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母を探しに異世界へ  作者: 鈴月桜
第6章 本当の正義は?
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第45話 トラントが何故?

トラントは、ナーゼ達を誘拐した張本人である。

マコトの言っている事は納得できるが、完全に納得する事が出来ない大きな要因はナーゼ達を誘拐しようとしたトラントの存在が大きい。

あの時、マコトにトラントが行っている誘拐の事を聞いておけばよかった。


「サリー、前ギルドマスターのトラントって知っている?」


「うん、知っているよ。でも何だか薄気味悪かったから話した事は無いわ。パパからトラントと話すなって言われていたから」


「確かに、何か嫌な雰囲気があるわよね」

コリーが話に加わる


ギルドを誘拐した人達を匿う場所にしていた。

マコトが騙されるとは思えない。それにリュウとかいう怖そうな日本人もいる。


ただ、この悪行をマコトに伝えなくていいのだろうか?


とにかくトラントが行っていた悪行を暴いてからマコトに伝えよう


「トラントの話は後にして、裏ギルドに行ってみよう」


街中にあるギルドよりこじんまりした建物だ。入口も2,3人が一緒に入れるような表ギルドとは違い、一般的な家の玄関みたく、ブザーを押してから中に入る入口である。


サリーがブザーを押すと玄関の鍵が解除される音がする


カチッ


サリーがドアを開ける


4,5m先にカウンターがあり、そこに一人の男性が立っている。


カウンターまでは両脇に4人用のテーブルが置いてある。しかし誰もいない


カウンターの男性に声を掛ける

「すいません。女性を探しているのですが」


「特徴は?年齢は?」


いきなり質問してきたので、母を思い出し答えていく


年齢や性別、身長、体重は大体の予想で答えれるが、改まって特徴を聞かれても答えられないものである。


「う~ん。特徴か」


「どこかに傷があるとか、ほくろとか、癖とか?」


そういえば、シミの一つも無かった気がする。傷もなく綺麗な肌をしていた事だけは確かである。


「傷もほくろもシミも無かった。ただ色白で透き通るような綺麗な肌だった」


カウンターの男が悩んでいる。

特徴を言えない僕がいけないのは分かっている。でも本当に特徴と言える特徴が無いのである。

今更ながら、こんな情報しか持たず人探しをする自分の愚かさに飽きれてしまう。

しかしカウンターの男は予想外の答えを出した


「その特徴が本当なら、探せるかも知れません」


えっ?

特徴?

僕は何も言っていないのに


「すいません。言った僕が分からないのですが・・・」


「シミ一つ無い透き通る肌をしている人間は、高貴な女性か高度な魔法を使える魔法使いしか考えられない。高貴な女性は魔法使いを呼んで肌を綺麗にする魔法を依頼する。」


「では肌を綺麗にする魔法を使える人を探せばいいのですか?」


「そうですね。それが探す近道になりそうですね」


「でも、その魔法を使える人は何人ぐらいいるのですか?」


「このアウラーでも多くの人間が使える。特に女性は例え別属性の魔法が得意でも、この魔法を覚える人が多いのです」


「そうですか、それではわからないですね」


「ただ、住民管理所には情報が少しあると思います」


「住民管理所?」


コリーが代弁する

「町毎に住民を管理する場所があるのよ。そこで住民の把握をしているわ。町に収める金銭も管理しているのよ。」


市役所みたいな所らしい

生まれた地域で登録する事になる。魔法を使って商売する場合は使用できる魔法も住民管理所に申請する事になっているらしい。


「領主様の依頼なら、肌を綺麗にする魔法の使い手を閲覧できると思います」

受付の男性から母を探すヒント貰う


あても無い捜索に少しだけ光が差し込んだ


リオンがカウンターの男性に質問する

「あの、さっき前ギルドマスターのトラントさんが居たと思うのですが、何の依頼だったのですか?」


カウンターの男性の表情が変わる

「な、なんの・・こと・・ですか?」


動揺を隠しきれない

「僕は彼に誘拐された事があるのです。」


「あっそうなのですか?」


「それで、依頼内容は?」


「裏ギルドで依頼者の内容まで他人に教える事は出来ません」


「彼は犯罪者です。それでも教えてくれないのですか?」


「私の一存では教えられません」


確かに秘密を持った人や知られたくない内容を相談する場所なので簡単に教える訳にはいかない。サリーならともかく僕達は、ただの旅人だ。


「じゃあ、私が聞くね。トラントが依頼した内容は掲示板にありますか?」


部屋の隅にある掲示板に複数の紙が貼ってある。あの中にトラントの依頼があるのだろうか?


「いえ、まだ受け付けたばかりなので、掲示していません」


「怪しいわね」

サリーが受付の男性に疑いの眼差しで見つめる


カウンターの男性が言っている事に間違いは無いだろう。さすがに僕達と入れ違いで出て行ったトラントの依頼が掲示されていないのは納得できる


ただ、カウンターの男性はそわそわとしていて、何かを隠している様にも見えてしまう


「サリー、とにかくスフィンさんに事情を話してみるよ」


カウンターの男性が安堵の表情を浮かべる


その姿を見ると、本当に何かを隠している様にも感じてしまう


僕達は裏ギルドを後にした


「お腹空いた」

サリーが大きな声で訴える


「先にスフィンさんの所に行ってもいいかな?」


「え~、お腹空いた」


人には厳しいナーゼがサリーに近づいていく


まさか、暴力?


ナーゼが右手を上げる


暴力?


ナーゼがサリーの頭をヨシヨシと撫でる。サリーも頭を撫でられて気持ち良さそうな表情を浮かべる

「じゃあ、ごはんを食べましょうね」


「はい」


リオンに小声で話しかける

「いつの間にナーゼとサリーは仲良くなったの?」


「ナーゼは小さい時に亡くなった妹とサリーが重なって写っていると思う」


「亡くなった?」


「僕もサリーを見た時、ナーゼの妹に似ているなと思っていたんです」


これ以上小声で話し続けるのは、話の内容からして良くない


落ち着いた時に聞いてみよう


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