神様との対談
コハクがマイペース過ぎる件
何?
ちょっと今忙しいんだ。後にして。なんでかって?なんか知らないおじいさんが居るんだよ。真っ白な空間にさ。ま、夢なんだけど、、、。
夢なら普通じゃない?って言ったでしょ。俺、いつも夢の中で自分をコントロールできない派なんだよね。できる人もいるらしいけど!あと、できる人はゲームが上手いらしいけど。
あ〜、俺ゲーム下手だったもんな〜。
「おい!こら!何、一人で雑談しとる!現実逃避せんでこっちを見んか、馬鹿者!!」
うわぁ、すごい怒ってる。ここって夢の中だから現実じゃないでしょ。
「ごめんなさい。、、、何?」
「はぁ〜。お前、喋るとき考えてる事をはぶきすぎじゃわ。もういい、怒る気も失せたわい。本題に入るとするかの。」
怒られる要素なんてなかったけどな。更年期かな。
「おい!誰が更年期じゃ!心の声聞こえてるっちゅうの。」
「あの、、、誰?」
「今か?!今なのか!?すごいタイミングで聞きよるな、お前。そしてワシのツッコミは無視か!ある意味すごいな、お前。、、はぁ〜、、、わしは神じゃ。」
すごい勢いのある神様だなぁ。
「へ〜。」
「反応薄!ふぅ〜、、、疲れた。もういいか?」
「あ、うん。」
「お前神にタメ語か。」
タメ語なんていう若者言葉、神様も使うんだな。
「俺、無信仰者だから。」
「本物目の前にしてよく言えるな、そんな事。」
神様がすごいジト目で見ている。あ、本題ってなんだろう。
「で、、、何?」
「だから、お前、言葉をはぶきすぎじゃ。それでよく今まで人と会話できてたな。ま、いいわい。お前と話してたら日が暮れる。本題というのはじゃな、お前に地球とは違う異世界へ転生してもらった。」
「、、、ん。」
「はぁ〜、んで、転生じゃが。お前、湖の前で目が覚めたじゃろ?実はあの湖の水を飲んだからなんじゃ。あの湖は別名死の湖と言われておってな、見た目は綺麗じゃが、水が猛毒なんじゃよ。その体の元の持ち主がそれで死んでしまったわけじゃが、そいつがちと訳ありでの。魔王の側近だったんじゃが、可哀想なことに魔王に命を握られておっての。魔王の命に決して背かない呪いをかけられておったんじゃよ。命に背かないというのは、魔王が死ねと言うまで死ねない、ということにもなる。しかし、それを飲んでしまったがために、魂が耐えきれなくなっての崩壊したんじゃ。このままでは呪いの影響が広がってしまい、世界の均衡が崩れかねなかった。そこで、元の魂と酷似した魂を持つ人間が地球で亡くなったと聞いてな。お前を転生させてもらったんじゃ。勝手にすまなかったの。」
話終えると、神様は頭を下げた。
「、、、俺、、死んだんだ。知らな、、かった。、、、魂が崩壊って、。」
「この世界で生きてはくれぬか?」
「い、やだ。嫌だ。、、この体は、、、そいつのものだから。」
「、、、しかし、そいつの魂はもう、、。」
魔王に呪いをかけられて、魂が崩壊なんて。そんなのダメだ!俺が変わりじゃダメなんだ。そいつじゃないと。
「俺がそいつを呼ぶ。崩壊してるとか関係ない。この体はそいつのものだから。そいつの魂を俺が復活させるよ。この体はそいつが戻るまで預かる。」
俺は真っ直ぐ神様を見た。こんなに言葉がスルスル出たのは初めてだ。
「、、、そうか、そうか。」
神様は一瞬驚いた顔をして、それから微笑んで俺の頭を撫でた。
「神に誓うよ。」
俺も少し微笑んで言う。
「ふふっ、、無信仰者じゃなかったのか?」
「じゃあ、おじいさんに誓うよ。」
神様はにこりともう一度微笑んで、ありがとうと言った。
*
(神のみぞ知る)
あやつ、自分の死については触れなかったな。マイペースだし、自分の事に無関心すぎるが、いい奴よのう。魂を復活なんて、出来るはずないのじゃが、年甲斐もなくあの真っ直ぐな瞳にかけてみたいと思ってしもうた。
頑張るのじゃぞ。
コハク。




