28.メルトと悪魔王
短いうえに、遅筆で申し訳ない・・・
楽しんで頂けると嬉しいです。
何かがすり減っていっている、村人Aです。
悪魔の王様と竜王の間に挟まれ、どうしたらいいのか、わかりません。
なんですか、これ!
なんなんですか、これえええ!!
そしてシエルは私をギュー!と抱きしめて離してくれません。
どうしたんですか、シエル・・・!
こんな時に甘えっ子モードですか?!
そしてニヤニヤ微笑む悪魔王様!
私は・・・
私は・・・!!!!
どうしたらいいのかわからなくなって・・・!
最終的にはチベットスナギツネ顔リターンですよ?!
『ハハッ!溺愛しているなあ!』
「当たり前だ、こっちを見るな!」
シエルがプリプリ頬を膨らませています。
んんっ!!!!
がわ”い”い”!!!!
なんですか、なんですか、この可愛い生き物は!
はいっ!うちのシエルさんですね!
悪魔の王様はというと、空中に浮かびながら、唇をとがらせています。
んんっ!!!!
美しい人は何をやっても美しいですよ?!!
『見せてくれてもいいだろうに、竜王はケチだなあ』
「ケチではない。こっちを見るな!」
『此方に来るのは久しぶりなんだ。少しはかまってくれてもいいじゃないか』
「何故我が!断る!」
『つまらないなあ』
空中をフラフラ漂う悪魔王様。
そしてその人の傍に控え、影のように徹している人(?)を私は見る。
いや、影・・・に徹しようとしているのだが、彼の容姿はあまりにも煌びやかだった。
全然影に徹せていない。
彼・・・リリー嬢の執事だったノーマンさん。
彼の姿形は、気が付いた時にはもう変化していた。
素敵なロマンスグレーなおじさまだったのが、若くて美しくギラギラした光を発する美青年に。
眩しいですよ。
どうしてこうなったのです・・・
ロマンスグレーのおじさまは何処・・・
とても同じ人(?)とは思えないくらいですが、髪色と着ている服でやっとノーマンさんだとわかるレベルの変化です。
そしてーーーーー・・・
ノーマンさんの頭には大きな角がついております・・・よ・・・?
えっと、その、やはり、ノーマンさんはその・・・
AKUMAなのでしょうか・・・
ノーマンさんは自分のことをジロジロ見ていた私に気が付くと、にっこりと優しくを微笑んでくれました。
けれど、深紅に変化したその瞳と、横に細長い山羊のような瞳孔が怖くて、冷や汗が止まりません!
あああああやっぱり悪魔だあああああ!!!!!
未だに執事服を身に着けているということは、彼が執事だということには変わりないのでしょう。
ただ、これからは仕える主が違うだけ。
つい先日、ノーマンさんの隣にいたのは、リリー嬢だったのに・・・
今の彼の主はーーーー・・・
あれ・・・?あれあれ?主・・・は・・・?
「あの・・・質問をしても宜しいでしょうか・・・?」
私は恐る恐る手を上げました。
「メル!」
「メルトさん、危険だ!」
「痴女、やめておけ!」
最後の「痴女」って言った奴。
ミカエルさんですね。
ぶっ飛ばしますよ。
『うん?なんだい?』
ミカエルさんを睨みつけていましたが、悪魔王様の声で改めて悪魔王様に視線を向けました。
悪魔の王様は、私に微笑みかけ(目が笑っていないのですが・・・)発言の許可を下さいました。
『良いぞ、申してみよ』
「あの・・・ノーマンさんは、悪魔の王様の部下・・・ということでいいのですよね?」
『ふむ、そうだな。我が配下となる』
「では・・・何故ノーマンさんはリリー嬢のもとで執事をされていたのでしょう?」
『我を此方に呼ぶ為だな』
「・・・・・・ということは、今回の一連の騒動は・・・すべて裏で貴方様が糸を引いていたということでしょうか?」
『ふふ・・・ははは!そうなるな!馬鹿正直によくぞ問うた!』
はいー!!
黒幕は悪魔王様でしたー!
あっさりとお認めになりましたー!
「何故こんなことを・・・?」
『そこな竜王が弱体化したのを感じたからな。これはチャンスだと思い動いた。そこで竜王の力の一部を手にした少女がいたのでな。利用することにしたのよ』
もしかすると・・・。
何かが一つ違っていたら、私はリリー嬢と同じ運命を辿っていたのかもしれないですね・・・
けれど、私にはシエルがいてくれた。
そしてリリー嬢の側には誰もいなかった。
違いはそれだけだったのかもしれません。
「ですが、リリー嬢をあんな・・・あんな酷い姿にしなくても・・・」
『ん?あれの姿は元からああだぞ?』
「・・・はい?」
私は、ちらりと、リリー嬢に視線を向けます。
どこからどう見ても骨と皮・・・
生きているのが不思議なくらいで、横たわりながら体をプルプル震わせているのが遠目からでも見てとれます。
あの状態がー・・・
リリー嬢の元の姿・・・?
醜い・・・とか、そんなことを気にしている場合ではないですよ?
今にも息を引き取ってしまいそうではありませんか・・・
どこからどう見ても、重篤な重病人ですよ?!
ミュージカル調で『あの頃の私は醜かった~♪』等と言うレベルではありませんよ?!
私は、ただただリリー嬢を見つめました。
さっきは思い切り殴り飛ばしてしまって、ほんっっっとうに、ごめんなさい・・・
いや、でも、シエルの命がかかっていたんです。
・・・私の思い込みでしたが。
あああああ!!!!
ごめんなさいいい!
『・・・我はあれの中にあった竜王の力を媒介にして、こちらの世界に来た。こう見えて慈悲深いのだぞ?あれは元の姿に戻ってしまったが、過ぎた力を持てばいつかは身を亡ぼす。こうなる運命だったのだと思え。我に敵対してきた者たちは、まあ、仕方がないが。我に刃を向けて痛みもなく一瞬で死ねたのだ。幸福な生だろう』
艶やかに微笑む美貌の悪魔王様。
もう何に驚いていいかわからくなってきました。
「疑問は解けました。ご質問にお答え頂き、ありがとうございます」
『うむ、気にするでない、竜王の番よ』
「あー・・・あはは・・・はい」
悪魔王様は、改めて今、この場にいる全員のことを見回すと、高らかに宣言されました。
『我に刃を向けない限り、お前たちに手をだそうとは思っておらん。だから・・・我に歯向かうなよ・・・?』
悪魔王様変わりからの!!!!
圧が!!!!
半端ありません!!!!
ひいいっ!
レイン様もミカエルさんも王様も、もろもろ全員、顔を青ざめさせています。
私も怖い!
『さて。では久しぶりに、魔王をからかいにでも行くか』
・・・え?
ま、魔王のおじちゃあああああん?!!!!
に、に、逃げてえええええ?!!!!
次の更新はできるだけ早く頑張ります。




