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大戦①

今回の主要人物


【宗教都市ゼロ】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。

タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。

エスター(人間)孤児院出身の宗教都市ゼロ大将。もふもふ同盟。

ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。

メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。もふもふ同盟。

ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。

フィル(人間)孤児院の生き残り。女の子。

デリエ(人間)ジョザ村の村長。

バージル(人間)ジョザ村出身の鍛治職人。シナとクボの父。くーを師匠としている。

アレル(人間)戦士

カメア(人間)回復士


【バジ王国】

ザマ(人間)初登場。

 珍しく早く目が覚めたさくらは、カーテンを開けて外を見ると、空は晴天で太陽の光が反射した雪原が眩しい。もしかしたら、明け方に警告音が鳴って大戦が始まるかとも思っていたが、大丈夫だった。


 マップで確認すると、ゼフ王国は近くまで進軍して来ている気配はない。バジ王国は、旧ヒク村から3キロほど離れた場所に陣取っているようだ。

(寒い中、野宿して大変そうだね)


 


 朝食を終えて、さくらは無人となった居住エリアの公民館に大戦に関係する者を集めて最終確認と説明をする。

ゼフ王国は動きがないこと、バジ王国が攻めて来そうな気配がある事を伝えた。


 この公民館を作戦本部にする事。警察の対策本部のように、タマさんが「宗教都市ゼロ 大戦作戦本部」と書いた紙を公民館入り口に貼ってある。


「公民館に待機してゼフ王国、バジ王国の動向確認をするのは、シゲさんをリーダーに、くーちゃんとさーちゃんが補佐。アレルさんも公民館で待機ね」

「任しておけ。どんな動きも見逃しゃしねぇよ」とシゲさんが意気込んだ。


「旧ヒク村から旧タス村までの間に設置する【狛犬(空気砲)】で足を狙うのは、ジョザ村出身の男性。同じ出身の人達を攻撃する事になるけど……出来そう?」

「俺たちを見捨てた王国に未練なんかないさ」と親指を立ててバージルさんが答えた。

(あれ?メルツさんの目が……キラキラしてるのは気のせい?)


「堀の中で【狛犬(水)】でヌルヌルさせ続ける係は、ケルン君とフィルちゃん。ドライアイスの煙で真っ白な視界だから。適度に撃ちまくる感じでお願いね」

「「はーい!」」

(敵兵のグロい姿が見えない場所に配置したのは、さくらのせめてもの配慮だった)


「滑り落ちた先の広場は、ちーちゃん、ナビさん、カメアさん。ちーちゃんはドラゴン姿で脅す係で、ナビさんは落ちて来た人の名前をちーちゃんに伝える係ね。カメアさんは、あまりにもひっどい負傷者している人にヒールかけてあげてください」

「アタイに隕石をぶつけた恨みを思い知らせるのだ!」

(ぶつけたんじゃなく、ちーちゃんからあたりに行ったよね……おかげで助かったんだけどね)

「回復は任せて下さい!」カメアさんもやる気がみなぎって、テンションが高そう。


「私も、ちーさんと同じ場所に配置させてもらえませんか?同じ種族の者で反国した者がいた方が、心折れやすく、反国しやすくなると思います。」と元ジョザ村の村長デリエさんが提案して来た。

「その考えもあるね! デリエさん、危険な場所だけどちーちゃんと同じ広場にお願いね」

「わかりました」


「私とエスターさんは、旧ヒク村の鳥居で待機してましょう。何もなければそのまま通して、攻めてくるようなら草むらに入って、くーちゃんとさーちゃんに対策本部まで移動してもらいましょう」

「さくら殿、命に変えてもお守りする」

「命に変えないで、全員生き残るの!」

「そうだったな、申し訳ない」


「他の女性人は、美味しい料理いっぱい作ってね!長期戦になったら食事も配らないとだからね。料理のリーダーはタマさんお願いね!」

「任せるぞえ!」


 そうして各自持ち場に散った。




 旧ヒク村の鳥居までさくらとエスターさんは移動した。

 細い道の両側の谷には、ドライアイスをすでに落としてあり、白い煙で幻想的になっている。


「さくら殿、なんかいつもと雰囲気が違うようだが……」いつも一緒に居るエスターさんが何か違和感を感じたようだ。

「えっ!? これから初めて戦をするんだもん。普通じゃいられないよ……」さくらは、もっともな事を言った。

「確かにそうだ、私も気を引き締めねばならん」エスターさんは頬を叩いて気合いを入れた。


 マップを見ると、赤い点が大量に近づいて来ている。

さくらは、【緑】アプリで、さーちゃんに「例の事よろしくね!」と送った。直ぐに、「さー!頑張る!」と返って来た。これで万が一の場合も大丈夫だろう。


 三百メートル程まで近づいて止まったバジ王国軍から、一人の軍人が馬から降りて前に出てきた。


「我は、バジ王国軍大将ザマである。大戦の約束通り、ゼフ王国を貰い受けに参った! そこにいるのはエスター大将と見える。一般人一人連れただけで出向いてくるなど、舐められるにも程があるぞ!」

(本当に、宗教都市ゼロのこと知らないのかな……)


「エスターさんは、ここで待っていてね。何があっても動かないでよ。準備はしたけど戦いにならなければ一番いいから……私が代表として話に行ってくる……」

「さくら殿、わかった」


 さくらは鳥居を出て、ザマに歩み寄る。


「ここは、ゼフ王国から独立した宗教都市ゼロです。ゼフ王陛下にも知らせは出しています。知らないはずは無いでしょう。私達は戦う意思は有りません。私達に剣を向けないと約束していただけるなら、街道を無条件でお通しします」

「そんな話に騙されると思うか! 今、この剣で大戦を開始してやる!」ザマはそう言うと、さくらに走り込んで行き、剣を思いっきり横に振り抜き……無防備で、足がすくむさくらの首を刎ねた。


「宗教都市ゼロの代表、討ち取ったぞ!進め!」ザマは宗教都市ゼロを知っていて、攻めて来たようだ。

さくらの首が刎ねられる最悪の展開で大戦は始まってしまった。


 エスターさんは、「さくら殿ぉぉぉぉ!!!」と叫びながら、さくらの生首の髪を掴んでいるザマに向かって鳥居から駆け出して行った。

(タケルだけじゃなく、さくら殿まで……二度も転生者を目の前で殺された……力尽きるまで無双してやる!)

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してください!


ついに大戦が始まりました!


さくらの活躍を応援していただける方は、ぜひブックマーク、評価(下部の☆☆☆☆☆)にて、後押しお願いします。

その応援がはげみになります。


次話は大戦の続きです。

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