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黒白雪  作者: 泉野 戒
6/13

1-5

あっくんは店を出ていった。律儀に支払いを済ませて。

わたしはガラス越しにあっくんの姿を目で追って、見えなくなってからは、何を見るともなしに外を見てた。

あっくんの言う通り、わたしは異常だ。

ななちゃんは男が嫌いと言っていたけど、わたしは自分以外のニンゲンが嫌いだった。

人の為に何か出来ない。究極の自己愛者。無償の愛は、人から貰う物。人からどう思われても気にならない。人付き合いはそれなりにしているけど、関わりのない人に愛想を振り撒いたりしない。

あっくんは、わたしのそんな所が気に入らないらしい。

別にどうでもいい。あっくんもニンゲンだし。それで行動を起こしたりはしないはず。

携帯が鳴った。

ポケットから取り出して確認する。りっちゃんからだ。

ボタンを押して、電話に出た。

「もしもし?」

『ユギ……、アタシ、ユキに謝んないといけない』

「どうしたの? いきなり」

声の感じでは、りっちゃんは泣きながら話しているみたいだった。

『ア、あのね、アタシ……、ユキがノグチを殺したと思ってたの……。前に、ユキが、教室で倒れたノグチの前に立ってるの見て。それでおとといも跡つけたりして……。もしタケウチ捕まらなかったら、ずっと誤解しっぱなしだった。ホント、ゴメンね……ぅぅ……』

泣いて謝るりっちゃん。何かした訳でもないのに、勘違いをしたというだけで。黙っていればわからないことを、わざわざ電話までして。

本当に優しい人だった。

優し過ぎてうっとうしいぐらいに。

「気にしなくていいよ、りっちゃん。わたしはそんな事でりっちゃんを嫌いになったりしないから」

元からなんとも思ってないし。

『でも……』

「もういいんだって。だってわたしたち……」

ここのウェイトレスさん、服が可愛いなぁ。あんなの、一度着てみたいかも。

「トモダチでしょ?」

にしても……。

トモダチって何なんだろ。


* *


わたしはあっくんの質問に対して、一つだけ嘘をついた。

でもあれは、わたしが先に言ったことをちゃんと聞いてなかったあっくんが悪い。

最初に言ったのに。

『わたし、人を殺したの』って。


(人間殺人 終)

まだ続きます。

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