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18.王子様とその婚約者


誤字報告ありがとうございます。

今回も急いで編集していたので、誤字があるかもしれません。

投稿時間ギリギリまで編集しておりました。

楽しんで頂けると嬉しいです。



突然現れた自称王子様の婚約者、アリア様

腰までとどく銀色のストレートヘアに、吊り上り気味の、猫のような青い瞳

陶器のような白い肌に、艶々の珊瑚色の唇

まるでお人形のような女の子。

気の強そうな顔つきですが、とっても可愛い子です。

そんな子が、王子様に抱き着いて離れません。

近衛騎士より素早く動く身のこなしの御令嬢。

本当に御令嬢なのでしょうか?


一通りの買い物は終わっていたので、アリア嬢を連れ、宿屋に戻ることにしました。

アリア嬢は、べったりレイン様にくっ付いています。

もう離れないぞ!という意気込みが伝わってきますね。

可愛い女の子らしい行動に、ほんわかしてしまいます。

なのに、時折彼女からは、鋭い視線が・・・

何故でしょう・・・

まだ挨拶すらしていないのですが。

私、何か彼女に嫌われるような事をしてしまったのでしょうか?




荷物を置き、宿屋の王子様の部屋に全員集合しました。

レイン様は、自分にくっ付いているアリア嬢を見つめた後、ソッと絡められていた腕をはずしました。


「改めて、聞かせてくれ、アリア。何故こんな国の端の町まできた?婚約者とは、どういう事だ?」

「貴方様の身を心配してここまで参りました!私たちは幼い頃に結婚を誓いあった仲ではありませんか!」

「そんな記憶はないのだが・・・」

「酷い!!私は忘れもしません!私が6才のお誕生日の時に、レイン様はプロポーズをして下さいました!」

「・・・ええ・・・??」

「本当に覚えていませんの?!」


二人が揉めている隙に、ラファエルさんがコッソリ教えて下さいました。

お二人は、従兄妹で、幼馴染なのだそうです。

お二人が将来結婚するのは当然のことだと思われているとの事。

なのに、肝心の王子様が全く意識していなかったと・・・

私にプロポーズしてくるぐらいですからね・・・


「君は兄上が好きなのではないのか?」

「何故ですの!」

「兄上がいるんだ。弟の僕は、王にはなれない。君は嬉々として妃教育を受けていただろう?」

「喜んで妃教育を受けていたワケではありませんわ!貴方の妻になる為に必要だと思って私は!!」

「僕は、君は兄上の妻になる為に、頑張っているのだと思っていたよ」

「我が国の後継者は、レイン様ではありませんか!!」

「まさか!兄上がいるのに、僕が後継者だなんて。ありえないよ」



おやおや?

どういうことなのでしょう?

?マークを浮かべていると、またラファエルさんがコッソリ教えてくれました。

レイン様のお兄様は、顔だけが良い、天然ポヤポヤさんだと。

お兄様に国を任せたら、あっという間に国を滅ぼしてしまうだろうと考えられているので、王様は後継者をレイン様にと決めているのだそうです。

これも、周知の事実のようです。

え・・・国を滅ぼしてしまうくらいの天然ポヤポヤとは???

そして、何故肝心の王子様がわかっていないのでしょう・・・

ああ。王子だけれど、跡継ぎではないから将来お城を出て、丘の上に真っ白なお家を建てるとかなんとか夢物語を語っていたのですね。


それにしても、レイン様とアリア嬢の会話があまりにもすれ違っていて・・・

会話が成立していないと思うのですが。


「私は!ずっと貴方の妻になる為に、自分を磨いてきたのです!」

「そんなことを言われても・・・君の事は幼馴染としか思っていないし・・・」

「では、これからは将来貴方の妻になる女だとお考えください!」

「いや、それは・・・」


レイン様は、私をチラリと見てきました。

何故、こちらを見る・・・

アリア嬢もその視線に気が付き、キッ!と私を睨み付けてきます。


「先程から気になっていましたが、貴女はどこのどなたなのかしら?」


ほら!矛先がこっちにきたではありませんか!

私を巻き込むのは、やめてください!


「ええっと・・・辺境の村のただの平民です」

「平民が何故レイン様と一緒にいるの!」

「ええっと・・・食材を買ってもらって、甘味処に連れて行ってもらう約束をしておりまして・・・?」

「なんなんですの、それ!」


アリア嬢はプリプリ怒っています。

それはそうですね。

はい、意味がわかりません。

私もです。


「こいつらは、タダ飯ぐらいなのだ!だから、メルは対価を求めた!それだけだ!」


シ、シエルー!!

シエルが庇ってくれました!

なんていい子!

それにしても、アリア嬢はシエルの美貌にも全く怯みませんね。

それどころか、タダ飯という言葉の方にショックを受けているようです。


「タ、タダ飯・・・?レイン様が・・・?」

「うむ!そうだ!こいつらはうちに毎日毎日三食きっちり飯を食いに来ていた!」

「こいつら・・・?」

「コノエキシと呼ばれている、こいつらもだ!」

「・・・ちなみにお家は食堂をやっていらっしゃるの?」

「店などやっていない。普通の家だ」

「金銭を全く受け取っていなかった・・・?」

「何も受け取っておらん!」

「・・・・・・ミカエル様、ラファエル様、ガブリエル様、ウリエル様、アズラエル様・・・?」


「「「「「・・・はい」」」」」


アリア嬢が、低ーい声で、近衛騎士ーズにニッコリ笑いかけます。

・・・が、目が笑っていません。


「貴方たちは何をなさっているの!!!!!」


近衛騎士ーズに、アリア嬢から特大の雷が落ちます。

大の男をキッチリ叱れるアリア嬢カッコいい・・・

アリア嬢は、表情を一変させ、私とシエルに頭を下げてきました。


「・・・貴方たちが同行している理由はわかりましたわ。レイン様がお世話をお掛けして大変申し訳ありません」

「あ、いえ!アリア様が謝ることでは・・・」

「婚約者の過ちですもの。私が謝罪するのは当然の事ですわ」


堂々とそう言う姿が、カッコ良すぎます、アリア様!

私がポー・・・としていると、アリア様から改めて自己紹介をされました。


「ごめんなさいね。私の名は、アリア・アバランチェ。レイン様の従兄妹で婚約者ですわ」

「ご、ご丁寧にありがとうございます!私は、メルト・ブランシュです」

「我は、シエル・ブランシュだ!」

「同じ家名なのですね。お二人は似ていないけれど、御姉弟なのかしら?」

「メルと我は、つが「私たちは将来を約束しあっていて、もう家族同然の関係なんです!」


シエルが番と言いそうになっているのを、慌てて止めました。

番という言葉は人に言うには、おかしいですから!


「あら、そうなの?ではレイン様とは・・・」

「本当に何の関係もありません。レイン様のことは勝手に食事を食べにくる勇者様という認識でした」

「うふふ・・・なあに、それ」


アリア様がクスクスと笑っています。

その笑顔がとても可愛くて、癒されますー!

シエルとアリア嬢は天使ですね!

天使の名前の近衛騎士ーズとは大違いです。


アリア嬢と私たちでお話している間、レイン様と近衛騎士ーズは置いてけぼりでした。

近衛騎士ーズは、アリア様に怒られてしょんぼりしているようです。

レイン様はというと・・・


「なんだと・・・メルさんは、メルさんではなく、メルトさんというのか・・・知らなかった・・・そういえば、自己紹介をしていない・・・」


レイン様もレイン様で、ショックを受けているようで、しょんぼりしています。

自己紹介なんて、今更ですよね。



引き続き、旅は続きます。


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