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異世界転移して教師になったが、魔女と恐れられている件 〜王族も貴族も関係ないから真面目に授業を聞け〜  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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古都の魔法陣

 国王直々に案内してもらい、王都から少し離れた地にある遺跡へと移動をした。本来は森を迂回して行く場所のようだが、空を飛んでいく為あっという間に到着する。


 そのことに驚いてはいたが、マッシュはもう警戒心を見せずに古都の中を案内してくれた。


 古都はブッシュミルズ皇国の過去の首都だったようだが、国が大きくなっていく過程で首都移転を実行したらしい。ずいぶんと昔の話のようだが、古都は大きく立派なものだった。


 他国の王都に比べても負けない規模であり、見た目も美しい白い都である。これだけの大きな都市に、誰も住んでいないというのは違和感があった。


 マッシュの指示によって都市の中心地に降り立つと、よりその印象は強くなった。年月が経ち、建物は崩れつつある。しかし、それでも美しく、見事な都市だと感じた。


「とても綺麗な街ですね。どうして廃棄されてしまったのでしょう?」


 そう尋ねると、マッシュは腕を組んで唸る。


「ふむ。それについては答え難いのだが、一般的には徐々に国力が増し、人口が増えていく中で最も領地を統治しやすい位置に王都を移したとされておる。まぁ、他にも幾つか別の話もあるが」


「別の話、ですか?」


 マッシュの言葉の中に、気になる言葉があった。反芻するようにその言葉を繰り返すと、難しい顔で答える。


「うむ……これも推測でしかないのだが、この古都では何かの実験が行われていたらしい。しかし、それが失敗してしまい、長期間住めなくなるような状況になってしまったようだ。そういったこともあり、王都を移転したとの話もある」


「実験……それは、もしや魔術具の?」


「そういうことかもしれんな」


 そんなやり取りをしていると、グレンが不思議そうに首を傾げて口を開いた。


「魔術具の実験で都市が駄目になるなど想像がつかんぞい? どうしてそうなってしまったのじゃろうか」


 グレンのその言葉に、ラムゼイが答える。


「うむ。可能性があるとしたら炎の魔術であろう。過去の歴史書には、古都は色とりどりの美しい布が建物を彩る見事な都市だったらしい。しかし、現実には古都には布どころか木製の家具すらないのだ。残ったのは真っ白になってしまった石材の建物、道路等だけだ。建造物以外の全ての物が失われた原因は極端に強力な炎の魔術だろうと言われておる」


 その言葉に、オーウェンが腕を組んで唸った。


「……魔術具は基本的には使用者が魔力を流し込み、操作せねば発動しない。つまり、誰かがこの街を悪意を持って焼き尽くしたか。それとも、それだけの長期間強力な炎の魔術を発動させ続けることが出来るほどの、魔力貯蓄を可能にした何かがあるのか」


 不思議そうにそう口にしたオーウェンを見て、マッシュとラムゼイは顔を見合わせる。そんな考えも過去に出たことはあるはずだが、魔術具の専門家であるオーウェンが口にすると説得力が違う。そんな感じだろうか。


「……とりあえず、その古代の魔法陣を見にいきましょう」


 一瞬の沈黙をみて、そう提案した。


「む、そうだった」


 話がそれたことに気が付き、マッシュが頷いて先を歩き始めた。向かう先は古都の中心だ。


「あそこが旧王城の跡地である」


 大股で前を歩きながら前方を指差してマッシュがそう言った。前を見ると、元が大きな城だったとは思えないような廃墟があった。


 二階までしか見当たらないが、三階以上は崩れてしまったのかもしれない。瓦礫の中にある建物は面積だけなら随分と広く、もし城が健在だったなら相当な大きさだっただろうと安易に想像できた。


「とても大きなお城だったのですね」


 そう呟くと、瓦礫の間に出来た道をマッシュが進みながら答える。


「うむ。古都は今の王都以上に栄えていたとされておる。その王城なれば、大きさだけでなく、豪華絢爛を極めたものだったようだ。宝物についても他の大国に負けないものがあったとのことだが、ほとんどが失われてしまった。残念なことだ」


 苦笑しながらそう言うと、マッシュは城跡地の中を進んでいき、地下室へと続く大きな階段を下りていった。


「……地下ですか?」


「ちょっと怖いですね」


 遺跡を興味深く眺めていたエライザとシェンリーだったが、地下への階段を見て不安そうな声を出した。それにロックスやストラスが反応する。


「王城の地下は通常、王族しか入れぬ場所が多い。興味深いな」


「……遺跡とはいえ、他国の王城の地下か。一生体験できない場所だな」


 そんな言葉を聞き、ハイラムが腕を組んで溜め息を吐いた。


「各国にも色々と秘匿するものはあるからね。あまり触れない方が良いとは思うけど……」


 何か含みのある言葉を口にするハイラムも気になったが、そんな会話をする我々を放置してオーウェンとグレンは地下への階段を下りていってしまった。


「……とりあえず、我々も行きましょう。陛下が案内してくれているんだから、大丈夫ですよ」


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