表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

309/317

ディール ⑥

「・・・おおぅ」

「ふぁああああ」

 銀髪頭が立ちくらみでも起こしたように足元をフラつかせた。

 ポロリとマグカップを取り落とした金髪頭はフラフラと頭を揺らした後、銀髪頭の肩にパタリと頬を載せる。


「・・・おっと」

 胸元へ落っこちて来た空のマグカップを銀髪頭が上手くキャッチした。

 銀髪頭自身はグッと両足を地面に踏ん張って目眩を堪えきったようだ。

 自分の肩に乗っている金髪頭を頬でムニムニと押して揺らす。


「・・・ルナリア?」

「どうかされたんですか?」

 ケイナが心配そうに声を掛けるが、心配ないんじゃね?

 これは多分、アレだな。


「・・・たぶん魔力酔いを起こしたんじゃないかな」

「ああ。魔素酔いですか」

 銀髪頭も経験者のようで平然としている。

 経験者のケイナも納得顔で頷いている。


 今もそうだが、レイクスたちは昏倒するところまでの症状を経験したことはないらしいし、俺も昏倒までは起こしたことはねえしな。

 酒酔いと同じで大人と子供の体格差も関係するんじゃねえかな。


 ま。魔素酔いなら直ぐに目を覚ますだろうし大した問題にはならねえだろ、なんてことを考えていると、銀髪頭とケイナが顔を寄せ合わせてヒソヒソと内緒話をしている。

 こういうときにオッサンどもが首を突っ込んじゃいけねえ。


 デリカシーの無さが積み重なると敬遠されて、終いにゃ、「サイテー!」とか「嫌い!」とか「キモイ!」とか言われて撃沈されるんだ。

 女の子同士の内緒話には触れねえのがオッサンどもの自己防衛に繋がる。

 それでも心配だとかで気になるのなら、他の部分でコミュニケーションを取って自分から話してくれるのを待つのが王道ってもんだからな。


「・・・えっ!? ―――、ハッ」

 内緒話中の銀髪頭が不意に大声で驚いてオッサンどもの視線が集まるが、我慢だ。

 聞きたそうにしているレイクスを肘で小突いて思い止まらせる。


 小さく首を振って「イエス! ロリータ、ノータッチ!」と訴え掛ければ、心の機微に無頓着なところがあるオタクにも伝わってくれたようだ。

 まだ“ロリータ”って歳じゃねえけどな。


 一般的にロリコン―――、ロリータ・コンプレックスと言われる性的嗜好の対象年齢は10歳代前半以降らしくて、7歳ぐらいからロリコン対象年齢までの間は、アリコン―――、アリス・コンプレックスと定義されるものらしい。知らんけど。

 アリコン以前? ペドだよ。“幼児性愛(ペドフィリア)”。


 無関心が良いことだと言ってるわけじゃねえぞ。

 レイクスはケイナの兄貴?

 父兄による干渉だってグレー判定を食らう世の中だからな。


 銀髪頭からすれば、ただのオッサンだし、実年齢だとジジイじゃねえか。

 先ずは信じて機を待つんだ。

 社会的な生死の境で葛藤していると、向こうでドネルクと何やら話し込んでいた前伯爵が近付いて来た。

 通り掛かりに、血抜き作業をしているオッサンの1人に話し掛けている。


「おい。血抜きはどの程度終わった?」

「大雑把には、ですね。解体は森を出てからにしますか?」

 オッサンの答えに前伯爵が質問を重ねる。


「そうだな。移動は可能か?」

「まだ途中ですが、運搬中にも血は抜けるでしょう」

「ヨシ。領主館へ戻る。移動準備を―――、フィオレ。ルナリアはどうした?」

 オッサンに頷いて返した前伯爵の視線が銀髪頭の肩で止まった。


「・・・ただの魔力酔いだから心配ないよ」

「この魔獣では仕方なかろう。獲物の運搬はどの程度任せて良い?」

 銀髪頭の返事に理解を示しても、この前伯爵は、使えるものは何でも使い倒す主義らしい。

 魔法による労働には歳も腕力も体格も関係ないみてえだな。

 仕事を任せる前提の問いに銀髪頭も当然のように答える。


「・・・全部は無理だけど、シカと熊とバンダースナッチの半分弱なら」

「残りは兵に運搬させる。今から戻れば昼過ぎには領主館へ帰還できるだろう」

「・・・はーい」

 銀髪頭の返事を聞いた前伯爵は、次の指示を出しに去って行く。


 マジか、コイツら。

 銀髪頭が出した見積もりにも、それを平然と受け入れた前伯爵の判断にもギョッとした。

 魔法に詳しいレイクスたちでさえ、あんぐりと口を空けて呆れてやがんの。


 大人も子供も関係ねえな。

 1人で運搬できる物量を軽々と超えてやがる。

 こりゃあ一般的な常識感からは一線引いて対応した方が良さそうだ。

 困惑気味にケイナが銀髪頭に話し掛ける。


「私たちも同行するのですよね?」

「・・・血の臭いが濃くなり過ぎてるから、魔獣が集まって来ちゃいそうだからね」

「確かに」

 言われてみれば、濃厚な血の臭いが周囲に満ちている。


 歳に似合わねえ正しい判断だろうな。

 新たな魔獣が寄ってくるなら、そいつも狩っちまえば良いだけでは有るんだが、慣れてねえヤツがパニックを起こす可能性も有るし、備えていたって不測の事態は事故に繋がりやすいもんだ。


「・・・テツさんもそれで良い? お母様はピーシス領の領主館でお昼ご飯にするつもりみたいだけど」

「おう。構わねえよ」

 俺にまで確認してくるから了承を返す。

 この手回しの良さも、歳に似合わねえな。

 そうして撤収作業は恙なく終わり、俺たちは森から離脱した。



ディール⑥です。


特定嗜好の定義!?

次回、アレ!?


※ 例によって遅刻です!

  ごめんなさい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ