裏謁見〜料理長の場合〜その1
50ポイント到達ありがとうございます!!
嬉しいです泣
短めですが、楽しんで頂ければ幸いです。
「という、わけなんです。」
(まさか、こんなことになるなんて・・・・・・。)
ああ、成る程。それであの子はあんなにも料理長に料理を見て欲しかったわけか。いや・・・・・・でも、なあ。
料理長はほとほと困り果てた様子で、然りに汗を拭っていた。
「それで、カッポウと申したか。そなたはどうしたいのだ?」
(件の女子か。料理長よ、我は女子には弱い!今日という日が終わる頃には貴様は既にあの女子の料理をたらふく食べているハズだ!!!)
いや、のっけからテンションやべーな。王様、なんでどやってるんですか。女子には弱い!って、逆に恥じろ!!
「いえ、私としては彼女には戻ってきて貰いたいと考えております。確かに未熟ですが、センスは抜群に御座います。」
(認めたくないがな、あの細工は俺には出来ん。)
へえ、手先が器用なのかな。じゃあ言葉通りの技術はあるわけか。
「なるほど。」
「磨けば光るとわかっているものをどうして放っておくことが出来ますでしょうか。」
「で、あるか・・・・・・。」
(何でもいいがお腹が減った。早く飯よ、来い!)
またこの人は料理長が悩んでいるってのに。そんなんじゃ美味しい料理食べれなくなるよ?
そんな中、宰相様がカッポウに問いかけた。
「そんなに目をかけているのであらば、なぜ明日から来るななどと言ったのです?」
(料理にしたって、一口食べるだけでしょうに。)
宰相様、その通りなんですが、料理長にも長年のプライドというものがあるんだ!!
正直、パンナコッタさんとカッポウさん、二人に会っている俺には二人がどう考えているかがわかっている。
ぶっちゃけ、どっちもどっちだけど、まあ何というか、なる様にしかならないよなあ。
「はっ、それについてはお恥ずかしい限りですが、それまでやってきたことを否定されて私もつい頭に血が・・・・・・。」
(それを認めてしまっては、俺は、もう包丁を握ることが出来なくなる。鍋を振るうことも出来なくなってしまう!)
急にテンション高いな!そして何だ、何かのセリフか!?訴えかけてくる圧がやべえ!
「ですが、彼女の発想は本当に素晴らしいのです。そして、どのような発想も技術を学んでこそ活きるというもの。彼女が料理史に残る傑物となるか、それとも凡百の輩として消えていくのか、わたしには後者を選ばせることは出来ません。」
(そんなに凄いの?これは、料理長変えちゃう??美味しいけど地味だから皆んなに自慢出来ないし。昨日セロリ生で出して来やがったし。)
やめろやめろやめろ!!陛下!何言っちゃってんの!暴君じゃん、理由も含めて暴君じゃん!!
こら、膝打つ程自分の考えに喜ぶんじゃない!!
「その覚悟は素晴らしいことだ。それがわかっているのであれば、もはやそれを直接伝えるのが良かろう。」
(そしてその流れで引退を決意するのだ。彼女に地位を、譲るのだ!!)
なんつー王様だ!
「実は、そのそれが・・・・・・。」
「・・・・・・どうしたのです?」
(まあ言いづらいでしょうね。うちで匿っている形になっているわけですし。)
確信犯!!ていうかなんか疑う様な表情までつくってるじゃん!宰相様役者すぎるでしょ!!カッポウさんが可哀想だよ!!
「いえ、実は、彼女が行方不明になってしまったのです。」
・・・・・・いや、うん、ごめんなさい。貴方以外みんな知ってるます。むしろ犯人達です。
(くくっ、深刻そうな顔して。ぷはっ、笑いが出そうだ。)
王様よ!あんた人の心はないのか!!
一部の人間が笑いを堪えることに必死な為、謁見の間は雰囲気だけは緊迫していったのだった。
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