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幕間〜ノママーニと友人〜

幕間です。投稿ペースを下げないためにも、幕間を、しばらく投稿させて頂くことにしました。詳しくは活動報告をご覧くださいませませ。


次話の為の布石というか。登場回というか。


楽しんで頂けましたら幸いです。


 朝焼けに照らされた訓練所、俺がいつものルーティンで剣を振っていた時のことだ。


 近衛になりたての俺は毎日わからないことだらけで、他人の心を読みながら何とかやっていた。


 手に馴染んだ武器の刃を一定のリズムで振り下ろす。数は大体、疲れるまで素振りを繰り返す。


 俺が昔から生きていた世界ではこんなこと一回もやったことなかった。つくづく習慣ってのは恐ろしいもんだな。


 そしてこの剣が振り下ろされる日は、王城勤めの間は恐らく来ないんだよな。


「よお、オーセ!精が出るな!」


 振り下ろした切先を再度振りかぶろうとした俺に声をかけてきた奴がいた。


 俺は振り返り、そいつの姿を確認した。



 耳にかかる程度の長さの金髪、細く通った鼻筋に、光を受けてキラキラと青く煌めく瞳、朝焼けを弾き返すほどに白い歯――――イケメンがいた。


 くっ、何という日だ!!朝から気分良く剣振ってたのに!なんならぱっと見俺がこのイケメン風のポジションだったのに!!


 誰から見たポジションかは聞くなっ!知らん!!


 くそう!こんなのが来たら勝てねえ。陰気な雰囲気を出している俺は引き下がるしかない。



「すいませんでした。今すぐここから離れます申し訳ありません。」


 深々と頭を下げてその場を後にしようとしたが、慌ててイケメンに肩を掴まれた。



「まてまてまてまて、オーセ!!そのキャラはなんだよ!」


「うるせーよ!離せ!このイケメン野郎がっ!」


「なんで褒め言葉を罵倒するかのようにいうんだよ!」


「さあな!褒めてねーからだ!!」


「褒めろよっ!」


「俺は死んだ婆さんの遺言で男は褒めないことにしてんだよ。」


「いや生きてんだろ、婆さん!こないだうちの婆さんとお茶してたぞ。」


「くっ、人質とは、卑怯なっ!」


「何の話だよ!」


「うるせー!!・・・・・・んで、どうしたんだ?ジェイド。」


 急に真面目になった俺の様子に呆気に取られていたジェイドは、パクパクと口を動かすと、溜め息をついた。


「急に戻るなよ・・・・・・。いや、俺も訓練に来たから声かけただけだ。」


「イケメンは努力なんてするなよ。」


「いや、どういう理屈だよ。」


「特にない。」


「ねえのかよっ!!朝から疲れさせないでくれよ。」


 そういうとジェイドは髪をガシガシと乱暴に手ですいた。寝起きも相まって何というか、色気がやべえ。



 いや、だから俺にそんな感じ出すなよ。


「それで、本当に鍛錬に来ただけか??」


 俺の言葉にジェイドは目を泳がせると、言いづらそうに口を開いた。


「いや、実はまた酒場に付き合って欲しい。」


(後少しでミレーネちゃんをものにできそうなんだ!)


「またかよ。お前も飽きないねえ。」


 俺は呆れたように目を細めた。

 こいつの名前はジェイド。俺の同期で、数少ない友人だ。


 何でこいつが俺の友人からまあ色々理由があるんだけれど、何というか、善良なのよ。口で言ってることと本心に殆ど誤差がない。


 俺と同じ男爵家の次男坊で、こいつを一言で表すなら女好き、で間違いない。


 ジェイドと俺は妙にウマがあったのもあって、よくジェイドのナンパの付き添い人として酒場に連れて行かれていた。


「いいだろー?お前もいい人見つかるかもしんねえじゃん。ほら、ミレーネちゃんの友達のあの子はどうだ?エミリーちゃんとかどうだ?ダブルデートしようぜ!な?」


「知らん、興味ない。てかお前エミリーちゃんも口説いてただろう。」


 俺の言葉にジェイドは顔を青くした。


「げっ、なんで知ってんだよ。」


「エミリーちゃんから聞いた。」


 まあ実際は心読んだだけだけども。


「バレないようにしろよ。」


 焦っているジェイドを見て俺は笑った。何というか、やってることは最低男なのに不思議と憎めないんだよなー。


「気をつけるよ。んで、どうなんだ?付き合ってくれるのか?」


「しょうがねえな。わかった、付き合うよ。」


「助かるっ!」


 拝むように手を合わせたジェイドは、白い歯を見せながら颯爽と訓練所からでていった。


 いや、稽古する気ゼロじゃねーか!!

 ったく、何なんだよあいつは。


 後日、俺はあいつの付き添いで酒場に行ったが、エミリーとミレーネにそれぞれがバレて修羅場になったことをここに報告しておく。


 またその数ヶ月後に俺がある悩みでジェイドに相談するのは、また別の話だ。



いつも読んで頂きありがとうございます!

誰かが読んでくださっているということが毎日本当に励みになっております。


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