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前世持ちのエルフ冒険者さんは、気楽に生きたい  作者: 待っててコイサンマン


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前世とは違って無理をせずに


 私には前世がある。

 その前世は此処とは大きく違う世界……前世の知識曰く、地球と言うそうだ。

 そんな地球の色んな所で碌でもない仕事をしてた私の前世と言える男の知識のお陰で、私は私に備わるレアスキルを十全に使い熟す事が出来てる。

 そして、私はレアスキル……地球の武器である銃等を召喚出来る能力を活かし、冒険者として生活している。





 真っ暗闇に覆い尽くされたダンジョンの中を1人の女が、カスタマイズされたM203グレネードランチャー付きのコルトMk18を手に明かりも無く歩みを進めていた。

 ソレは彼女に目元にある、4つのレンズが目を引く大きな暗視ゴーグルの恩恵であった。

 そんな暗視ゴーグルを介して暗闇の中を見通しながら歩みを進めて行くと、微かながらも足音が聞こえて来た。

 足音を聞き付けた瞬間。歩みを止めた彼女は静かにその場にしゃがむと、静かにMk18を構え、息を殺して待つ。

 すると、視線の先にある通路の奥から熊の如き大きな肉体を持ったモンスターが現れた。

 モンスターを視認した彼女は直ぐに狙いを胸に合わせると、指に僅かな力を込めると共にダブルタップを行った。

 セレクターがフルオートに合わされているMk18が、サプレッサー越しに減音された銃声を断続的に2発ずつ連続で2度響かせれば、放たれた4発の5.56㎜ NATO弾がモンスターの胸を貫いて心臓をズタズタに斬り裂いて粉砕する。

 そうして一瞬の内に心臓が破壊されれば、モンスターはドサッと後ろへ倒れて動かなくなった。即死だ。

 そんな死して倒れたモンスターの向こうを暗視ゴーグル越しに残心の要領で見詰めると、死体の向こう。少し離れた所からモンスターが自分に向かって走って来るのが見えた。

 彼女は左手をMk18の樹脂製弾倉に添えると、人差し指をM203グレネードランチャーの引金に掛け、引いた。

 軽やかな砲声と共に40ミリ榴弾が放たれ、緩やかな放物線を描きながら飛んでいく。

 それから程なくしてモンスターの頭部へ吸い込まれる様に命中すれば、モンスターの頭が小さな爆発と共に消し飛び、その場にズサッと滑る様にして倒れ伏した。

 そんな2つ目の死体を他所に2度目の残心をする彼女は新たな敵の姿が無い事を確認すると、M203から大きな空薬莢を抜き取って次弾を装填してから立ち上がる。

 そして、再び歩みを進めていく。

 歩みを進めながらモンスターと接敵すれば、モンスターよりも早くに行動する様に引金を引き、先手必勝と言わんばかりに殺す。

 そんな事を繰り返しながらダンジョン内を探索すると、彼女は休息の為に部屋と繋がる前後の通路にクレイモア地雷を仕掛け始めた。

 自分の通って来た通路とコレから進む先の通路にクレイモア地雷を1基ずつ仕掛け、モンスターがやって来ても迎え撃つ事が出来る様にした彼女は蝋燭に火を灯して明かりを確保する。

 蝋燭の仄かな明かりに照らされると、彼女はバックパックを下ろし、その脇にMk18を立て掛ける様にして置いた。

 そして、彼女がゴツい暗視ゴーグルの付いたヘルメットを脱げば、その顔が明らかとなる。

 蝋燭に照らされ露わとなった彼女の顔は耳や首元等の至る所が黒や茶で塗り潰されており、素顔は解らなかった。

 だが、種族的特徴とも言える尖った長い耳やポニーテールにした銀髪までは隠せないし、顔立ちも悪くない。寧ろ、可愛い部類と言えるだろう。

 そんな彼女は休む為に身に纏っていたチェストリグを脱ぐと、腰回りに取り付けられた装具を繋ぎ合わせる大きなベルトを脱いだ。

 そして、爪先に鉄板の入ったブーツを脱ぎ、靴下も脱いで素足になれば、水筒を手に取って唇を湿らせると共に喉を潤していく。

 そうして一息付いた所で彼女はどうするべきか?考える為、振り返る様にして現状を整理する。


 このダンジョンに入ってから2日と半日。

 今居るのは27層目の途中。食糧の残りは1食分。

 水も水筒1つ分だけと、残り少ない……


 彼女は2日と半日前にダンジョンへ入り、今居る27階層の途中まで到達していた。

 そんな彼女は身体を休ませながらも考える。


 このまま進んで、行ける所まで行く。

 それとも、此処で引き上げるべきか?


 「無理に進む必要は無いわね」


 ポツリと漏らしたその言葉と共に此処で引き上げる事を選ぶと、彼女は今居る部屋の床に魔力で紋を刻み始めた。

 そうしてタグ付けする様にして紋を刻み、転移のスクロールを使えば此処へ転移して探索の再開が出来る様にした彼女はもう一口だけ水筒の水を飲んだ。

 その後。Mk18を手に取って弾倉を抜いてチャージングハンドルを引いて薬室内の1発を抜けば、慣れた手付きで手早く分解していく。

 1分も掛からずに分解を済ませれば、雑嚢から出したクリーニングキットで各部品を清掃すると共に入念に検分する。

 5分後。Mk18のメンテナンスと組み立てを終わらせると共に動作点検を全て済ませば、靴下とブーツを履いてからチェストリグを身に纏い、暗視ゴーグル付きのヘルメットを被った。

 その後にメモ帳に今居る27階層のマッピングを済ませれば、Mk18を脇に提げて仕掛けたクレイモア地雷を撤去して後始末を終えた彼女はバックパックを背負うと、腰の雑嚢から脱出用に用意していた転移スクロールを取る。

 転移スクロールを開きながら自身の魔力を込めれば、彼女はダンジョンから消えた。

 そうして、ほんの数秒でダンジョンの外と言える森へと脱出すれば、彼女は呆れ混じりにボヤいてしまう。


 「2日と半日掛けた道程が、たったの数秒で済むとかデタラメ過ぎるわね」


 そんなボヤきを漏らした彼女は外が未だ明るい事を確認すると、そのまま森の中を進む。

 30分後。森から抜け出た彼女は顔や長い耳、首筋等を塗り潰していた黒と茶の顔料を完全に拭い落とすと、ハイエルフの母親譲りの陶磁の如き白い柔肌と整った顔立ちを完全に露わにした。

 そうして素顔を晒せば、彼女は帰路に付くのであった。




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― 新着の感想 ―
5.56mm弾で胸撃っても熊を仕留められないのでは 7.62mm弾か散弾銃の12番スラッグ弾が必要なのでは、 と、ファンタジーなのにマジレスしてみた。 それとも、魔法で火力をブーストしてんのか。
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