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南風通信  作者: 南 晶
25/31

アナと雪の女王に見る海外アニメ進化論

でも、そんなに大袈裟な話ではありません(笑)

「アナと雪の女王」観ていない方は、多少ネタバレ含みますのでご注意を。


 今、興行収入がジブリを超えたと話題になっている巷で話題となっている映画と言えば、言わずと知れたディズニーアニメ『アナと雪の女王』。

 メディアに疎い私でさえも、実は最近、映画館に足を運んで観てしまった。

 娘が保育園でテーマソングを覚えてきて、「ありのーままのー」とその部分だけヘビーローテーションで聞かされている内に、「ありのままの何だよ!?」と、その続きが知りたくなってしまったのは人情というものだ。

 そんな訳で久々に映画館でアニメ映画を観てきたわけだが、これが意外にも面白かった。


 実を言えば、私は子供の頃からディズニー作品が苦手であった。

 中学校の修学旅行で無理矢理連れて行かれたディズニーランドは、それ以降、一度も行った事がない。

 そもそも、『トムとジェリー』くらいにテレビ放送されていたならともかく、ミッキーのテレビ放送を一度も見たことがない私には、あのツルンとした合成樹脂のようなミッキーをかわいいとも思えず、幼少の頃より何の思い入れもない。

 決して都会ではないが限界集落でもない愛知県で生まれ育った私に、これだけ馴染みがないのなら、ミッキーマウスのテレビ放送を見たことがある日本人はそれほどいない筈だ。

 なのに、ディズニーランドが何故、そんなに面白いのか? 

 私が思うに、テレビ放送がないからこそ、ミッキーはシンボルとしてディズニー作品の頂点に君臨しているのではないかな。

 見たら多分、つまんないんじゃないかと思う。

 

 日本のアニメを見慣れていた私の子供時代、海外アニメはイマイチ取っ付きにくい代物であった。

 ブランドとしてはミッキーと肩を並べる「スヌーピー」のアニメをテレビで見た時、あまりのつまらなさに愕然とした思い出がある。

 何とも起伏のないアニメだった。

 主人公であるにも拘わらず、スヌーピーは終始無口で、その表情のない顔にはやる気の片鱗も見られず、この犬、おらんくても誰も気づかんわ、と子供ながらに私は思ったものだ。

 同じくキャラもので言うと、「ウッドペッカー」は、最悪につまらなかった。

 あのけたたましい独特の笑い声を聞くだけでイライラしてきて、ウッドペッカーを苛めようとする悪者を寧ろ応援したくなってくるという本末転倒。

 てか、そもそもペッカーのあの顔が、かわいいどころか小憎たらしいのだ。

 こうなるともはや「坊主憎けりゃ袈裟まで」の領域で、あいつの顔がついたプリントTシャツとか絶対に着たくない。

 そう言えば「トムとジェリー」の二話目で出てくる「ドルーピー」っていうアニメも最悪だったな。

 せっかちな私は、ドルーピーのボケ老人みたいな抑揚のない喋りを聞くだけで、もうムカついてムカついて、しばき回したい衝動にかられたものだ。

 何で、あいつが主役やねん!?と。

 3D実写映画ではすごい迫力と臨場感だった「トランスフォーマー」も、アニメのテレビ放送を見たら何ともテンポが悪く、メカデザインも消しゴムみたいで、所詮、ガンダムの敵ではなかった。

 

 ディズニーアニメに限らず、外国のアニメって日本人から見たら結構独特で、笑いのツボが理解不能なものとか、主人公の言動が意味不明なものとか、それを文化の違いというのだろうが、私は全般的に受け付けなかった。

 外国のアニメのキャラの大袈裟ジェスチャーは見てるだけで恥ずかしいし、ディズニーアニメで言えば、シンデレラからアリエルに至るまで顔がリアル過ぎて怖いのだ。

 所詮、二次元なんだから、無駄なリアリティは追求せず、ひたすらかわいくすればいいのに、と日本人の私は思う。

 アメリカで大人気の「バービー人形」が日本で全くウケず、大幅なキャラ変更余儀なくされた結果、ロリコン路線で成功した前例もあるのだから、ディズニーもマンガ路線にすればいいのに・・・と思うのがそもそも文化の違いなんだろうけど。


 まあ、そんな感じで、ディズニー作品が非常に苦手だった私だが、今回の「アナと雪の女王」を見た時、不覚にも涙してしまった。

 松たかこの歌うメガヒット曲「ありのーままのー」も感動的だったし、映像の美しさもさすがアメリカ、お金が掛かっている、じゃなくて、素晴らしい。

 ストーリーは王道だったけど、アニメの原点に帰ったようなわかり易さは返って良かった。

 何より、キャラの顔が怖くない!

 あれなら、日本人の私でも十分受け付けられる。

 同じCGでも「アバター」みたいにならなくて良かった!

 基本的に文句ばっかり言ってる私だが、この映画に関しては、比較的肯定的な意見を出せる。

 映像の美しさもさることながら、キャラの苦悩ぶりがいい。

 個性的で、且つ、完璧ではないキャラクター達はどこか憎めず、思わず共感してしまうのだ。

 三人姉妹の長女である私は、主人公のアナより寧ろ、重圧の中で懸命に女王としての責任を果たそうとするエルサの心意気に泣けた。

 長男・長女ってねえ、頼まれてもないのに「自分がやらなくちゃ」って一人で背負い込んで頑張っちゃうのに、周りの評価低い事多いんだよね。

 逆に、次男・次女の方々が見たら「そうそう、二番目っていつも放置されてて寂しいんだよね」とアナに共感するかもしれない。

 大人も子供も共感できるストーリー、ハイテクを駆使したCG映像、そして、かわいくなったキャラクター達。

 今まで私のようにディズニーアニメはちょっと・・・と苦手意識を持っていた人達が見ても、「白雪姫」ほどの違和感はもう感じないだろう。

 そうなると、これからどんどん海外アニメ映画は主流になってくるかもしれない。

「顔がリアルでキモい」とディズニーアニメを敬遠していた日本人が一斉に劇場に足を運ぶようになったら、興行収入一位くらいはいけるだろう。

 

 そしたら、日本のアニメはどうなるのか?

 奇しくも「アナと雪の女王」を観た時、本編開始前の宣伝で、次のジブリ作品が紹介された。

 夏の公開予定らしい「思い出のマーニー」。

 多感な少女のひと夏の思い出・・・みたいな話なんだろうけど、あの宣伝みただけでは良く分からなかった。 

 本編公開前に適当な事も言えないけど、率直な感想を言えば・・・う~ん、地味?

 なんか最近のジブリは、屋根裏の小人だとか、港町の女の子だとか、日常を描きたいのか分からないけど、どーもぱっとしない。

 そういうのが好きな人もいるのは分かるんだけど。

 日本国民がジブリに期待する作品っていうのはやっぱり「ナウシカ」とか「ラピュタ」みたいな「うっわ、スッゲー!」という作品だと思うんですが。

 勿論、ジブリ作品以外にも数多くの日本アニメ映画は存在するのだけど、私の中で「ナウシカ」を超える作品はまだない。

 そのナウシカを生んだスタジオジブリの最新作が・・・なんか地味なのである。

 お分かり頂けるだろうか、この寂寥感。

 

 何となくではあるが、海外作品の方に未来への勢いを感じてしまう私なのであった。



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