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もしも人間が魔王になったら  作者: キバごん
異世界炎龍編
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第八十話 女騎士には異常な奴が多いと思ってしまっている俺はもっと異常

「なんじゃありゃあ!!」


鋼色を塗りたくられた蛇か龍に近しい化け物が、海中から出現した。

おそらく外に出ている部分だけでも鉄塔一つ分に相当するぐらいーーーー

その上、色だけでは飽き足らず身を守る鱗も鋼のようだった。


「uuuuuu……!!」


真っ赤な瞳が人間達を見下ろした。

それは嘲笑うのか、はたまた獲物として捉えたのかーーーー

唸り声を発しながら、体は攻撃態勢に入った。



「この世界はあんな魚が主流なのか?......調理したら美味しそうではあるが」


「んな訳ねえだろ! 漁師がリヴァイアサン釣り上げに行ってると思うなよ!」


アレを美味そうだと言うアノミア。


海に来ていた人達は恐怖により逃げ惑うーーー



「とにかく……! なんとかしねえと!」


放っておくと死人が出るーーーー最悪の結末を懸念する海斗。

木刀はビーチパラソルをさした拠点に置いてあるーーー幸運にも近くだ。

急いで取りに行く海斗だったが……


彼が攻撃するより迅速に、黒い柱の如くーーーー巨大な針が突如空間から飛び出てきた。

それは化け物の頭に一刺し……絶命させるに至った。



「なんですかぁ……? 折角のサマーマリンバケーションなのに……」

「ゆっくりさせてくださいな……」


その物体はルシファーが展開したものだったらしい。

サマーベッドに寝っ転がりながらサングラスをずらし見るーーー

特別な休息の地ーーーいくら強靭な堕天使でも、ここに来てまで戦闘は勘弁してほしいみたいだ。


だが彼女が撃退したのもつかの間、また新たな異形の化け物が現れる。

それも一匹ではない、三匹同時だ。


「あらまぁ……」


ルシファーは嫌そうではなかったが、面倒くさそうな顔を作った。

そしてすぐ、再びオフの態勢をとったーーーーーおい、戦えや。



「元気だな奴ら……」


「如何なさいますかシェイラ様、このままだとこの海は木っ端微塵に壊滅されてしまいますが……」


冷静に状況を見極める女騎士二人ーーーー

自分たちの役割はどうするのか腕組み考えている。

当然戦はなくてはならないのだが……ただただそれをするだけでは面白味もない。

何も生産されない。


だからこそシェイラは終着点を思い描いた。


「どうもこうも、海斗の様子を見る限り、奴らはこの世界の住民ではない……」

「ここで我らが取る行動はただ一つーーーーーーーー」


目を閉じ息をため





「奴らを撃滅し! 海斗に恩を返すと同時に我らからも恩を売る! これに限るのだ!」


「流石ですシェイラ様! ならば早速ーーーーー」



その言葉が発せられて間髪入れず海斗が木刀を振るい、大気の塊を化け物へ一気に直撃させり。

化け物の当たった部分が多数の肉塊へと変化し、生命活動を途絶えさせた。



「だから本人目の前な!!! 耳に直接デカイ声が入ってきてんだよ! お前らいつになったら学ぶんだよ!」


前もあったよこんなこと!

なんでそんなことを堂々と本人の近くで行ってしまうのか海斗は甚だ疑問だった。


「海斗だってついついやってしまうことぐらいあるだろう、それと同じだ」


「胸張って言うことじゃねえから!」


弁明が弁明になっていない。

だがそれはこの二人の性格上致し方のないことだった。

過去に少しだけ共に時間を過ごしたことがある海斗にとっては慣れたことだった。

そんな少ない時間でも読み取れるはっきりした性格なのだ。


ーーーーその横で思い悩む女性が一人。


「……」


バルだ。

下を向いて目を空間の一点に向けていた。


「……どしたバル……そんなにつっかかることでもあったか」


「いやつっかかるどころの騒ぎじゃないですよね、人間界に大怪獣が現れたんですからね」


「……」



海斗とシウニーが近くに寄っても表情が変わることはなかった。

久しい顔だ、初めて会った時のことを思い出す。

すると、閉じきった口を開き



「あの蛇みたいなの……魔界の海に生息している生物なんです」


「……まじでか」


そう答えた。

魔界で生息する化け物ーーーーーー


「あ〜……言われてみればそうですね、私も何回か見たことあります、私が見たときは四、五匹群れて泳いでましたね」


「確かにぃ……でもあれよりも大きな化け物いますよねぇ……」


「昔はよく趣味で狩っていました……」


「魔界怖すぎだろ」


バルの言葉により次々と化け物のことを話していく悪魔達ーーー

あんなのが魔界の海にはうじゃうじゃいるのか……

そりゃ人間界の方にくるはずだわ……


「でも、その生物がどうやって人間界に……」


となればここへ来た手段が何なのか。

だが魔界から人間界へ繋ぐ道など聞いたことがないーーー少なくとも海斗はそうだ。


魔界と人間界に精通したバルが原因を思索するーーーーーだがその最中に


「ーーー!」


「おいおいまたかよ……!」


再び地面が震えだす。

またもやあの化け物が現れてしまうのか……胸が重くなる。


するとマモンが海斗に寄り、腕を組んできた。


「魔王様ぁ、怖いですぅ……」


「テメェ海斗に触んな! それは幼馴染のポジションだコラァ!!!」


その行動に花音が口を挟む。

何もそんなに口を悪くして言わなくても……



しかしそう言い合えるのもこれが最後。

水面が、ある一点を中心と定めて波打ち出すーーーーかなりの規模だ。

これがもし、本当に化け物の類ならどこまでの大きさなのだろうか……想像するのも億劫になる。


徐々に波紋が威力を持つ波に変わり、空気も恐れで振動するように感じられた。

海斗達が注目するーーーーそして表したその姿は





古代文明と呼称するにふさわしい建物が並ぶ土台だった。


「……嘘だろ……」


「本当に、こんなのがあるんですね……」

「海中都市ってーーーーー」


全員が息を飲んだ。

先ほどの化け物襲来もおそらくこれが原因を作っているのだろうーーーーーーーー





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