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大戦前夜

今回の主要人物


【宗教都市ゼロ】

さくら(人間)異世界へ転生した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。

タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。

エスター(人間)孤児院出身の宗教都市ゼロ大将。もふもふ同盟。

ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。

メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。もふもふ同盟。

ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。

フィル(人間)孤児院の生き残り。女の子。

デリエ(人間)ジョザ村の元村長。

バージル(人間)ジョザ村出身の鍛治職人。シナとクボの父。くーを師匠としている。

シナ(人間)女の子。クボの姉。

クボ(人間)男の子。シナの弟。

 スマホの画面を見たさくらは、Lvが-1になっている事を確認した。タマさんの悪戯で、さくらが大戦に巻き込まれる日をカウントダウンするLv表示。明日は0になる。さくらは大戦に巻き込まれるのは間違い無い。そのために転生してきて、一年間準備をしてきた。


 スマホの【緑】アプリで、リス獣人以外に一斉に通知を出す。

「今晩氏子は公民館に必ず集まって下さい。お子様も含めてになります」と。


 さくらは、リス獣人エリアの奥に、通常の住人の家が移動できるだけのスペースを作っておいた。

 これで家の移動は、夕食中に終えられるはず。


 タマさんには、お料理教室では、多くの量のクリームシチューを作ってもらうようにお願いした。

タマさんは、全てを分かっているような表情で、「わかったぞえ」とだけ答えてくれた。


 スマホのマップを見ると、ゼフ王国は動きなし。

 バジ王国は、すでに旧ヒク村の近くに待機していた。赤い点で……




 公民館では、単なるお食事会と思って集まっている人も居る。

今晩のメニューは……

・クリームシチュー

・ピザマルゲリータ(お取り寄せ)

・ボイルした粗挽きソーセージ

・ティラミス


 食事しながら、さくらは、集まってもらった理由を説明する。


「大戦の噂は聞いていると思います。占いでは明日、この街も巻き込まれると出ました。そこで対策を説明させていただきます。今の時点で、皆さんの自宅はリス獣人エリアの奥に移動させてもらいました。同じ場所には同じ建物がカモフラージュとして建っているので間違えないでください、」


 集まった者たちは突然の事に驚いている。


「皆さんの中から協力して頂きたいのは、デリエさん、アレルさん、カメアさんの三名です。」

突然呼ばれた三名も、びっくりはしたが、首を縦に振ってくれた。


「さくら代表、俺もなんでもいいから協力させてもらえないか?」とバージルさんが立候補してきた。シナちゃんとクボ君は、お父さんを心配そうに見ている。

「わかりました。バージルさんも安全な場所で協力をお願いします」

「任しておいてくれ!」とバージルさんは答えたが、安全な場所と聞いて、二人の子供達はほっとする。


 さくらは続いてプロジェクターにマップを表示した。

旧ヒク村の近くでは、赤い点が密集している。旧タス村の周囲に赤い点は確認されなかった。


「この状況では、バジ王国が先に攻めて来るでしょう。入り口の鳥居場所には、私とエスターさんの二人で待機していましょう。攻撃されたら、くーちゃんとさーちゃんにさくら神社まで戻してもらいましょう」


 エスターさんは納得したが、ジョザ村出身のデリエさんは、明日どうしていいかわからなくて不安そうだった。


「デリエさんには、ちーちゃんと同じ場所で待機してもらいます。危険もありますが、引き受けてもらえませんか。」

「ピーナッツ火山の主様が近くにいてくれるんだ。安心して指示を受けます。」とデリエが答えると、ちーちゃんが、「アタイが守るから安心していいのだ!」とフォローしてくれた。デリエさんは、感激してしまった。


「明日は【神社ディフェンス】の【狛犬(空気砲)】で対応してもらう事が考えられるので、早めにさくら神社まで来て下さい」


 みんなが了承してくれた。。これなら、明日は問題なくクリア出来るだろう。




 その頃、旧ヒク村の近くで待機している軍を率いているのは、ゼフ王の娘が思いを寄せている大将が指揮を取っていた。この大戦で手柄を上げれば、次期国王に近づけると私欲の事しか考えていないようだった。


 今年の冬は雪がよくチラつく。




 夕食を終えた住人は、さくら神社、リス獣人エリアを超えて、避難エリアにたどり着いた。同じ家を移動させただけなので、家の中は変わりが無い今までと同じ状況であった。


 さくらは、バジ王国が宗教都市ゼロを敵対視する赤点しか無かったことを考えて、早急に決断した。

 早速ヒク村からタス村近くまでを細い一本道に変えて、ドライアイスを水に入れてテストしてみた。

 予想以上におどろおどろしく、恐怖を感じる環境になった。


 あとは、明日を待つだけだった。




 夕食の後、メルツは、バージルさんの家を訪れていた。

「バージルさん、お話を聞いて下さい……シナちゃんとクボ君も一緒に聞いてて欲しいの……大戦の渦を何事もなく通過できたら、バージルさん、私をもらってもらえませんか?」


 自分に自信の無かったメルツさんの人生の勝負に出たところである。


「俺たち家族は、ジョザ村を逃げる時に妻を亡くした。まだ俺も受け入られてない……でも、シナとクボには、まだ母親の愛情が必要なはずだ。家族みんなで一緒になるなら、ケルン君、フィルちゃんも一緒に暮らすなら、その話を受け入れる。」

「バージルさんありがとうございます。なんとしても大戦を生き残らないとですね!」メルツは、第一関門をクリアしただけで号泣してしまった。


 ただ、心配なのは、ケルンとフィルに話をしていないで、黙っていた事だった。


 その頃、さくらは、SNS【緑】で全員に通知を出す。

「代表のさくらです。明日、大戦に巻き込まれてしまう予定です。住人は公民館に集まって状況を見ていて下さい。デリエさん、アレルさん、カメアさんを含めた役を割り当てられた方は、明朝さくら神社まで集まって下さい。無事に大戦をやり過ごして平和な日常を取り戻しましょう!」と送った。


 ナビさんとこそこそとオーダーメイドで注文していた品も届いた。


 あとは明日を待つだけである。

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してください!


さくらの活躍を応援していただける方は、ぜひブックマーク、評価(下部の☆☆☆☆☆)にて、後押しお願いします。

その応援がはげみになります。


次話からは大戦が始まります。

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「さくら神社防衛戦争」
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