三十一話 俺と彼女のお買い物
「よし!買い物しようぜ!!」
「ん?いきなりどうした。」
「せっかくPTになったんだから一緒に買い物しようぜ。」
「ふむ・・・私はまだこの街をよく知らない。案内してくれるか?」
「まかせとけ!!」
アキはあの後、二人でのんびり依頼掲示板を見ていた。
しかし、どんな中々いい依頼が見つからず買い物という提案をしたアキだった。
「繰り出すぜ!」
街に繰り出す二人。
目指すはあの服屋だった。
「えっと、あの建物があっちだから、確かあっちにだなぁ・・・」
「アキ、言いにくいんだが・・・迷ったのではないか?」
「迷ったんじゃない!!ただ道が見つからないだけだ」
それを迷子と人は言う。
「アキ、あそこなんてどうだ?おいしそうな焼き物だぞ。」
「む、・・・今は目的地が優先だ。」
影秋はどうしてもタエコと服屋に行きたかった。
タエコの装備はローブのしたはまさに村人の服装だった。
村人オブ村人でった。それでいて刀をもっていたのでその異様さが際立つのだ。
(たこ焼きもどきだと!・・・ここのお店は要チェックだな。)
しっかりと頭の中に記憶する。
「こ、この辺は通ったはず・・・。」
「アキ・・・買い物なら別の場所で出来るだろう?」
「まってくれ!もうちょい!もうちょっとだから!!ほんとすぐそこ!目と鼻の先まできてるんだって!!」
「目と、鼻の先・・・あそこか?」
「あ・・・あったーーー!!!」
「あそこなのか・・・」
「い、いや!気付いていたし!!とにかく行こう!」
ごまかすようにタエコの手を取り引っ張るアキ。
こんなのも悪くないな。と、タエコは思っていた。
「いらっしゃいませ。おや、この前のお嬢さん、試作品はどうですか?」
「とてもいい感じですよ!まだ戦闘で攻撃を受けていないので防御力はわかりませんが、とても着心地はいいです」
「それはよかった。そういえばあの後、インスピレーションがわきましてね。同じ素材でニーソックスを作ってみたのです。使ってみませんか?」
「え!ニーソ・・・まじで!?」
「はい、まじでございます。あなたのための特注品ですよ。今なら金貨2枚で。」
「か、買います・・・。」
特注品といわれたアキ。
割引とか数量限定とかあなただけの特注品とかに弱い現代日本人のアキであった。
「っとと、目的忘れるところだった。タエコの装備を見繕ってもらえませんか?」
タエコは唖然としていた。
あのニーソックスが金貨2枚だと・・・。
一般市民と冒険者の金銭感覚の違いはかなりのものがある。
一般市民は金貨が10枚あれば一月暮らせる。
その五分の一があのニーソックスなのだ・・・。
目の前で繰り広げられる買い物に気が遠くなる、さらにその矛先が自分に来たのだ。
「む、無理だ。先立つものがない・・・」
「とりあえず見繕ってもらおうよ!」
「そうですね、でしたらこちらが・・・」
と、勝手に始まってしまったのだった。
「こ、これ、防御力が足りないんじゃ・・・」
「大丈夫でございます。コートの素材が特別なものでして、外からの突然の強い衝撃がくると硬質化し内側の素材が衝撃を吸収します。防御面はコートで十分かと。」
「そ、そんな素材があるのですか!?」
「はい、大変珍しいものです・・・が、ございます。」
そこには服を店員に見繕ってもらったタエコがいた。
服装は、
ミリタリージャケットのようなコート、その下にさらに衝撃を吸収してくれるというネックセーターのようなものに、そのさらに下にアキと同じインナーを着ている。
下は、普通に見えるジーパン、だが普通ではなく、これもアキが着ているものと同じくらいハイスペックであった。
さらに靴も、魔法で開発した新素材という、まさにミリタリーブーツとしかいいようの無いものを履いていた。
「しかし、これは少し、その恥ずかしい・・・」
インナーにセーターである。
胸の形がしっかり現れる。
現代日本人が見たら。「厨二病かな?」
と思うような中々カッコいい格好であった。
タエコはその格好がすごく、とてもすごく似合っていた。
「タエコ、めっちゃ似合ってる・・・」
「とても、お似合いでございます。」
「そ、そうか・・・」
照れるタエコ、しかし
「しかし、私はこれを買えない。選んでもらったのにすまない。」
「いえいえ、いいんですよ。またの機会にどうぞ」
タエコは服の想像以上の性能を聞いて確実に買えない。と諦めていた。
「店員さん!俺の特別割りって効きます?」
「はい、特別割引いたしましょう。」
「それでどれくらいになります?」
「金貨25枚です。」
「じゃあ買います。」
「アキ!!やめてくれ、私には返せそうにない。」
「タエコ!もう冒険者なんだから身の安全は確保しないと」
身の安全、とてもそうは思えない格好なのだが。
「後、タエコももう冒険者なんだ。これくらいすぐ稼げるよ!俺がそうだったように」
「しかし!今はまだ・・・」
「じゃあこうしよう、金貨30枚貸しで、金貨30枚分ちょっとづつ飯をおごってもらう!」
「アキ・・・本当にそれでいいのか?」
「なんだよ?金貨5枚分増やしてるんだぜ?後俺めっちゃ食うから。」
「アキ、ありがとう・・・絶対におごってやる。」
「ああ、楽しみにしてるよ。」
その光景を微笑んでみている店員であった。




