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コンクール!!!

 コンクール当日を迎えた。


 リハーサルの場所は、会場の近くの練習施設。辺鄙なところに建った古めかしい交流館なんだけど、練習室がいっぱいあり、広い部屋にはピアノもあって、びっくりするくらいいい穴場だった。(後で知ったんだけど、昔は某音大の短大だったらしい)


 出発する前に、楽器をいっぱい吹くため朝ごはん食べようと思ってコメダに行った。7時半くらいに行ったらもうめちゃくちゃ並んでいたので諦めた。どうなってるんだ。何も皆、モーニングのために休日にわざわざ早起きしなくても……。(おまいうすぎる)


1時間くらいかけて練習施設に着いて、音出しをした。できるだけいつも通りに吹けるように、いつもやってる練習を、落ち着いて、少しだけいつもより丁寧に吹く。


 最近自分がハマってる基礎練の定番メニューは、①B♭、C、Es、F、Des-durの8拍ロングトーン(上昇と下降) ②B♭durの音階をいろんなリズムのタンギングで吹く ③3Dバンドブックのリップスラー ④ソロ曲いくつか。最近、一つロングトーンを終えるごとに30秒くらい休んだ方が発音がよくなることに気がついた。前はアーバンばっか吹いていたけど最近めっきり吹かなくなった。


 コンクール直前に気がついたのは、本番は最後に音を出してから10分くらいは空白の時間がある(音出しをした後ホールに移動し、前の団体の演奏を聴きながら待機する時間がある)ので、普段めちゃくちゃ基礎練や音出ししまくった後にきれいに吹けても、あまり意味がないということ。長めのインターバルを空けて唇が多少なまった後どれだけ吹けるのか、自分の調子を普段から知っておくべきだった。


 あと、個人練してる時はとにかく音を澄ませることに集中しているから、楽に楽に音を出そうとするんだけど、合奏の時は皆の音に負けないようにかなり無理して吹いていた。だから、個人練の時はきれいに吹けるのに、合奏でボロボロなことがたびたびあって、これじゃまずいと気がついた。解決するには、合奏でも楽に吹くか、もしくは個人練から無理してでも大きな音で吹くかのどちらかかなと思う。


 ……それで、コンクール当日はとにかく本番を良いコンディションで迎えられるようにと音出しした。でもリハーサルはちょっといまいちで、不安になりながら会場に向かった。


 コンクールの楽しみの一つは、別団体の知り合いに挨拶すること。お互いに、頑張りましょう! って声かけあうのがめちゃくちゃ楽しい。


 楽器を出して、また音出しをして、舞台袖に移動して、いよいよ本番。笑顔を作りながらも内心めちゃくちゃ緊張する。でも指揮者の先生が指揮台に上がって、腕を構えた時、否応なしに音楽が始まる。


 課題曲。出だしは上手くいってほっとしながらも、テンポに遅れないようにと指揮をじっと見つめる。目で指揮に、耳で周りの音に合わせて、頭の中では先生に言われた事を辿っていく。


 吹いてる間、あ、音外した! とか、次のここでは絶対音を外さない! とか、意外と頭の中でいろいろ考えている。でも意識しすぎると口に力が入って余計に音が当たらなくなるので、音に集中! と何度も自分をたしなめる。


 自由曲。自分が吹いていない時は、周りの音を聴いて、あ〜この音色めっちゃ好き〜と浸る。自分の苦手な箇所に差し掛かるとめちゃくちゃドキドキしたけど、なんとか吹けた! 大きな音で吹くところは、とにかく息を吹き込みまくる。音楽の一部になれるように。


 しっかり吹きたいところをちゃんと音にして吹けたこと(前までは空気が抜けてしまっていた)、苦手な部分を(ちょっとだけ外したけど)克服できたこと、最後の一音まで音楽の一部でいられたこと、ものすごく幸せで気持ち良くて楽しくて、終わった後ちょっと泣きそうだった。めっちゃ練習したことが全部報われた、どんな賞でも悔いはないと思った。


 解散した後他の団体の演奏を聴いた。どこも上手くて聴くのが楽しい。あと、休憩時間に出てきた連盟の先生の挨拶がなんか良くて、愛おしい気分になった。


「大会日程ももう4日目ですが、客席も空白の席を除けばほぼ満席という状態です。(実際は空席の方が多い)職場・一般の団体の皆さんは、仕事で忙しい中、ビールでも飲みたいところをグッとこらえて練習を頑張っています。我々コンクール役員も、大会の裏方で頑張っている訳です。…」(※大意)


 そうだよな、皆頑張ってんだよな……役員の先生方もほんとすごいよな……と改めて思うと、コンクールに携わる全部の人への愛が爆発しそうになった。


 プログラムの最後は、結果発表だ。さっきはどんな賞でもいいとか言ったけど、やっぱり発表はめちゃくちゃ緊張した! 




 結果は……金賞!!!!! 


 嬉しっ!! 嬉し過ぎる!!!  思わず号泣しちゃった。


 今回のコンクールは、楽団に入って三回目だ。一昨年は長いブランク明けで、とにかく足を引っ張らないことだけに必死で、苦手な箇所も結局怖くて吹けなかった。

 去年は諸事情で練習に行くのが気持ち的に辛くて、今考えるとあまり集中できてなかったように思う。でも今年は練習が楽しい。吹けば吹くほど自分の音が澄んでいく気がした。何を吹いても音がまともに出ない真っ暗なトンネルを、やっと抜けたと思った。


 一年目や二年目よりも今年の方が明らかにたくさん練習して、いろんなことを考えて悩んで、自慢じゃないけど(いや、自慢かな?)とにかく時間と頭(と、お金も)をそればっかりに使っていた。だから、叶ってすごくすごく嬉しい。努力したら報われるんだって、本当に初めて実感できたかもしれない。


 今の楽団には、音楽だけじゃなくて、頑張るモチベーションっていう一番大切なものをもらい続けている。だから、吹奏楽も、小説の方も、今年のコンクールの結果を大切に抱えながら一層頑張りたい。



 



 

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― 新着の感想 ―
金賞、おめでとうございます! 嬉しいですね! 皆さんに感謝している六福亭さまが素敵! コンクール、中学以来ご無沙汰ですが、あの頃の興奮を思い出しました。 読ませていただき、ありがとうございました!
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