ってこないとな。
扉に手を掛ける。
外へ行くと深夜だからか誰もいなくて辺りはとても静寂に包まれていた。
「宿の外っても...ここら辺で待っとけばいいのか?」
どうやって登場するんだろうか。やはり空から降りてくるのだろうか。そんな事を考えること数分。
欠伸をかいていた直後だった。
目の前の空間がユラユラと歪み始め、次第にピキピキとガラスの様に割れていった。
「やあやあお待たせ」
割れた空間から顔を覗かせた神様は、空間の割れ目をまたぐ。すると割れた空間は元に戻っていった。
「ん、神界まではどうやって行くんだ?」
「ワープだよ〜」
「ワープって今のやつか?」
「いやいや違うよ〜今のは空間魔法。神はこんなの使えちゃうよ〜ってところを君に見せたかったんだ〜」
「俺でも使えるのか?」
「うん!ていうか創造神なら何でも使えちゃうよ〜!いやーもう創造神様様だね!」
「マジか...」
「イメージすれば出来るよ。まぁ向こうで別の神に教えてもらってね」
「あ、うん」
ま、教えてもらう前に帰るんだけどな。
「じゃあそろそろ行こうか。私の肩に掴まってね」
「転移魔法か」
「じゃあいっくよ〜!」
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