↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/507

キノコを取るか、タケノコはどこだ ④

 普通に考えれば、殺した野生動物の血で喉を潤すなんて、異常行動だろう。

 だが、今は極限状態なんだから、生存本能としては正常な行動なのか?

 まあ、これで渇水状態を乗り切れるのなら、それはそれで構わねえ。


 今は生き残ることが何よりも先だ。

 とにかく、何かの動物を獲って血を飲むことで、喉の渇きを癒やせることが分かっただけでも意味が有る。

 生存の鍵となる情報を一つ得られただけでも、精神的に落ち着くことが分かったのも収穫か。


 自分の体を見下ろす。

 普通じゃないと言えば、何だろな?

 さっきから、ずっと胃の辺りがホカホカとし続けている。


 あれだけ全身を使って格闘したのに、クタクタに疲れて動けなくなる、なんて感じは受けねえな。

 掌を何度か、グー、パー、グー、パーと握ってみる。

 まだ、もう1戦できそうなぐらい体力的な余裕は残っていそうだ。


 血液が凝固を始めたのか、血が抜けきったのか、白っぽい蛇肉から滲み出していた血の量が減り、滴が滴り落ちることは無くなっている。

 切り口の断面を見ていたら、ぐうう、と、腹が鳴った。

 蛇肉って、鶏肉みたいなんだっけか?


 ヨシ、決めた。

 背に腹はかえられぬ、ってやつだ。

 脱力して伸びきった蛇を、ロープよろしく、何重にか巻いて、肩に掛けて焚き火の元へ。


 放置されて消えかけていた焚き火に、枯れ木と枯れ枝を放り込んで火を熾し直し、明かりが届く場所で蛇と向き合い直す。

 蛇って、結構、骨が多いんだな。


 やり過ぎたのだろう、粉々に折れている骨が多かった。

 皮を剥いたり、骨を避けたり、内臓を避けたり、色々と頑張ったけど、蛇の体格に見合うほど肉は取れなかった。

 剥がした皮の上に鎮座する不格好な生肉の塊は10キログラムも無いんじゃねえかな。


 気温的には暑くも寒くもねえが、生肉なんて、そう何日間も保つもんでも無いだろう。

 1週間も保たねえなら、食えるだけ食って、出来るだけ無駄にしないようにしなきゃな。

 このまま飲み水が見つからない事態を想定するなら、毎日、何らかの動物を獲る必要が有りそうだ。


 予想以上に薄っぺらくなったアバラの生肉を、樹皮を剥いだ枝に刺して火に翳す。

 なかなか難しいな。

 早く肉を焼こうと火に近づけたら、枝に火が点いてしまう。


 何度か枝を交換しながら焼き、白く火が通ったっぽい蛇肉を嗅いでみる。

 やっぱり、少し生臭い気がするな。

 軽く焦げ目がついた肉を、小さく囓ってみた。


 肉にまで毒が有ったらお手上げだから、舌の上に載せたまま、咀嚼せず、飲み込みもせず、2分間ほど待ってみる。

 一旦、口の中の肉を吐き出して、舌や口内に痺れや痛みが出ていないか確かめる。

 大丈夫そうだな。


 もう一口、囓って、今度はもぐもぐと咀嚼する。

 噛んでいるとスルメのように旨味が出て来る肉だ。

 咀嚼はするけど飲み込みたい誘惑に耐えて飲み込まない。


 また2分間ほど咀嚼した肉を吐き出して、再び舌や口内に痺れや痛みが出ていないことを確かめる。

 どうやら肉に毒は持って居なかったようだ。

 安心して蛇の焼肉にかぶりつく。


 生臭さはあるけど食えないことはないな。

 臭み消しの調味料で揉めば、そこそこ食える肉なんじゃね?

 塩味が足りていないのが残念だが、何とか食える。

 食えるのが分かったのなら、どんどん焼いていこう。


 けぷっ、と、ゲップが出た。

 なんか、こう、体が芯の方からポカポカするような気がする。

 血を飲んだときにも胃が熱くなる感覚は有って、毒じゃないかと警戒はしたんだが、喉の渇きに耐えきれなくて飲み続けちまったんだよな。


 リスクを引き下げるのに、ああいう、ノーガードのチャレンジは止めないとな。

 けどまあ、蛇肉、悪くない。

 慣れた、とも言う。


 なんだかんだで、いま食う分として切り分けた肉を完食した。

 多分、1キログラムぐらいは有ったと思うが、ペロリと食っちまった。

 瞼が重くなってきたな。


 大木に背を預けてゴロリと転がる。

 視界にキノコ棒が入った。

 お前は保留だ。

 正体不明のキノコにチャレンジする勇気は、まだ無い。


「疲れた・・・」

 今日は、色々と、有ったもんな。

 デケえトカゲと戦ったり、デケえ蛇と戦ったり・・・。

 はあ・・・、と、溜息を吐いたら、俺の瞼は、完全に落ちた。


キノコタケノコ④です。


完食!!

次回、間章!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。