三十五話 雪の中の暖かさ
忙しく、時間があまりありません・・・。
これから更新がかなり遅くなります。
「こ○ぁぁぁぁゆきぃぃぃぃ」
アキ達は、雪かきをしていた。
アキは歌を歌いながら雪かきしていた。
雪は降り積もり、道を白く覆いそれを和気藹々と雪かきをする人たち。
その中にアキ達も混じっていた。
「なんていうか、依頼というよりみなボランティアって感じだな・・・」
周りの人たちはみな、滅多に見られない雪を見て盛り上がっている。
「私たちだけ依頼できたというのは・・・少々恥ずかしいものがあるな・・・」
と、タエコがつぶやく。
「ふふ~♪」
アキは歌詞がわからなくなり、リズムだけを口で出していた。
そんなアキ達も、広場から続く大通りを南門まで雪かきしていた。
「ふー、やってもやっても積もるなー」
「そうだな、私も最初こそ珍しさで好奇心が勝っていたが、こうまで降られると・・・」
うんざり、と言いたげな顔をしたタエコ、周りの人たちも疲れてきているようだ。
「皆さん少し休憩しましょう!暖かい飲み物を用意しました。」
と、ボランティア(?)の人が温かい飲み物を配る。
「お!俺ももらってくる。」
と、返事を待たずに走り出すアキ。
その後姿をみてタエコは、
「・・・アキの背中に雪が積もっているな・・・」
アキの背中にも雪が積もっていた。
列に並ぶアキが、後ろの人に雪を払ってもらう様子を見ていた。
「タエコの分ももらってきたぞ!」
と、言いカップを渡すアキ、中は暖かい紅茶だった。
「体が温まる・・・。」
「紅茶うめー、牛乳ほしくなるわ」
二人は雪が降る中、暖かい飲み物を飲んでいた。
そうしているうちに、
「ありゃなんだ?兵士がたくさん来たぞ。」
南門に向かって重装備の兵士達が移動していた。
「む、こんな雪の中の行軍か・・・大変だな」
「てか、さむそーだなぁ」
のんびり眺める二人だったが、
「ありゃ、第六師団じゃないか?魔物専門の」
「第六師団とか、物騒だなぁ・・・前みたいにレッドドラゴンでも現れたのか?」
と、周りが騒ぎ始めた。
「第六師団って、魔物専門なのか!なんかすげー」
と、アキがずれたところに驚く。
「アキ・・・それよりも、気になるな・・・この雪の中第六師団が出動するなんてな」
魔物専門の第六師団、重装備の兵士達が南門から次々と街の外へ出て行く。
周りの人達は、またドラゴンがでた。オークの大群が迫っている。いや、むしろオーガだ。
好き勝手な憶測をしている。
「なぁ、タエコ・・・」
深刻そうな面持ちで声をかけてくるアキ、
「な、なんだ?」
その様子に、重苦しいものを感じるタエコ。
「知ってるか?寒いと、エネルギー使うんだぜ・・・」
「は?」
タエコは、一瞬何を言ってるのか理解できなかった。
「寒いと腹が減る!」
自信満々、と言う感じで宣言するアキ、
「ははは!!」
我慢できずに笑ってしまうタエコ
それを見てアキが、
「とりあえず暖かいものが食べたいな、朝はスープだったし今度は焼き物で!」
と、まったく気にしてないようだった。
「だが、今は依頼の真っ最中だぞ?」
と、タエコはあくまで仕事で来ていることをアキに思い出させる。
「そ、そうだよな・・・」
目に見えてしょぼくれてしまったアキ。
そのとき。
「嬢ちゃんたち面白いなぁ!いいぜ、行ってこいよ」
「嬢ちゃんたちがいても雪が降り続ける限りなぁ?」
「すこし食べておいで、その後しっかり動いてもらうけどね?」
と、周りの人達がアキを後押ししてくれたのだ。
皆が第六師団の出動に動揺しているなか、アキ達のやりとりは清涼剤のような効果を発揮していたのだ。
アキはただ腹が減っているだけなのだが・・・。
「ああ、俺のオススメの店があるんだよ。」
と、オススメの店まで教えてもらった。
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
「おじちゃんオススメの店教えてくれてありがとー!」
アキ達は、オススメの店に歩き出すのだった。
「ここかー、いい匂いするわー」
「中々、食欲をそそる匂いだな。」
オススメのお店まで来た二人、出迎えたのは普通の家に看板だけあるような場所だった。
だが、そこからとても香ばしい匂いがした。
「こ、これは・・・ピザ!?」
匂いだけで判別した、アキ。
迷わずドアを開ける。
「たのもー!」
確実に間違った声を発しながらアキは店内を見回す。
「やっぱりピザだ!よっしゃあ!」
アキは、めちゃめちゃ気合の入った喜び方をした。
「そ、そんなに喜ぶようなものなのか?」
タエコはドン引きしていた。
そんな二人は、一種類しかないピザを頼む。
「焼きたて・・・ほっかほかだな!」
二人の目の前には、とろーりチーズの湯気をたてるピザがあった。
二人以外にも、店内には客がいたのだがみなピザを食べていた。
とてもおいしそうだ。
「それじゃあ、切り分けるぞ。」
と、アキが切り分け始める。
「おぉ・・・」
アキの声である。
切り分けて離したらチーズが伸びる。
「こんなのCMでしか見たこと無いぜ」
CMでしかみたことないと言い出すアキ。
そもそも周りからCMってなに?レベルなのだが
「うまそうだ。」
唾液を飲み込む。
「アキ、私の分を早くくれないか。」
タエコも待ちきれないといった様子。
切り分けたピザをタエコにわたし
「いただきます。」
と、ピザを頬張る。
「うまい!!」
アキが感動する。
ピザは味がとても濃く、チーズ、トマトに腸詰、とてもおいしかった。
「確かにこれはおいしい。」
タエコもその味を堪能していた。
しかし、
「ふぅ・・・もうお腹が一杯だ。」
タエコには油がきつすぎたようだった。
そこにアキが
「じゃあそれもらいっ!」
と、タエコの分まで食べたのだった。
その後、雪かきに戻った時にほどほどに食べたタエコは普通に動けたが
たくさん食べたアキは、満腹であまり動けなくなったのだった・・・考えが足りないアキであった。
うーうー唸りながら雪かきをするアキ。
それを周りの人々は、微笑ましく見守るのだった。
そのとき、もう第六師団のことなんて誰も気にしなくなっていたのだった。




