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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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クラン ④

「これで、予定の区域は掃討し終わりましたね」

 ギルドが用意した地図を指しながら、ケイナが目印の大岩を見る。

 ”地図”とは名ばかりで、コッチへ行ったら目印の洞穴がある、アッチへ行ったら目印の倒木がある、ソッチへ行ったら目印の大岩がある、みたいな、極めて大雑把な落書きなんだけどな。


「熊8頭に、イノシシ15頭だっけ?」

「触覚ヘビ2匹と、枝角鹿3頭も、ですね」

 全部で28頭か。

 群れる犬っコロと違って単独行動の魔獣ばかりだったから、数だけ見ればそこそこだが、よく狩った方じゃね?


「跳んでくるシカが、一番、難易度高いかもなあ」

「そんなこと言うの、テツさんぐらいだと思いますよ」

 馬っぽい見た目に枯れ木みたいな角を生やした全長4メートル近い巨体が、頭上を遙かに超える高さを、クルマ並みの速度で跳んでくるんだよ。


 なんつったか。バイコーン?

 放射線状に広がって生えた鋭い角を掴んでしまうと、シカの動きを止めたとしても、今度は殴ろうにも腕が届かねえ。


 こちらもジャンプしつつ角の間を掻い潜って、バッティングセンターでホームランを狙うほどの打撃精度が要求されるんだよなあ。

 弓や鎗で宙を跳ぶシカを攻撃して、叩き落としてから囲むのがセオリーらしいけど。


「ええー。そうかあ?」

 熊血でケイナと乾杯しつつ言うと、無言で肩を竦められちまった。

 予定よりも1日遅れて突入地点から森を出ると、馬車チームの面々に、涙ながらに迎えられた。


 救援に自分たちも森へ入る勇気は無いし、どこかの集落へ亜人種族の自分たちが救援を求めに行く勇気も無くて、途方に暮れていたらしい。

 済まんかったな。

 適当な地図を寄越したゴリラが悪いんだ。


 4台の馬車を連ねて王都へ帰り着くと、城門の検問所で門番兵に事情を説明した。

 何って、檻馬車がどう見ても怪しさ満点だからだよ。

 王都までの帰路も、関所の度に長々と事情を説明する羽目になった。

 奴隷商人たちが関所でどんな説明をして潜り抜けたのか訊いておくべきだったな。


 奴隷商人たちはクローゼリス領で領軍に引き渡した旨を伝えて馬車チームの入都税を纏めて支払うと、後ほど王城の騎士団から調査の騎士がギルドへ来ることをゴリラに伝えておくよう言付けを承った。

 どうやら、他国の奴隷商人っぽいのが理由で、奴隷商人たちの尋問が必要だと判断したようだ。

 スパイか工作員の疑いでもあるのかねえ?


 俺たちがギルドに到着すると、何かの電波でも受信したのかゴリラが仁王立ちで待ち構えていてくれた。

 多くを語らず、「裏手へ回れ」とだけ指示される。

 見た記憶のない初顔のギルド職員の誘導に従って、馬車4台をギルド裏手の大扉から荷下ろし場へと乗り入れる。


 俺とケイナが乗っていたチャーターの馬車とはここでお別れだ。

 罪人留置用の牢屋も併設されているらしい荷下ろし場は、狩られた大型魔獣の納品にも使われる中庭のような場所で、解体作業場にも獲物を移しやすいので俺もこの場所に荷を下ろすように言われている。

 チャーター馬車の返却チェックを受けているとゴリラがやって来た。


「で? どういうことだ」

「森への突入地点へ向かう道中に襲われてな」

 ドネルクが目を向けているのは手元に残った被害者5人組だ。


 情報が早いな。

 獣人族の男女3人は兎も角、ドワーフ族の父娘は目を引くからなあ。

 俺たちがギルドに着いたときには検問所でのやり取りも伝わってたんじゃねえの?


「ケイナの顔を見られて襲われた。ぶちのめしてみれば、荷馬車に詰め込まれている違法奴隷を9人発見した」

 小声で伝えると、ドネルクは得心が行ったと頷いた。

 この様子だと、検問所からの情報が早かったんじゃなく、俺たちが森に入っている間にクローゼリス領からギルドへ連絡が入ったか。


 奴隷商人本人の供述内容に被害者たちから訊き出した情報も添えて検問所からの言付けも伝えると、ドネルクは肩越しに手を振って了解の合図を残して去って行った。

 奴隷商人たちが所持していた荷物は、何か情報が無いかギルドと騎士団が精査した上で、俺の戦利品として返してくれることになった。


 ずいぶんとピリピリしてるな。

 ドネルクのことだから、俺たちに必要な情報が有れば回してくるだろう。

 空になった3台の荷馬車は、馬ごと俺が持ち帰って構わないと言われている。

 改造しないことには使えねえ荷馬車だが、俺の所有物になったんだから魔改造してやろう。


 討伐した獲物を全て並べてギルド職員の検品を終えると、馬車チームに待機を命じて、エテルナ女史のところへケイナと二人で討伐依頼の完了報告に向かう。

 ギルドの1階を貫通する廊下を通って受付カウンターに着くと、俺が壊したカウンターは綺麗に修理が終わっていた。


 例の貴族令嬢だか何だか言うバカ女の職員は姿がねえな。

 代わりの職員が入ったみてえだしクビになったか?

 二度と会うこともねえだろうし、どうでも良いけどな。


 拠点建物の売主が権利書類持参で来てくれていたので、その場でエテルナ女史に預金から建物の代金を出金してもらって、建物の鍵と権利書類を受け取った。

 これで俺たちも宿屋暮らしから脱却だな。

 馬車チームの連中も宿無しにしなくて済む。



クラン④です。


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