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母を探しに異世界へ  作者: 鈴月桜
第6章 本当の正義は?
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第47話 正義の行方

そして翌日


昨日と同じように住民管理所に行き、母の登録票を探す


2日目も母を見つける事が出来なかった


そして約束通りサリーの家に夕食を食べに向かった


大通り沿いに大きな家が建っている。

ちょうど、ギルドからスフィンの屋敷までの中間あたりに建っている


門もしっかりとしていて、むやみに触ると鉄の部分が熱くなり大やけどするらしい。

サリーが言うには、1年に2,3名の人が火傷で大けがや亡くなる人もいるらしい


そんな危険な建物が大通りにあっていいのだろうか?

倫理感を疑う


ここは地球では無いとはいえ、人の命を軽くみている様に感じる。

先日のメイン通りから離れた住民の生活と言い、貧富の差が激しい。そして貧民は人として見られていないのではと感じてしまう。


サリーの家に入ると食欲をそそる匂いが鼻を刺激する。匂いだけで唾液が口の中を充満させる。

コリー達も大はしゃぎだ


「さあ、こちらへどうぞ」


黄色のドレスを着た美しい女性が僕達を誘導する。


「お母様、この方々が先日の監禁島で起こった反乱を鎮めた方々です」


「あら、それは大事にもてなさないといけないわね」


10人が一度に座れる大きなテーブルの上に次々と料理が運び出される。どれも美味しそうな料理ばかりだ。


「それにしても凄い料理ですね。これを全て一人で作ったのですか?」


「いえいえ私は指示しただけで、料理人が作ったのよ」


僕達の為に料理人まで頼んでくれたらしい


肉、魚、卵、野菜、それぞれ大量に料理が作られ、大皿をテーブルの中央に置かれた。


「さあ、好きな料理を食べて下さいね」


それぞれの料理に取り皿まで用意されている。まるでバイキングの様に自分の皿に乗せていく。

一口食べると美味しさのあまり、自然と微笑んでしまう。


「わあ~美味しい」

コリーが笑顔で料理を褒める


「この卵料理も美味しい。これならナーゼも食べれるよ」

リオンが卵料理を頬張りながらナーゼに卵料理を薦める


ナーゼが卵料理を皿に盛る。そして一口食べる


ガリッ


卵の殻が入ってしまっていたのだろう。ナーゼが殻を口から取り出す


そのナーゼの行動を見て、サリーの母親の表情が一変する。


「この料理を作った者は誰?」

おしとやかなイメージだったサリーの母が急に大きな声で叫ぶ


すると、男が入ってきて土下座しながら弁明する

「奥様、申し訳ございません」


「あなたを雇ったのは美味しい料理を作るためなのよ。」


「はい、すいません」


「謝って料理が美味しくなるのかしら?」


「いえ、なりません。すいません」


「早くここから出て行きなさい」


「奥様、それだけは勘弁して下さい。解雇されたら生きていけません」」


「あら、そうなの?それならば死ぬしかないわね」


「そんな~」


「誰か来なさい」


大きな体をして鎧を着た兵士が2名、部屋に入ってくる


「この者を魚の餌にでもしてしまいなさい」


「奥様、それだけは、それだけはお許しください」


「さっきから、「それだけは」ばかりね」


料理人を大男二人で取り押さえて、部屋から出て行く


「やめろ、おい、やめろよ」

料理人の抵抗する声が外から聞こえる


声は遠のき玄関の戸が閉まる音がする。


外に出されたようである


それにしても厳しい仕打ちだ


すると、今度は外から料理人の声がする。


「やめてくれ、殺さないでくれ」


えっ?


明らかに庭から声がする。


僕は立ち上がり部屋のカーテンを開ける


すると、直径2mぐらいの井戸があり、そこに料理人が落そうとしている


「こ、これは」

コリー達も窓に近づき、料理人を落とそうとする大男2人と必死に耐えようとする料理人の姿を目撃する。


窓を開けて、ナーゼが料理人に近づく

「何をやっているのよ!」


「奥様の命令ですから」

大男は手を止めずに返事をする。


「君、た、助けてくれ。もうダメだ」


必死に井戸を掴んでいた手が離れると、料理人は井戸に落ちていく


ナーゼは咄嗟に魔法を使い、井戸の中の落ちた料理人と井戸水を一緒に空中に浮かせる


「ナーゼ、魔法を解いていいぞ。僕が料理人を浮かせるから」


ナーゼは魔法を解くと水が井戸に戻っていく。

僕が料理人を魔法で浮かせているので、料理人だけが空中に浮かんでいた。


僕も庭に降りて、料理人をゆっくりと僕の横に降ろす


大男が料理人を捕まえようと近づいてくるが、僕の魔法で動きを封じた


「う、動けない」


大男がもがく


「さあ、ここから逃げて下さい」


料理人に逃げるように指示する


「あ、ありがとう」

感謝の言葉を述べて門に走っていく


バシッ


何かが切れる音がすると、僕の方に黒い何かが飛んできた


「な、何だ」


僕は黒い物体を掴む


えっ


黒く見えたのは髪の毛で、物体の向きを変えると人の顔が現れる

まぎれもなく、料理人の顔である。

僕は思わず手を放してしまう


「ガハハハハ。すまんすまん首をそっちに飛ばしてしまった」


血が付着した大きな斧を持ちながらモビランが近づいてくる。


「逃がしたのはお前達か?」

大男二人が慌てて弁明しようとするが、言葉を発する前に二人の頭は斧で打ち砕かれた。


頭蓋骨が完全に陥没しており、大男たちは既に息はしていない


「まったく、ワシに手を煩わせやがって」


そこでようやく僕達に気づいたようだ

「おう、これはユウタ殿ではないか。そんな所で何をしているのだ?」


まるで、何も無かったかのようにサリーが父親を出迎える

「おかえりパパ」


「おう、サリー。今日も可愛いな」


死体が転がっている事なぞ気にせずにモビランはサリーを抱き抱える。


「おい、誰かすぐに処理しておけ!早く片付けないと血痕が取れないぞ」


その言葉に使用人達が死体を片付け始めた


僕はコリー達を見る。

この異様な光景に顔色が悪い。ナーゼだけは怒りに満ちた表情をしている。

ナーゼの気持ちは分かるが、ここで揉める訳にはいかない。


「ユウタ、気持ち悪いよ」

リオンが口を抑えながら僕に訴える


「サリー、リオンが調子悪いみたいなんだ。僕達は宿に戻るよ」


「え~もう帰るんですか?」


「ごめんね。この前の戦いから色々あったから疲れているみたいだ。悪いね」


「それなら、しょうがないわ。じゃあ明日も一緒に母親を探そうね」


「うん」


僕達は逃げるようにサリーの家を出て行く


料理人も大男達は貧民街の者なのだろう。

まるで人を道具としか思っていない。


人が死んだのに、まるで害虫でも殺したかのような反応だ。


おかしい、おかしすぎる


僕達は悪人の味方をしているのではないか?


マコトが反乱軍に加入しているのは、自分で判断して善人に加担したのではないだろうか?

同じ日本人が判断したのであれば、反乱軍が正義なのではないかと考えてしまう。


宿に戻ると僕とリオンが泊っている部屋にナーゼとコリーを呼んで4人で話し合う事にした。このままスフィンに力を貸していいのか判断するために


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