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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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クラン ㊳

「前のヤツもそうだったけど、闇術式だよ。アレは僕たちが生きているこの世界から空間をずらして容量を増やしていたんだけど、今度のコレはもう少しだけ空間のズレを大きくしたんだ」

 説明が長くなるんじゃねえかと警戒しつつも、つい、技術的な疑問を口にしちまったんだが、説明されても意味分かんねえってことを忘れてた。


 空間をずらす? 何をどう? 

 いやまあ、「空間をずらす」つってんだから空間なんだろうが、その“空間”ってのはリュックの中って意味だろ?

 リュックの空間をずらしたらリュックもズレるんだよな?


 あれ? リュックがズレると意味がねえのか? いや。良いのか?

 ああ~。意味分かんねえ。

 まあ良いや。兎に角、ズレるんだな?


「ず、ズレが大きくなるとどうなるんだ?」

「闇術式で空間の存在を曖昧にすると、先ず、押し込める容量が増える。次に、重量がのし掛かる空間が、こっち側かあっち側かが曖昧になる」

 あっち? こっち? どっちだよ。


 その「のし掛かる」ってのは荷重だな?

 A地点とB地点が有って、AとBは別々の空間って意味か?

 Aに掛かっているはずの荷重をBに移す?


「ん~? 別の空間に重さが移って、こっち側では重さを感じなくなるってことか?」

「そういう理解で良いよ。さらにもう少し空間をずらして安定させられれば、時間からも切り離せるんだけどね。闇術式だけでは安定しないから、今のところは、ここまでだね」

 理屈は分かんねえが、空間をずらせば時間にも“干渉”できる?

 結論だけを掻い摘まめば、「時間から切り離す」ってことは―――。


「時間を止めることも出来るってことか」

「時間に干渉するのは光術式の領分ですから、闇術式でも干渉できなくは無いのですが不安定なんです」

 要約しただけの結論に補足を入れてきたのはレイクスではなくケイナだった。


「よく勉強しているね」

「私など、まだまだです」

 兄貴に褒められて謙遜で返しては居るが、嬉しい気持ちがケイナの態度や表情から駄々漏れになっている。

 ちょっと気になったんだが、訊いてみるか。


「なあ。闇魔法が空間に働くってのは分かったんだが、空間なのに何で“闇”なんだ?」

「ずらした空間には光が届かなくて真っ暗だから、らしいよ」

 そういや、リュックの中を覘いても真っ暗で見えねえんだよな。

 だから、中の物を取り出すときは手探りになるんだが、真っ暗だから“闇”ってのは一応の説得力が有る。


「へぇ~。じゃあ、“光”は? 時間に働くのが光魔法なんだろ?」

「さぁ? 均衡を取って“闇の対極”みたいな名前にしたんじゃない? 大昔の人が付けた名前だし、ちゃんとした理由は聞いたことが無いなぁ」

「へ、へぇ~・・・」

 光と闇で名前を並べたときのバランスを取っただけかよ。

 そんなので良いのか?


「そんなわけで、背嚢の中の時間を止めるのなら光術式を使う必要が有るんだけど、光属性の魔石というものは存在しなくてね。他の属性の魔石では安定的に効果を得るのが難しい」

「光属性の魔石って無いのか?」

 マジか。


 “手に入らねえ”とは、どこかで聞いた気がするが、手に入らねえんじゃなく、そもそも存在しねえのかよ。

 それ、絶対に詐欺事件が起こってるだろ。

 絵画やら宝石やら、真偽も分かんねえのに希少価値を謳えば引っ掛かる奴は多そうだ。


「魔石は魔獣が体内で生み出すものだよ? 光属性の魔獣が存在しないのだから、光属性の魔石を生み出せるものが居ないのさ」

 言われてみれば、内側からピカピカ発光する魔獣ってのは想像が難しいな。

 天使とかそんなヤツなら発光しそうだが、天使を殺して魔石を抉り出すってのは信仰して居なくてもバチが当たるというか呪われそうだ。


 つーか、呪われるってことは死霊系と同じで闇属性になるのか?

 蛍? 魔石の属性って魔獣の生態と関係してそうだから、空を飛ぶ虫だと光よか風属性になるんじゃねえか?

 チョウチンアンコウだと魚だから水属性になりそうだしな。

 ヒカリゴケに至っては反射してるだけで発光してすら居ねえ。


 あー。止め止め。

 探せば存在する可能性はゼロではないのかも知れねえが、見つかっていなくて手に入らねえんだったら存在しねえのと同じだ。

 反復継続して入手できねえ素材は、モノづくりの素材として実用性が低い。


「ほーん? “難しい”ってことは、光属性以外の魔石を動力に使っても、光属性の効果を持たせること自体は可能なのか?」

「可能では有るよ。光属性の宝玉で魔素の属性を光属性に変質させるんだ」

 即答で答えが返ってきたってことは、汎用技術として確立されてるんだな。


「ほう? 宝玉ってのは鉱石だったな」

「宝玉は属性を帯びた魔力に晒され続けた鉱石が変質したものだと言われているね」

 なるほどなあ。

 長い年月を掛けて変質する鉱石が“時間”の属性を帯びるってのは理屈として有りそうだ。


 鉱石なら反復継続しての入手も可能なんだろう。

 汎用技術なら応用も利きそうだしな。

 そこで宝玉を漁っていたケイナがタイムリーな情報を投下してくる。


「王都の商店で確認しましたが、高額ですが入手は出来るそうです」

「手に入るんだ? だったら、背嚢に時間停止の機能を付加することは出来るよ」

「ヨシ。王都へ戻ったら手配するか」

 グッジョブだケイナ。

 大猿の血肉でさえ呪物に生まれ変わらせて見せたレイクスなら、素材を与えておけば上手く活用するだろう。



クラン㊳です。


技術談義!?

次回、奴ら!?

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