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23.湖で溺れた王子様


久しぶりの更新です。

間があいてしまい、申し訳ありません。ちょこちょこ書き進めていたのですが、なかなか思うようにいかず、手間取ってしまいました。

また更新していきますので、終わりまでお付き合い頂ければと思います。

宜しくお願い致します。





こんにちわ、メルトです。

人命救助をしたのに、現在進行形で痴女呼ばわりされている平民です。

納得いきません・・・

レイン様が湖で溺れ、それを助けただけなのに!

まあ・・・泳いでいるうちに胸当てが外れてしまい、お胸もろだしで救出した訳ですが・・・

決して、わざとではありませんし!

痴女呼ばわりは酷すぎます!


「メル、服だ」


シエルが服をとってきてくれました。

私はそれをサッと着込むと、痴女発言に憮然としながらも、ミカエルさんに、気になっているレイン様の体調について問いかけます。


「・・・レイン様のご様子はどうですか?」

「・・・あまり水は飲まれなかったようだ。呼吸は正常だし、気を失っていらっしゃるだけのようだな」

「そうですか・・・」


私はホッと息をつきます。


「おい、痴女」

「痴女ではありません!」

「レイン様の御命をお救いしたことに対しては褒めてやる。だが、これ以上レイン様に近づくな」


私の言葉はスルーですか、このヤロウ・・・

しかもレイン様に近づくなとは・・・

一緒に旅をしている以上、無理ですよね?

何を言っているのでしょう、この方は?

思わずブラックな私が出そうになりました。

が・・・


「う・・・」

「!!レイン様!気が付かれましたか!」


レイン様が目を覚まされたので、ブラックな私はヒュッと引っ込んでいってしまいました。

ミカエルさんが、レイン様の背を支えて起こしてあげています。


「ミカエル・・・僕はいったい・・・」

「湖で溺れられたのです。そこの痴女がレイン様をお助け致しました」

「メルトさんが・・・?」


私に顔を向けるレイン様。

ですが、ミカエルさんが言った「痴女」の部分には何もツッコミなしですか?

何故痴女の部分をすんなり受け入れるのですか、レイン様・・・?

こいつらは主従揃って・・・

またブラックな私がひょっこり顔を出しそうです。


「メルトさん・・・助けてくれて、ありがとうございます・・・」


レイン様が弱々しく私に手を伸ばしてきたので、私はその手をギュッと握りました。

お礼の言葉にブラックな私がまた引っ込んでいきます。


「いいえ、気になさらないでください、レイン様」


レイン様のお身体の具合を伺いながら、首を横に振ります。

どこからどうみても感動の場面です。

それなのに・・・

ミカエルさん・・・

そんなに私を睨まないで下さいよ。

ついついレイン様の手に触れてしまいましたが・・・

私はただ・・・!!!

私に伸ばされたレイン様の空を漂う手を、どうしても放置できなかっただけです!

弱っている方を見放せる非道な人間にはなれません!

が!視線がイタイ!

ミカエルさんの突き刺さる視線をチクチク感じ気まずげにしていると、レイン様がポツリと呟かれます。


「柔らかかった・・・」

「はい・・・?」


私は意味がわからずキョトンとしてしまいました。

え、なにがですか???

柔らかいものなんてありましたっけ???

そう思っていると、レイン様が清らかな瞳で私に問いかけられました。


「おかしな話だとは思うのだが、湖で溺れていた時・・・真っ白で柔らかな・・・そう、マシュマロのようなものにいだかれる幻を見たのです。あれはいったい何だったのだろう・・・」

「・・・・・・」


おっと?

それはもしや・・・?


「ふわふわで・・・柔らかくて・・・温かくて・・・あれはいったいー・・・」

「レイン様!それは!!幻覚です!!」


幸せそうな柔らかな笑みを浮かべるレイン様に、ミカエルさんが顔を近づけ断言しています。

え・・・あーー・・・はい・・・

・・・それはそうですよね。

だって・・・

レイン様が見られたマシュマロの正体・・・

それは・・・

多分・・・

間違いなく・・・


私の・・・!!!

お胸ですから・・・!!!


あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!

レイン様に知られる訳にはいきませんんんんん!

ほぼ裸の女に抱きしめられていたと分かったら、レイン様、責任がー!とか言い出しかねません。

そうなったら、私はたまったものではないので、だんまりを決め込みます!


「え?え?幻覚???あれが???」

「そうです!レイン様は幻覚を見られたのです!」

「え、だってリアルな触感が残っているんだよ?」

「夢を見られていたのです!」

「えええ、あれが夢・・・???」

「夢です!!!!!!!!!」


ミカエルさんが必死にレイン様を説き伏せて下さっています。

頑張って下さい、ミカエルさん!

このまま幻覚か夢で押し通しちゃってください!

面倒ごとになるのは私も御免被りたいです!


私は言い合うお二人から、気まずげに視線を逸らしました。


「・・・あれ?」


そこでふと首を傾げ、湖の周りを見回します。


「どうしたのだ、メル?」


私の様子に気付いたシエルが問いかけてきます。

私は首を傾げながら、シエルと向き合いました。


「いつの間にか、あれだけいた精霊さんたちがいなくなっていたなって思って・・・」

「ああ。あれらは、人間ひとの前には簡単に出てこないからな」

「え?私、すごく簡単に会えましたよ?」

「メルは気に入られたんだ。なんといっても我の番だからな!」


にかっ!と男の子らしく微笑むシエルも可愛いですね。

でも、そうか・・・

私は珍しいものを見られたのですね。

とても綺麗な夢のような光景でしたし。

なんだか得をした気分です!




湖から馬車へ戻った私たち。

しかし私はその後ミカエルさんから呼び出しをくらい、お説教をされました。

正座をした私を、ミカエルさんが上から見下ろしながら、ひたすらガミガミ怒ります。

げせぬ・・・

人助けをしたのに、げせぬ・・・

しかしミカエルさんからはーーーーー・・・


『そもそもお前たちが湖に行かなければ、レイン様も湖に近づかなかった!

よってレイン様が溺れたのはお前たちの責任だ!

危険な場所には行くな!』


・・・と散々叱られてしまいました。

だけれど、私にも言い分があります!

あの湖は、私とシエルにとっては、危険でもなんでもない場所でしたよ?!

むしろ神秘的でとても美しい場所だったのですが・・・

ミカエルさんには私の意見は聞いて頂けませんでした。

やっぱり、げせぬ・・・と思いながら、夜は更けていくのでした。




短くてスミマセンー!

次話は、あまりお待たせせず更新できると思いますので!


そして、おちゃらけムードはこの辺りまでです。

次回更新をお待ち下さい。



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