第221話 賢者の森139
投稿を再開します。今更かかったコロナですが、こうも引きずるんですね。皆さん、お気をつけて。
ジタバタと頭をどうにか引き抜こうとするゴブリンキングを横目に、ボクはエレーナと作戦会議を行う。
「ウホウホ(火にも大勢ができているみたいだし、ボクが全力で攻撃しても大きなダメージにならない。あまり時間をかけると、大隊のみんなに怪我人が増えてしまうよ。)」
「あぁ、そうだな。軍の皆には踏ん張ってもらわねばならぬな。ゴブリンキングが元からこうだったのか、それとも薬で変容したのかはわからないが、様々なことに対応することができる能力を有していることは間違いない。そう簡単に勝負を決めることは叶わないぞ。」
エレーナは眉間にしわを寄せながらそう言った。彼女も早期決着を望んでいるのだろうが、それが不可能に近い現状に苛立ちと焦りがあるのかもしれない。
「ウホ(どうしようか。)」
「うむ、とりあえずは攻撃を続けるしかないな。私はそういった強化薬の専門家ではないので断言はできないが、あそこまでの強力な薬の効果はそう長くは続くとは思えない。遠からず効果はなくなるだろう。その時を待って持久戦とするしかないな。」
ため息をつきたくなるも我慢して、ボクは気を取り直す。作戦会議ともいえない会話だったけど、手短にしたのは急ぐ必要があったからだ。
だって、できるだけ無防備なゴブリンキングを叩けるなんて、こんな良い瞬間を逃したくはないだろう?
「ウホ!(そうと決まれば!)」
「あぁ!まずは、燃え上がれ!『ファイアエンチャント』!マツ、叩き込め!」
「グルォオオオオオオオオオ!!」
ボクは雄叫びをあげながら、燃える両手で拳を振り下ろす。芸がないかもしれないけど、シタビーだ。地面に埋まっている相手にこれ以上に向いている攻撃はないからね。
「グ、グ、グ、グ、グ、ウグォオオオ。」
ドコドコと振り下ろされる拳に合わせてゴブリンキングからうめき声が聞こえる。どうやら大きなダメージにはならなくても体の中には響いているみたいだ。頭が埋まっているから、何を言いたいかはわからないけど、苦しんでいるようで何よりだ。
そしてそのうめき声も1分2分と時間が経過するごとに極わずかだけど、だんだんと大きくなっている。薬の効果が薄れているのかもしれない。
しかし、火が燃え移らないのは、やはり火に耐性を持ってしまったということだろうか。その耐性が薬の効果が切れたときに無くなるのか、定着するのかがわからないのは不安要素だが、ゴールが見えたと言えなくもないこの現象にエレーナも少し表情が和らいだ。気づいてたんだね。
「マツ、効果は間違いなく薄れている。このまま奴が抜け出せないように拘束したいんだが、できそうか?」
「ウホ(うーん、もう少しなら大丈夫だね。シタビーではこれより下に突き刺すのは難しいみたい。腕力がとても高いから、このままじゃ抜けてしまうよ。)」
「それでもやる価値はありそうだな。頼んだぞ!」
「ウホ」
エレーナがそういうなら、気合いを入れて打ち続けようか。さて、どれくらい拘束し続けることができるかな。
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